サトシィ

登山とスキーと映画とグルメが好きな関西人

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歯科医院開業ストーリー 〜院長への道〜 エピソードZERO プロローグ

皆さんこんにちは、サトシィと申します。 私は関西のとある街で働く開業歯科医で、今年で開業してちょうど20年になります。 私は大学卒業後に母校で一年間研修医をし、その後は大学時代の部活の先輩の歯科医院で3年間勤務医として働いたのち、独立開業し現在に至ります。 卒後四年で開業というのは、当時としてはかなり早い方で、私の周りでも同級生で既に開業していたのは1人か2人だったと思います。 私の場合は確固たるプランがあったわけではなく、なかば思いつきとノリと勢いで開業した側面がある

    • 新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その5 孤独の院長

      デュラシールの液の量についてお小言を言った事で、新人歯科助手Hさんから手痛い反撃を喰らったその日の夜、本人からメールが届いた。 『もうついていけないので辞めます』 ゴーーン、、、。 頭の中で何故か除夜の鐘が鳴った。 そして、何故か彼女と仲良かったもう1人の新人助手のNさんも、 『私も辞めます』 ゴーーン、ゴーーン、、、 除夜の鐘が2回鳴った。 連れションかよ!! なんで一緒にやめるのよ。 学生時代、休み時間とかに女子は連れ立ってトイレに行っていた。 女子は

      • 新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その4

        『デュラシール(仮封材)の液の量が多すぎる。1ヶ月も経つというのになんでこんな事もわからないんだ』 と、お小言を言った私に対して、みるみる顔を曇らせた歯科助手のHさんはこう言った。 『先生、もう1ヶ月って言いますけど、私からしたらまだ1ヶ月ですよ!やった事もない仕事を初めてやるんですからわからなくて当たり前でしょ!(怒)』 と、顔を真っ赤にして反抗してきたのだ。 私は呆気に取られた。 てっきり、『すいません、次から気をつけます、、、』と反省の弁を述べると思ったのに、

        • 新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その3

          患者さんが来ないと、次第に気分も落ち込んでくる。 些細な事でイライラし、怒りっぽくなる。 スタッフのちょっとした行動や、どうでも良い事が目につき、つい口を出してしまう。それも小姑のように、ねちっこく嫌らしい言い方をしてしまう。 元来、自分は割と大雑把で適当な性格なのだが、こんな時だけA型の細かいところが出てしまう。 次第に、診療所内の雰囲気も悪くなって行った。 そして、そんなある日の診療中に事件は起こった。 【こぼれ酒事件勃発】その日は、小さな虫歯がある患者さんの

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        歯科医院開業ストーリー 〜院長への道〜 エピソードZERO プロローグ

          新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その2

          焦りと苛立ち 初日こそまずまずの滑り出しを見せたサトシィ歯科だったが、2日目以降は見事なほどに閑古鳥が鳴きっぱなしであった。 朝10時から夜の9時まで丸一日開けているのに、1日の来院数が一桁という日が続く。 勤務医時代は、院長と2人で1日100人以上の患者さんをみていたので、あまりの落差に呆然としつつも、最初の頃は、 『今までが鬼ほど忙しかったから、ちょっとゆっくりできてええわ。スタッフも歯科業界未経験者ばっかりやし、今のうちに色々練習したり勉強してもらお。』 と、

          新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その2

          新米歯科院長奮闘記 〜戦闘潮流 金パラ色の波紋疾走〜その1

          【患者数14人 保険点数11,218点 自費0円】 これが、私の記念すべき院長としての第1日目の結果である。 実際は、私の身内が4人と、スタッフの家族を1人含むので、正味のところは9人である。 事前に電話で予約を取ってくれた人もいるし、当日飛び込みで来られた人もいたように思う。 チェア2台、歯科医師は自分一人で、助手3人に受付1人。しかも3人が歯科業界未経験という、なかなかパンチの効いたメンバー構成でスタートした我が医院だが、特に大きなトラブルもなく無事初日を終える事

          新米歯科院長奮闘記 〜戦闘潮流 金パラ色の波紋疾走〜その1

          【院長への道 ep.16 〜開業戦線異常なし】開院、そして院長へ、、、

           そうそう、開業の前日に地域住民に向けて、院内の内覧会を行なった。  内覧会は、周囲の人々に対して、 【ここに新たに歯科医院が出来ますよ】  と、認識してもらうため。そして、 【医院の中はこんな風で、こんな設備や機械がありますよ。そして、治療してくれる先生やスタッフはこんな人達ですよ】  と、医院のハードとソフト、そして医院の雰囲気とスペックを一挙に紹介できる大きなチャンスなのだ。  さらに、そこにプラスして、 【良かったら、ついでに予約もどうですか?】  と

          【院長への道 ep.16 〜開業戦線異常なし】開院、そして院長へ、、、

          【院長への道 ep.15 〜開業戦線異常なし】スタッフ募集!

           京都の先生の所で半年間のバイトを終え、いよいよ開業まで、残すところ1ヶ月を切った。  この時期になると、そろそろスタッフの募集をかけないといけない。本来ならもう少し早めに募集したいところだが、あまり早めに採用しても実際の開業日までの期間がありすぎると、当然ながらその間は仕事が無くてもお給料を支払わなければならない。  仕事がないのに給料が発生するので、賃貸の【から家賃】と一緒で、なるべくこの【から給料】が発生する期間を短くしたい。  かと言って、あまりにもギリギリ過ぎ

          【院長への道 ep.15 〜開業戦線異常なし】スタッフ募集!

          【院長への道 ep.14〜開業戦線異常なし】思わぬ伏兵

           場所も決まって、気の置けない腹心のスタッフも出来た。あとは、建物の完成を待ってガムシャラに走り出すのみ。  3月に前の職場を辞め、半年後の9月に開業できるつもりでスケジュールを立てていた。  出来れば、医院が完成したらすぐにでも仕事を始めたい。だって、借金の返済はもう借りた時点からすでに始まっているのだから。  最終的に借金は、土地と建物の購入資金を地元の信用金庫から。ユニットやレントゲン等治療に必要な機材、そして治療器具や備品関係と運転資金については国民生活金融公庫

          【院長への道 ep.14〜開業戦線異常なし】思わぬ伏兵

          【院長への道 ep.13 〜開業戦線異常なし】腹心の部下を持て!

           開業するにあたって、まずは場所やハコ、器材などのハードも大切だが、自分はそれに匹敵するくらいソフトも大事だと考えていた。  歯科医院におけるソフト、つまり人材である。  とにかく、流行っている、成功している医院は人材が豊富だ。活気があり、元気の良い明るいスタッフが沢山いる。皆んな何かしら仕事をしており、暇そうにしているスタッフはいない。自分で積極的に仕事を探している。常に掃除をしているスタッフもいるので、院内も清潔感があり綺麗だ。  逆に、なんだかなぁ〜、という医院は

          【院長への道 ep.13 〜開業戦線異常なし】腹心の部下を持て!

          【院長への道 ep.12 〜開業戦線異常なし】チェアを選ぶ

           歯科用チェアに関しては、今まで何種類か使ってみた事がある。自分の母校の臨床研修、バイト先の歯科医医院、常勤の歯科医院、そして実家で使っていたもの。  まず、国内最大手の歯科メーカー【タモリ】  大阪に本社を置くタモリは、チェアのみならず歯科材料や、院内のほとんどの機器を網羅する日本歯科界の巨頭だ。院内にタモリの製品がないクリニックの方が少ないのではないだろうか。  チェア、レントゲン、レセコン全てをタモリ製品で統一する事で、快適で効率的な診療が出来る。また、会社の規模

          【院長への道 ep.12 〜開業戦線異常なし】チェアを選ぶ

          【院長への道 ep.11〜開業戦線異常なし】医院設計について

           一旦、物事が始まってしまえば、そのあとはものすごいスピードでドンドン進んでいく。  昔、カナダ出身の怪力レスラー【グレート・アントニオ】がお客さんでいっぱいの観光バスを引っ張って動かした時のように、バスの静止摩擦力を越えるまでが大変で、ひとたびそれを越えてしまえば、あとは小さな力で動かし続ける事ができるのに似ている。  いや、似てないかもしれない。  例えが、微妙だったかもしれない。  とにかく、開業すると決まれば、後はほとんど悩んでる暇がないくらいに、ひたすら【選

          【院長への道 ep.11〜開業戦線異常なし】医院設計について

          コロナ日記

          世間もすなる日記といふものを、サトシィもしてみむとてするなり。徒然なるままにコロナ日記。 【8/14(日)〜15(月)】 家族で泊まりがけで旅行に行く。プールに入ったりアスレチックしたり大はしゃぎ。帰宅して、料理作るのもしんどいだろうと宅配ピザを頼み3人で楽しく食べる。この日でお盆休み終わり。明日からの仕事に備え早めの就寝。 【8/16(火)】 いつも通り朝起きて仕事に向かう。隣で寝ている息子(小6)の足を触ると『なんか熱いな』と思うが、すやすや寝ているのでそのまま起こさ

          コロナ日記

          【院長への道 ep.10 〜開業戦線異常なし】診療時間どうする?

           さて、開業場所も決まった、歯科医師会にも入会の意思を示した。そしたら次は、診療時間をどうするかだ。  前の職場は、朝10時から夜9時までの診療だった。これは大変に辛いものだった。だって9時に終わらないんだから。いつも家に帰ってくるのは23時とかで、そっから風呂入って、ご飯とか食べるから寝るのは大概深夜の2時とか3時とか。  そして、翌朝眠い目を擦りながら朝8時頃に起きるんだけど、やっぱりそんな生活が長く続くわけない。ずっと慢性的に疲れが取れない感じだったので、自分で開業

          【院長への道 ep.10 〜開業戦線異常なし】診療時間どうする?

          【院長への道 ep.9 〜開業戦線異常なし】歯科医師会入会するのかしないのか?

           色々と思惑通りにいかない部分が多少、、、というか、場所も開業スタイルも、そして借金の額も最初考えていた筋書きと全く変わってしまったが、兎にも角にも開業出来る道筋はついた。  出来れば、縁もゆかりもない知らない土地で、本当に自分の力だけで患者さんをどこまで増やせるか試してみたい!という気持ちもあったが、逆に上杉のおっちゃんとおばちゃんが近くに居てくれるというのは、少し心強い気持ちもあった。  開業場所が決まれば、次は歯科医師会をどうするかである。入会するのか、しないのか?

          【院長への道 ep.9 〜開業戦線異常なし】歯科医師会入会するのかしないのか?

          【院長への道 ep. 8〜開業戦線異常なし】

           けー君のおばちゃんが紹介してくれた物件は、バス通りに面した30坪の土地に建坪20坪弱の三階建ての軽量鉄骨の上物がのっている、建物付きの土地。  間口は狭くて縦長の土地、いわゆる【ウナギの寝床】スタイルで、歯科医院としてはなかなかレイアウトが難しいパターンだ。  物件のあるY市は、大阪の中でも東の端っこの方で【河内(かわち)】と呼ばれる、昔からヤンチャでガラの悪い地域である。河内地方を簡単に説明する為に、昔、流行った歌でミス花子さんの歌う【河内のオッサンの唄】の歌詞の一部

          【院長への道 ep. 8〜開業戦線異常なし】