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詩作、過去作品 公開保存用

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#詩人

羊歯植物記

兄妹

妹の、遺骨を目指していた。かつて戦争を望み追放された兄は朽ち果てたのち、純粋な精神にまで分解されながらも、羊歯植物をとおして、その茎を伸ばした。読書をする妹のための、指の骨を探しながら植物の、地下でもおこなわれる呼気。殺人を犯そうとするものの側でも食事をとり、無関心に喪失した主格で、死に続ける喜びを、生きたまま知ることができるかわからなかった。もはや、幻想の妹よ。妹が亡びていたとしても兄は

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淡水魚たちのいいわけ

斜めにふる雨。筆跡。雨季に地図を作ろうとして、あえて河岸を曖昧にしていた。淡水魚が虹の根元で産まれて、空を細長くみつめながら、動詞そのもののまま潜水していく。午前の陽射しはもともと、音がない日記だった。密告の声を半音上げるこの、初夏の動悸を、魚たちの胸骨は知っている。
川はいつからか、誰かの忘却で流れていた。そして川であることまでも、少しずつ置き忘れていた。忘れるという

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