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話を聞いてください。ニュアンスが違うんです。 【英語の勉強#4】

全国的に暑い日が続いていますね。体調崩したりしてませんか?今年は熱中症とCOVID-19のダブル対策が大事ですね。

さて今日は次の2つの表現についてのお話です。

Hear me out.
Listen to me.

これらは、相手に聞いてほしい話がある、そんなときに使うフレーズです。議論など、特に自分の意見を主張したいような場面で使われることが多いです。もちろん日常のラフな会話の中でも使われますよ。

同じような意味を持つようで、実は少しずつニュアンスが異なります。今日はその違いをまとめます。お付き合いください。


聞くことを表す"Hear"と"Listen"

Hearとlistenの基本的な違いをおさらいしましょう。本題への下準備です。

hear: 声や音などが自然と耳に入ってくること。
listen: 声や音に意識を向け、聞くこと。

Hearは"耳にする"イメージ、listenは"耳を傾ける"というイメージです。

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(ヘッドホンをして音楽を聴くことは、もちろんlistenですね。)

例文でも確認しましょう。

友達と電話をしているときに、電波状況が悪くて相手の音声が途切れ途切れになってしまうことがありますね。そういう時は、

Sorry, I can't hear you. The connection is poor.

という風に伝えると、状況が相手にも伝わります。

友達と話していて、なんだか相手は他のことに気を取られてあなたの話を聞いていないようです。そういう時は、

Hey, are you listening to me?  I'm talking to you.

と確認したりできます。

それでは、本題のイディオムについて見ていきましょう。


"Hear me out."は「最後まで聞いてもらう」ことがポイント

"Hear me out."には、私の話を最後まで聞いてほしい、というニュアンスが含まれています。"Hear me."だけだとダメなのです。Outという副詞が持つ、最後まで/完全に/すっかりという意味があって初めて、私の話を最後まで聞いてほしい、というニュアンスが生まれます。

そもそもhearは命令文で使うのが難しい動詞です。日本語で「耳に入ってくる」を命令の形に直すと「耳に入れろ」になりますが違和感がありますね。無意識な動作を表していますから、それを命令の形にするのは不自然です。

しかしoutが後ろに伴うと、hear本来の意味が薄れて、意識的に耳を傾けて最後まで聞く、というニュアンスが発生します。

Hear me out.
私の話を最後まで聞いてください。

もちろん、婉曲的な命令の表現でも使えます。

You need to hear me out.

意図は同じで、私の話を最後まで聞いてよ、ってことです。


"Listen to me."は「自分に意識を向けてもらう」ことを重視

"Listen to me."には、これから私が話すことに意識を向けてください、というニュアンスを含んでいます。耳を傾けてよ、と命令する文になります。

"Hear me out."が持つ、「最後まで」というニュアンスは基本的に含まれていません。ただ、一瞬だけ耳を貸すというのは変ですから、人の話は普通は最後まで聞きますよね。

Listen to me.
私の話をちゃんと聞いてください。

先ほどと同じように、婉曲的な命令の表現ももちろん可能です。

You need to listen to me.

"Listen to me."の方がより感情的かも

これは文法事項というよりかは英語を話す人の個人差かもしれませんが、"Listen to me."の方が感情的な表現な印象があります。映画などで、喧嘩/口論の際に怒った人が「いいか、よく聞け!」という意味で

You listen to me!

と言い放つシーンをよく見かけます。"You hear me out!"って怒鳴る人は少ないのではないでしょうか。最後までとかより、とにかく人の話を聞けや、ってことなのでしょう。


まとめ

"Hear me out."と"Listen to me."という2つの命令文が持つニュアンスについてまとめました。もう一度おさらいです。"Hear me out."は「最後まで聞いてもらう」ことを重視した表現で、一方の"Listen to me."は「自分に意識を向けてもらう」ことを重視した表現です。これらの違いを理解して、使い分けができるといいですね。

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