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なぜ、研修の効果測定なのか? ~学習編~


舞台は王子の焼き肉屋に戻ります。

師匠のHさんは、続けてこのようなことも私に伝えてくれました。
"大体さ、俺らの考えつくようなことって、既に昔の賢い人たちが考えてるって!だから、効果測定の分野をもう一度洗い直したほうが良いんじゃないの?"
これまた目から鱗でした。

確かに、アウトプットがうまく行かない時って、そのほとんどがインプットが足りない、もしくはインプットの方法が間違えていることが多いことを、一緒にお仕事をさせて頂いたときに教えてもらっていたことを思い出し、自分を恥じました。

その日の帰りの電車の中、研修の効果測定に関わる本を、片っ端からamazonでポチりました。日本で発売されている本は、中古だろうと全部。そこから久しぶりにガッツリ勉強したと思います。

その中で最も熟読したのは、【教育研修効果測定ハンドブック ジャックJ.フィリップス著 日本能率協会マネジメントセンター】です。初版が1999年なので、大分古い本ですが、研修の効果測定の基本的な考え方やチェックポイントはほとんど網羅されているのではないでしょうか(今パーッとWebみたら、なかなか取り扱っていないかもしれません)。

僕なりの感想ですが、この本、ポイントは列挙されているが、手法や結果、一番大切な具体的例の記載はほとんどありません。そして、一部、高等数学で統計的な分析をしているため、読み込むのに根気が要ります。???がつくこと間違いなしです(苦笑)。
逆に言うと、エクセルもない時代によくここまでデータを集め分析をしたものだと驚いたものです。

それでも何回か読んでいくにつれて私なりに気づいたことは、
①研修受講者の評価は大切だが、他者の評価も取り入れること
②条件をある程度揃えたうえでbefore→afterの変化をみること
③他のデータとかけ合わせてみること

抽象度上げると、このようなことだと学びました。

凄いシンプルだけど、確かに、と納得してしまいました。この学びが、今に繋がっていることは間違いありません。
そして、効果測定の考え方が専攻してた物理学にかなり近いと感じとりました。特に②と③。再度学び直しをして、特に、統計の数学的意味と熱力学を復習。特に熱力学は、人の成長のモデル化に近しいかも、と仮説を持っています。状態変化の部分ね。

そして、以下の文章。

態度を測定することは難しいことである。集められた情報は参加者が感じていることを表していないかもしれない。そのために、態度を正確に測定することは不可能である。また、個人の行動、信念、感情は必ずしも相関していないであろう。態度は時間と共に変容する傾向があり、いくつかの要因から個人の態度が形成されている可能性がある。しかし、これらの欠点を認識したうえで、個人の態度を合理的に評価することは可能だろう。

教育研修効果測定ハンドブック P106 より

この記述は、私を非常に勇気づけてくれました。

効果測定の考え方って、どの様にひらめいたんですか?と聞かれることがたまにあります。なんか発見っぽいと思われることもありますが、正直言うとそのほとんどが書かれていることをベースにしたものです・・・汗

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