古田聡
『"エンゲージメント"に関してどう思いますか?』という、”ばくっ”とした問いに対する現時点での”ばくっ”とした私の考え
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『"エンゲージメント"に関してどう思いますか?』という、”ばくっ”とした問いに対する現時点での”ばくっ”とした私の考え

古田聡

またコロナが猛威をふるってますね。感染予防は大切ですが折角の夏休み、子供たちが楽しく過ごせるような状況であることを願うばかりです。

さて、今回は、数年前からHR領域を席巻している”エンゲージメント”について、私の意見を書いてみます。最近よく、”会社がエンゲージメント向上に動き出すのですが、古田さんはどう思います?”と聞かれることが多いので、私なりにまとめたいと思います。

もし良ければお付き合いください。
いくぞー!てってれ~。

▼”エンゲージメント”って、思想だと思っています(キリッ)。

まず始めにお答えするのがこれです。
エンゲージメントをど真ん中に据えていない人間が言うのも信ぴょう性がないかもしれませんが、私は、ふわふわしてるなー、という印象を強く持っています。エンゲージメントのことを発信している方は、
●●が大切 ●●が大事 ●●が必須
こういう言葉で締めくくられていることが多く、語られていることは、まぁ、おっしゃる通りなんですが、ファクトが少なく、発信している方の思想や考えをベースに述べられており(エンゲージメントって、そもそもそういうもの!?)、抽象論で綺麗にまとめられ過ぎているとも感じています。現実はそんなうまくいかないので、ギャップを感じてしまうのは否めません。

加えて"エンゲージメント"は、ダイアログ(対話)や自律キャリアとの相性が良いため、”組織”というよりは”個”にアプローチする傾向があり、エンゲージメントを高めるための方向性を間違えると、組織人としての性格を無視した、個人主義的な感じになってしまうのではないかと私は危惧しています(←ここ、結構大事)。
もうちょっと付け足すと、例えば、個人のパフォーマンスを高めるためには、好きなことや興味のあることを仕事として任せるのは理にかなっていると思います。一方、会社全体のことを考えたとき、必ずしも、求める全ての人に好きな仕事を任せるのは難しいはずです、組織が大きくなればなるほど(仕事の役割などは物理的な制限があるため)。エンゲージメントの中で、その不整合をどのように整合させるのかは、個人的にはめちゃくちゃ興味あります。
なので、測定して見える化することは勿論大事ですが、スコアを上げるための改善活動は(明確な方法論や具体例はまさにこれからだとは思いますが)、本気でやるなら相当な神経と力量と時間が必要ではないか、と思っています。個人の考えを変えるアプローチをするので、これはまさに”思想”の変革だと捉えています(アプローチの違いは有れど、15年前くらいにHR業界で流行った、ビジョン経営に相当近い)。

▼”エンゲージメント”を高めれば企業業績は上がるのか?

多くの方が、そして私も最も気になるのはこの論点です。
これに一定の解を出しているのが、リンクアンドモチベーションが出しているこちらです。世の中に出回っている情報で、最も示唆に富んだ結果だと思います(流石、パイセン!)。

この内容、確かに、と思う部分は多くありますが、一つ気になったことがあります。グラフを見る限り、近似曲線を引けば確かにそれなりの相関がみて取れますが、ちょっとバラつきが大きすぎませんか・・・?
今後は、データの経年変化や、近似曲線の傾きなんかも分析する上で必要な情報なので見てみたいものですね(勿論同じ土俵でデータを取ることは難しいとは思いますので、ズレはあることを前提に。)

さて、数値的な部分は少し脇に置いておいて、私なりに調べ勉強したエンゲージメントと業績に関する解釈は以下です。

業績の良し悪しとエンゲージメントスコアの上下には関係はある
だがしかし、
”エンゲージメントスコア”を高めれば業績が上がるとは言い切れない
と同時に、
業績が良いからといって”エンゲージメントスコアが高い”とも言い切れない

はっきり言えば、可逆/不可逆、必要十分の関係ではないと捉えています(ここもかなり大事)。

勿論、エンゲージメントスコアが低いよりも高い方が良いと思いますよ。ただこれは肌感覚ですが、業績が良い時って社員だれもが高揚感を持つと思いますし、逆もまた真で、業績が悪い時はうっそうとした気分になると思うんですよね。そう考えると、業績とエンゲージメントには関係性はあるのは納得感があったりします。

多くのコンサルティング会社や研修会社でエンゲージメントを高める施策を行っているので、その業績の関連性がもし出るのであれば、注目ですね!

▼事業と組織(エンゲージメント含)は繋がっている

私は、事業と組織は繋がっていると考えています。もうちょっと深堀すると、マーケットの変化により事業は変える必要があり、それと連携して、組織も変化させないといけません。
イメージ、川上から水が流れる時、天候などの環境によって流れる水量が変わると、川下も変化するように、それなりの順序、というものがあると思います。

よく、エンゲージメントと組織開発を同義で扱ったり、事業面を注視しないでアプローチをする人や会社がありますが、私は非常に危険だと思います。エンゲージメントいう一部だけ扱っていて、全体の”系”を見ずにモノゴトを進めると、不整合を起こす可能性があると思っています(うまくいっていない会社さんの話を聞き、原因はここだ、と仮説を持っています)。

エンゲージメントや組織開発って、楽しいんですよね、はっきり言って。ワクワクした未来を作ろう!働きがい!とか、気持ちの良いキラキラワードが続きますし。だからいろいろな人に受け入れられ、これだけ広がった部分もあるのではないでしょうか。

エンゲージメントに取り組むのであれば、本気でやらないといけないと思います。ちょっとかじるくらいなら、お金をどぶに捨てるのを覚悟しないといけません。そこは研修と同じですね。

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古田聡
研修の効果測定をベースにした人材育成コンサルティング会社、スタンスの代表です。 https://stance.jp/ バスケが好きでミニバスのコーチを5年した後、今はBリーグ2部の越谷アルファーズに関わっています。