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全国自然博物館の旅㉜天草市立御所浦恐竜の島博物館

我が国に「恐竜の島」があるのはご存じでしょうか。
歴史文化の深い天草市。当地の幽玄な海に浮かぶ御所浦島には恐竜時代の地層が存在しており、日本の恐竜学にとって画期的な発見が成し遂げられました。博物館がリニューアルしたタイミングを狙って、恐竜マニアなら誰もが憧れる夢の島へ行ってきました。


太古のロマンを求めて「恐竜の島」へ!

中生代のロマンと豊かな自然に満ちた恐竜の島・御所浦島。憧れの恐竜たちに出会うためには、フェリーか海上タクシーで島へ渡ります。熊本県内の数ヶ所の港で定期便が運行されており、筆者は本渡港から向かうことにしました。

雄大で幻想的な熊本県の海。数々の自然豊かな島を擁するのも大きな魅力です。
天草市の本渡港ターミナル。熊本市からは車で2時間以上かかるので、御所浦島へ行くならば、天草市内もしくは島内の宿を予約しておきましょう。

来島前の準備として必要なのは、博物館への入館予約です。天草市立御所浦恐竜の島博物館への入館に際しては、インターネット上での予約が必須となります。枠が空いていれば当日でも予約可能ですが、できれば前日までに済ませておきたいですね。

ターミナルの待合室には御所浦島のPRコーナーがあります。恐竜の島への期待が高まります!
立派なティラノサウルスの頭部模型。実は、天草郡苓北町ではティラノサウルス類の化石が発見されています。

フェリーの出港時刻になると胸が高まってきます。船に乗るとワクワクするのは子供も大人も同じで、テンションは最高潮!
本渡港を発って40分ほどすると、夢にまで見た恐竜の島に到着します。

いざ、フェリーで御所浦島へ。帰りの便の時間も要チェックです。
約40分で御所浦島に到着。いよいよ恐竜の島に上陸です!
来島してすぐにティラノがお出迎え。この子にも元気に挨拶しましょう。

御所浦島には中生代の地層があります。つまり、今後も恐竜・翼竜・海棲爬虫類の化石がどんどん見つかる可能性があります。
これはもうチャレンジするしかありません。そう、化石掘りの開始です

港から海沿いの道を5分ほど歩いていくと、「トリゴニア砂岩化石採集場」に到着。島の南東部より崩落した石が集められており、その中には中生代の海の生き物たちが眠っています。
石の内部には、太古の生命が眠っています。恐竜は難しいかもしれませんが、首長竜やモササウルス類の化石を見つけられるかも?

さっそく筆者はハンマーをレンタルし、化石探しを開始。まずは歩きながら周囲を観察し、化石がないかゆっくり見極めていきます。めぼしい石を発見したら、ハンマーで石を叩いて割っていきます。
そして、見事に古代の貝類ゴショライアの化石をゲット! モササウルスは見つかりませんでしたが、とっても大満足な戦果です。

ハンマーを借りて、ひたすら石を割って観察。その繰り返しの末に……。
美原、やりました! 古代の貝類ゴショライアの化石をゲットしました
他にも貝の化石をゲット! こちらはカキの仲間だと思われます。

大満足したところで、本命の博物館へGO!
本館の前身は天草市立御所浦白亜紀資料館であり、今年3月20日にリニューアルされて、天草市立御所浦恐竜の島博物館へと生まれ変わりました。北アメリカ・モンタナ州のカーター郡立博物館と姉妹館提携を結んでおり、今後ますます活躍が注目される恐竜研究施設です。

博物館前の大型肉食恐竜のモニュメント。御所浦島では、推定全長10 mものカルノサウルス類の歯の化石が見つかっています。
真新しくてかっこいい博物館。御所浦島に棲んでいた恐竜たちの秘密、とことん学びたいと思います。

恐竜研究の新たなフロンティアを目撃せよ!

永い眠りから目覚めた天草の恐竜たち

恐竜たちの島の博物館、いよいよ観覧スタートです。リニューアル完了した建屋はとても大きく広々としています。天草市で発掘された膨大な化石がここに集められ、プロの古生物学者によって研究されています。恐竜研究の新たな時代の到来を感じさせてくれます。

リニューアルされた恐竜博物館。日本の恐竜研究に新しい風を巻き起こしている施設です。
カーター郡立博物館との姉妹館提携の証として展示されている、植物食恐竜ドラコレックスの複製頭骨。同時代の恐竜パキケファロサウルスの亜成体であるという説が有力です

天草の恐竜たちと出会う前に、来館者は生命の誕生と進化を辿っていくことになります。時の流れを感じる回廊の壁面には、古生物の化石やイラストが展示されています。生命はどのような道筋を歩み、地球史のいつ頃に恐竜が生まれたのか、その進化の旅路を見届けましょう。

メイン展示ホールへと続く回廊。地球と生命の歴史を時系列的に辿っていきます。
初期の両生類イクチオステガ。両生類がに地上進出したからこそ、私たち脊椎動物が世界中の陸地に広がったのです。
石炭紀の昆虫メガネウラ。翼開長70 cmにも達する巨大なトンボでした。
初期の恐竜エオラプトル。三畳紀に誕生した恐竜は、ここから地球史に残る偉大な繁栄を成し遂げます。

そして、ここからは日本の恐竜研究に革命をもたらす天草の恐竜たちが登場します。本地域では多種多様な白亜紀の生物化石が産出しており、まさに恐竜の楽園でした。本館の研究によって、これからさらに天草の恐竜王国の謎が明らかになっていくことでしょう。

いよいよ天草市に生きていた恐竜たちの解説です。はるかな白亜紀、この地には大恐竜王国が存在していたのです。
天草市より出土した数々の恐竜化石。実に多様な種類が見つかっています。熊本県の皆さん、郷土を誇りに思ってください!

それでは、太古の天草にはどのような恐竜たちがいたのでしょうか。なんと、本地域からは全長10 mクラスと思しき肉食恐竜の化石が発見されています。その他の大型恐竜の骨格も、天草の地層から相次いで出土しています。白亜紀の熊本県では、大地を揺るがす恐竜たちの激闘が展開されていたのです。

御所浦島にて発見された日本最大級の肉食恐竜の歯。全長10 mクラスのカルノサウルス類であったと考えられています。
化石標本と合わせて復元模型を展示。恐竜たちの姿を正確に記憶しながら学ぶことができます。
御所浦島で見つかった大型植物食恐竜の大腿骨。関節部分が消失しているため正確な種類は不明であり、現在も研究が続けられています。
鳥脚類ハドロサウルス類の復元模型。天草町から歯の化石が発見されています。
御所浦産の鳥脚類の肋骨。現在、博物館では本個体の復元作業が進められています。

そして、恐竜好きの人々が気になるのは、天草郡苓北町で発見された国内初のティラノサウルス類の下顎化石。これほどの発見を見逃す手はありません。ただし、超貴重なティラノサウルス類の下顎化石は撮影禁止となっており、ぜひとも本館を訪れて見ていただきたいと思います。
なお、天草町にて発見されたティラノサウルス類の歯の化石は撮影可能です。アメリカのティラノサウルス・レックス(全長13 m)と比べて小さく、天草産ティラノサウルス類は全長7 mほどだったと思われます。それでも、恐ろしい捕食者だったことに変わりありません。日本においても、ティラノサウルス類は栄華を極めていたのです。

天草町にて発見されたティラノサウルス類の歯の化石。約8000万年前の熊本県で猛威を振るっていたことでしょう。
ティラノサウルス類の復元模型。彼らは鳥に近い系統の肉食恐竜なので、部分的に羽毛を生やしていた可能性が考えられます。

天草産の恐竜たちの種類を学んで、次に考えるのは「恐竜たちが棲んでいた太古の天草は、どんな環境だったんだろう?」ということです。その疑問にも、化石となった生き物たちが答えてくれます。
発見された動植物化石の種類を調べれば、産出地が当時どのような環境だったのかがわかります。どんな生き物の化石も、古環境を知る重要な手がかりとなるのです。

ヒカゲノカズラ類の化石。裸子植物・被子植物・シダ植物の化石も発見されており、豊かな緑の世界が広がっていたとわかります。
淡水性の硬骨魚ガーの鱗。産出地に淡水環境があったことを示唆しています。
カメ類の甲羅の化石。白亜紀の天草にはスッポンやスッポンモドキなど多種のカメが生息していました。

天草市では陸域のみらず、海洋生物の化石も豊富に出土しています。イノセラムスやトリゴニアなどの古代貝類をはじめ、膨大な標本展示にマニアは大喜びだと思います。
そして、恐竜たちと並ぶ御所浦のスターが、島内で発見された古代魚アマクサゴショウラムカシウオです。天草の大地には、きっとたくさんの未知の古生物が眠っていると思います。

貝類をはじめ、白亜紀の海洋生物の標本がいっぱい! 化石マニアの歓喜の叫びが聞こえてきそうです(笑)。
プテロトリニゴア。中生代に栄えた彼らの化石は、地層の時代を知る手がかりとして重宝されています。
御所浦で発見された九州最大級のアンモナイト化石の複製。ユーパキディスカスの一種と見られ、殻の直径は約60 cmあります。
御所浦にて出土した古代魚アマクサゴショウラムカシウオの化石。恐竜と並んで、この島が誇る大発見です。
アマクサゴショウラムカシウオの復元模型。学名はアマクサイクチス・ゴショウラエンシスといいます。

質も量も桁違いの天草産の化石には、終始大感激! 恐竜たちをはじめ、本館では膨大かつ多様な古生物と出会えます。白亜紀の天草には陸にも海にも生命があふれ、壮麗な自然界で力強く戦っていたのです。

超圧巻! 世界の恐竜たちが御所浦島に大集結!!

恐竜展示の醍醐味と言えば、やはり他の陸上生物とは比較にならないパワフルさです。本館の展示ホールにおいても、迫力満点の恐竜たちの全身骨格が雄々しく佇立しています。
ティラノサウルスをはじめとする世界各国の猛者が大集結しており、その偉大さに圧倒されます。ダイナミックにして荘厳、これぞ恐竜です!

世界の恐竜たちが御所浦に大集結! 桁違いの迫力とかっこよさで来館者を魅了します。
骨格にポーズをつけて、大迫力の格闘シーンを再現。太古の地球では、このようなシーンも日常茶飯事でした。
恐竜界の帝王ティラノサウルス。物を噛む力は6 tもあったと考えられており、破壊力なら最強の肉食動物と言えます。
ジュラ紀の捕食者アロサウルス。肉食恐竜のかっこよさは、大人も子供も虜にしてしまいます。
肉食恐竜の頭部。ティラノサウルス類とアロサウルス類の顎と歯を比較してみましょう。

本館の展示では分類群ごとに恐竜たちが集められており、どの恐竜がどのグループに属するのかを体系的に理解できます。
筆者の中で最近のトレンドは鳥脚類(イグアノドンやハドロサウルスなど)です。このグループには、イヌほどの大きさの可愛らしい種類もいれば、体重20 t以上の巨体を誇る大型種もいます。日本を含め、世界各地で力強く繁栄していた彼らについて、本館の展示で詳しく知っていただきたいと思います。

鳥脚類恐竜たちの骨格展示。種類によって大きさは様々であり、中には全長20 mにも及ぶ大型種もいました。
プロバクトロサウルスの全身骨格。鳥脚類は大成功したグループであり、幅広い地域から多くの種類が発見されています。
アルティリヌスの一種の頭部。鼻のアーチ部分の用途については、様々な学説があります。

恐竜たちの魅力の1つは、強さであり「武装」です。パワフルな巨体と角を備えるトリケラトプス、鎧とハンマーで身を固めたアンキロサウルスなど、彼らはまさに生まれながらの戦士です。
肉食恐竜が強くなる度に、植物食恐竜も強大に進化しました。個性豊かでかっこいい武装恐竜たちの強さの秘密に触れてください。

石頭恐竜の異名を持つステゴケラス。本当に頭突き攻撃をしたのかは定かではありませんが、脚力はとても強く、安定したダッシュができたと思われます。
角竜トロサウルスの頭部。かつてはトリケラトプスと同種だと見なす説もありましたが、現在ではトロサウルスはトリケラトプスとは別種の恐竜だとする説が優勢です。
ステゴサウルスの尻尾についている骨性のスパイク。この凶器を振り回し、肉食恐竜と戦いました。

続いては原鳥類です。恐竜は鳥に進化したことが明らかになっており、中生代には鳥に極めて近い特徴を持つ種類が多数存在していました。原鳥類の展示を観覧していると、大空を目指した恐竜たちの姿が目に浮かんできます。

小型肉食恐竜ヴェロキラプトルの複製頭骨。彼らは鳥に近い動物であり、「原鳥類」というグループに分類されます。
始祖鳥ことアルカエオプテリクスの複製標本。クチバシには歯があり、恐竜らしい特徴が残されています。
古代の鳥コンフウキウソルニスの一種。骨の形態を見ると、現代の鳥にかなり近いことがわかります。

恐竜と同時期に生きていた動物群の展示も充実しています。中生代の空の覇者・翼竜たちはワイバーンみたいでかっこいいです。彼らは優れた飛翔動物であり、滑空性の高い翼で天空を自在に駆けていました。最高にクールでイカした空の竜たち、筆者は強く推します。

中型の翼竜トゥプクスアラの一種。白亜紀のブラジルの天空を飛び回っていました。
小型翼竜スカフォグナトゥスの化石レプリカ。筆者は翼竜の中ではランフォリンクス類が大好きなので、本種の展示を見られて幸せです。
天井から飛行体勢で吊るされているのは、白亜紀の翼竜アンハングエラ。翼開長は約5 mあります。

空の次は海の古生物です。中生代の海洋生態系の頂点に君臨していたのは、モササウルス類をはじめとする水棲爬虫類です。天草でもモササウルス類の化石が出土しており、彼らは世界各地の広範囲の海域で暴れ回っていたようです。
海洋爬虫類展示での筆者の推しは、天井から吊るされているタラソメドンの全身骨格です。その長大な首には、「首長竜」の名にしおう迫力があります。

古代の海洋爬虫類と魚類の展示コーナー。恐ろしい肉食動物プラテカルプスの実物大復元模型が目を引きます。
海洋爬虫類プラテカルプスの頭部。天草地域において、彼らに近縁なモササウルス類の化石が発見されています。
巨大ウミガメであるアルケロンの複製頭骨。大きな甲羅を装備していましたが、モササウルス類に襲われることも多々あったと思われます。
首の長い海洋爬虫類タラソメドン。その首を構成する骨は60個以上もあります。

古代から現代へ受け継がれる豊かな自然環境

中生代末期の環境激変により、恐竜たちの王朝は終焉を迎えます。新しい時代で勢力を強めたのは、我ら哺乳類の仲間たちです。
天草地域では新生代の地層も存在しており、数々の哺乳類化石が発見されています。後半の展示では、恐竜時代から手渡された生命のバトンのリレーを目撃するのです。

古代哺乳類コリフォドンの実物大復元模型。汎歯類と呼ばれる動物の一種であり、約5000万年前の始新世という時代に生きていました。
コリフォドン類の複製頭骨。天草地域でのコリフォドン類の発見は、国内最古の大型哺乳類化石の記録となっています
御所浦町の牧島から発見されたトロゴサス類の歯・顎・首の骨。裂歯類と呼ばれる植物食哺乳類の仲間です。
トロゴサスの復元図。コリフォドンと同じ時代に生きていました。
植物食哺乳類イセクトロプスの歯の顎の一部。原始的な奇蹄類(ウマやサイを含む哺乳類のグループ)の一種です。

天草地域では、新生代の後半の生物化石も多数見つかっています。ここからは多様な生物種の標本展示を見ながら、当時の天草の環境を学んでいきます。
数多くの動植物化石のラッシュに、マニアは再び大興奮! 御所浦は古生物学の聖地だと改めて感じました。

天草産の古代ゾウについての展示コーナー。熊本県のみならず、大昔の九州には多くのゾウが棲んでいました。
ステゴドン類の歯。同類の古代ゾウの化石は、大分県でも発見されています。
二枚貝類クサマルボウの化石。約110万年前に海洋生物を擁する湯島層から発見されました。
ブナ類の葉の化石。当時の植生環境を知るための重要な手がかりです。
約23万年前のシャコ類の化石。大顎の部分の化石は世界的にも報告例が少なく、とても貴重です。

新生代は越えて、舞台は現代の地球へ! 天草に息づく生命と自然環境の展示が始まります。
私たちが天草と聞いてまず想像するのは、豊かで美しい海の世界です。

現代の天草の海洋環境の展示。すさまじい生物多様性に来館者は驚くことでしょう。
天草諸島の西海岸は東シナ海に面しており、暖かい海流が流れています。青く澄みきった海には、多様な海洋生物が棲んでいます。
超貴重なヒメアカガイの標本。日本では天草の羊角湾でしか会えません
干潟や浅海の砂底に棲む頭索動物ナメクジウオ。日本全体では減少傾向にありますが、天草には数多く生息しています。
天草の島原湾や八代海には広大な干潟が出現します。干潟形成のメカニズムについて、キャプションで詳しく学びましょう。

天草の大地をには、魅力的が動植物がいっぱいです。御所浦のような九州本土から離れた島々では独自の生態系が築かれ、ユニークな固有種も発見されています。来館者にとって、本館の展示は天草の自然探究への窓となるのです。

陸にも海にも広がる天草の豊かな生命。この展示を見た生物マニアは、すぐにでもフィールドへ飛び出したくなるでしょう。
ウミガメの生態についてのキャプション。夏期になるの、ウミガメたちが産卵のために天草の砂浜に上陸します。
寄生植物アマクサツチトリモチの模型。キノコのように見えますが、れっきとした被子植物です。
生き物好きが気になるのは島の昆虫生息状況。ハッチョウトンボは絶滅危惧種であり、条例により熊本県内では捕獲が禁止されています
御所浦の固有種ゴショノウラオオオサムシのオス。進化の過程で、飛ぶための翅を失くしています。

壮美な自然環境展示もいよいよ締め。最後に、たくさんの動植物標本が集結してお出迎えしてくれます。
海と陸に満ちる生命の躍動。現代の天草の生態系にも、美しい動物たちがあふれていると実感いたします。恐竜たちの時代から、天草はずっと生命の楽園だったのです。この尊い自然環境は、地球の宝と言っていいでしょう。

様々な脊椎動物の剥製標本。天草の豊かさが改めてわかります。
甲羅が立派なウミガメたち。小柄なクロウミガメが可愛い(笑)。
翼を広げたトビの剥製。改めてよく見ると、とってもかっこいい鳥だと気づかされます。
タチウオとハモはスタイル抜群でかっこいい。魚の剥製標本はイケメンばかりなので、ぜひ全て目に焼きつけましょう。
ミナミハンドウイルカの骨格。珍しいことに、当地のイルカたちは、人々が生活する通詞島の近くで大きな群れをなして遊泳しています

展示エリアから出る前に、もう一度、恐竜たちの展示ホールを眺めてみましょう。
恐竜を通して地球の神秘に触れられる御所浦は、本当に特別な島です。白亜紀の天草地域の環境を強くイメージすれば、恐竜たちの足音が聞こえてきます。

特別な恐竜の島の博物館。まだまだたくさんの恐竜たちが、天草のどこかで発見の時を待っているはずです。

天草市立御所浦恐竜の島博物館 総合レビュー

所在地:熊本県天草市御所浦町御所浦4310-5

強み:恐竜をはじめ天草地域で産出した超多数の生物化石標本及びそれに関する膨大な学術的知見、視覚的な迫力と多くの学術情報に満ちた大ホールの恐竜展示、天草地域の古環境と現代環境についての濃密な解説展示

アクセス面:御所浦島に渡る手段は船のみです。フェリー便は本渡港・棚底港・水俣港・大道港から出ていて、御所浦に近い港には海上タクシーもあります。フェリーのある港へ行くにはレンタカーがオススメですが、もし熊本市内から向かうのでしたら日帰りは困難だと考えてください。恐竜の島を最大限楽しむために、御所浦島に宿泊するか、フェリー港の近くの宿を予約しましょう。

センセーショナルな発見で話題となっている御所浦島の恐竜博物館。恐竜をはじめ天草市の多様な古生物化石について詳しく学べるうえに、大迫力の大型恐竜の骨格標本も豪華に展示されており、恐竜への憧れと探究心を強く呼び起こしてくれます。日本の恐竜学にとって極めて重要な施設であり、恐竜マニアならぜひとも訪れておきたい博物館です
天草市で産出した貴重な実物化石を目の当たりにすれば、壮大な恐竜たちの世界が熊本県に広がっていた事実に感動することでしょう。そして、新生代から現代に続く天草市の大自然への理解も深まり、熊本県の生命と自然への関心も高まります。リニューアルして施設全体が超パワーアップを遂げ、誰もが恐竜の世界に没頭して学べるスーパー展示施設となっています。
本館では島内の化石探し体験を実施しており、体と心で古代を感じることができます。博物館で学んでフィールドで化石を掘った後は、ぜひ御所浦島の宿に泊まってください。きっと夢の中で恐竜たちに出会えることでしょう。

御所浦港に立つ「しおさい館」。お土産と特産品が販売されていますので、ぜひ御所浦の幸を持って帰りましょう。

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