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就活生は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』を読め!?


はじめに:

こんにちは。
来年春からSIerのSEになるSatoです。

本稿では、内定先選びの判断材料として有用な資料である『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』の読み方を紹介させて頂きます。

本記事のターゲット層は以下の通りです。
・複数内定を獲得しており、入社先選びで迷っている就活生
・内定後のOBOG訪問で何を聞けばよいのかが分からない就活生
・転職先の労働条件を客観的に分析したい社会人

『CSR企業総覧(雇用・人材編)』とは?

『CSR企業総覧』とは、各企業がCSR(企業の社会的責任)をどの程度果たせているのかを客観視するための統計資料です。その中でも、「雇用・人材活用編」では、ダイバーシティ・障がい者雇用・ワークライフバランスなどの事項が記載されています。ですので、内定先が労働環境の改善に向けて、どれだけ真摯に対応しているのかを判断材料として非常に有用です。

詳細は東洋経済新報社の下記記事をご確認ください。

『就職四季報(総合版)』じゃダメなの?

『就職四季報(総合版)』に記載されていない事項も掲載されているので、両方確認するべきです。具体的には、下記の事項は『CSR企業総覧(雇用・人材編)』でしか確認することができません。

『就職四季報(総合版)』に未記載の事項
・年代別の雇用人数
・離職者数の内訳(早期・自己都合・会社都合・転籍など)
・管理職の女性/外国人の登用状況
・LBGTへの取り組み内容
・障がい者雇用への取り組み内容
・1人当たりの年間教育研修費用
・新事業へのチャレンジ支援
・産児休暇における給料支給の有無
・ボランティア参加・休暇・休職の状況
・テレワークの利用率や状況
・副業/兼業の可否や条件
・メンタルヘルスへの取り組み
・ハラスメント防止の取り組み

上記だけだとイメージがつきにくいと思うので、(株) 野村総合研究所の「30歳賃金」を例に説明させて頂きます。

下記写真にもある通り、『就職四季報総合版』だとNA扱いされている事項であっても、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』であれば、記載されている場合があります。
(だったら、なぜ野村総合研究所は30歳の賃金のところをNAにしているのでしょうか…?)

「4307 (株) 野村総合研究所」『就職四季報 総合版 2022年度』より
「4307 (株) 野村総合研究所」『2024年版CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』より引用

他にも、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』であれば、副業の可否やテレワーク利用率なども明示されているので、その点を意識したい学生にも有用でしょう。

『CSR企業総覧(雇用・人材編)』の限界とデメリット

①:書籍版の定価が高すぎる

下記写真にもある通り、1冊あたり22,000円します。流石に大学生には高すぎますよね…。

東洋経済新報社「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)」の公式HPより

一部の大学では、「東洋経済デジタル・コンテンツ・ライブラリー」を使うことで、無料で情報収集ができるようになっています。よかったら、ご自身の大学図書館のデータベースを確認してみると良いでしょう。

②:各種制度の詳細までは把握できない

統計資料なので自明ではあるのですが、各種制度の詳細や実態までは確認することができません。テレワークの利用率の例でいえば、営業とSE職でも利用率や利用頻度というものは変わってきそうですよね。

「4307 (株) 野村総合研究所」『2024年版CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』より引用

こういった部分は内定後のOBOG訪問や人事とのやり取りを通じて、解消しておくべきでしょう。

おわりに:

ご覧いただきありがとうございました。
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本記事が皆さまの就職先選びの一助になれば幸いです。