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新米院長奮闘記 Dental Tendency 金パラ色の波紋疾走〜その5 孤独の院長

デュラシールの液の量についてお小言を言った事で、新人歯科助手Hさんから手痛い反撃を喰らったその日の夜、本人からメールが届いた。

『もうついていけないので辞めます』

ゴーーン、、、。

脳内イメージ

頭の中で何故か除夜の鐘が鳴った。

そして、何故か彼女と仲良かったもう1人の新人助手のNさんも、

『私も辞めます』

ゴーーン、ゴーーン、、、

脳内イメージその2

除夜の鐘が2回鳴った。

連れションかよ!!
なんで一緒にやめるのよ。

学生時代、休み時間とかに女子は連れ立ってトイレに行っていた。

女子は、事あるごとに集まって、その場にいない人の悪口を言うのが好きだ、

きっと女性にはこういう部分があるに違いない。

女性は徒党を組む(イメージです)


ええ、私は偏見丸出しの差別主義者ですよ。

とにかく、雇って1ヶ月で一気に2人のスタッフが辞めてしまった。

これで残ったのは、前の職場からついてきてくれた歯科助手の松ちゃんと、私より7つ年上の元銀行員で歯科業界未経験のママさん受付村中さんの2人になった。

でも人が余っていたし、ちょうど良かった。

また、院長に歯向かうなどの不届きな存在が自ら辞めてくれて、大きな災いをもたらす前に不穏分子を一掃することができて良かった。

これで良かったのだ、、、。

後ろを向いていても仕方ない。
前を向いて歩き出そう。

そう思うことにした。

幸い、松ちゃんは真面目で仕事はとても出来たし、村中さんは元銀行員だけあってハキハキとしてキッチリとした性格だった。

この2人が居てくれたら大丈夫。

今の患者数なら、むしろこの人数こそが最適解。

何事もポジティブシンキングで、嫌なことはすぐ忘れるに限る。

スタッフが減り、人件費も減り、イライラする事も減った。

これでやっとストレスなく仕事ができる。

ここからが俺の再始動
受けたくないのは再指導
増やしたくないのは体脂肪
燃やすぜファット
喰らえラリアット
今に見てろ俺こそがGOD
YO YO !

高らかにライムを響かせた。
さあ!これからバリバリ頑張るぞ!

『姉さん事件です!』

そう思った矢先、また事件が起こった。

なんと元銀行員の村中さんが、椎間板ヘルニアにより手術から長期入院になってしまったのだ!

ラップをしている場合ではなかった。

妻と2人で病院にお見舞いに行く。

ベッドで横たわる村中さん。

『院長、すいません、、、。勤務して早々こんなことになってしまって。』

『良いよ良いよ、こっちの事は気にせんと、しっかり休養してな』

村中さんは、学生時代からかなり本気でソフトボールをやっていたらしく、結婚してからもママさんソフトボールチームに入りエースで4番を務める名選手だったようだ。

ただ、その影響で元々腰が悪かったらしく、(私にとっては)運悪くちょうどこのタイミングで腰の時限爆弾が爆発したのだった。

退院してからもしばらくリハビリが必要で、本格的に仕事復帰するのは早くても三ヶ月後との事、、、。

沢山いたはずのスタッフは、とうとう松ちゃん1人になってしまった。


転落人生、、、

まるで坂道を転がり落ちるかの様な転落劇に、もう笑うしかなかった、、、。

〜続く〜





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