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薬とお茶と発酵

奈良にある300年の生薬やさんでをアルバイトをはじめました。

私はお茶が好きで、中国茶を習ったり、京都府の薬膳マイスター(3年間の養成講座がほぼ料理実習実費で受けられる本格的な薬膳講座)を受講したり、薬とお茶と発酵をライフワークとして取り組んでいます。

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どうも、この3つのテーマを勉強する中で、境目がなくなってきたというか、全てが繋がってくるようになりました。というのも、中国では、お茶を薬として、自分の体調や季節に合わせてお茶の種類を飲み分けます。麹で後発酵させた黒茶があったり、薬草を使ったお茶があったり。発酵と薬草は相性がいいのです。

こちらは金の胞子(金花)をふく麹カビの後発酵茶「茯茶」。一塊20万円也。もはや薬です。

中国では長年熟成させた経年茶が高値で取引されていて、飲むと体が温まります。まるで土のように発酵したお茶。世界には未知の菌たちがいます。

菊花、桂花、クコは人気の薬膳茶。ジャスミンは真夜中に摘んで焙煎する。品種や燻製回数によっても変わるコク。徹夜で焙煎して1ヶ月かかるらしい!これは深い!

薬の森でのアルバイト。

そこは薬の森。身近なところにいろんな生薬があることに気づく。漢方とか薬膳って難しく感じるけど、何も特別なものばかりではない。みかんの皮を数年保存したものが生薬として売られている。陳皮だ。タネも皮も根っこも、捨てるところがない。

ジオウ。

真っ黒のやつが加工後のジオウ。

京都のオケラ参りのオケラは茎の部分が使われるそう。根っこは乾燥させると白朮という生薬になり、屠蘇の材料に使われています。よく聞く薬草だけど、実際根っこを見たのは初めてで、植物の全体を知ることで、ようやくイメージがつかめるようになってきました。

この根っこを解体する作業はまるで、ルービックキューブのようです。

白い粉は成分の結晶。カビではない。

芍薬の根を洗浄して干す。

こちらジャノヒゲの根から麦門冬を作る様子。


四季の自然の営みの中では、あらゆるものがお茶になり、薬膳の食材になり、薬になる。そして発酵すると変化する成分。好奇心は尽きることがなく、どんどん奥が深くなっていく・・・。薬草文化発祥の地でもある奈良にいると、薬草つながりのご縁が広がる。

山薬をいただいたり、サンシュユやイチジクを摘ませていただいたり、森の恵みをいただく日々。カリン酒仕込みました。

図鑑でみて覚えるだけだと頭にはいってこないけれど、どんな場所で育って、いつ採集できて、どう活かせるのか、生活の身近なものになっていけばなあと思います。

薬の森の四季の変化を見るのが楽しみです。


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