職場にも家にもいられない価値観の狭間で、「家」の再定義を問われた水曜日/第57回
5日前の水曜、車両炎上を原因に地下鉄が運休になって、朝いつもの時間に出たけど通勤できない、という日があったんです。
その日は会社PCをオフィスに置いてたので、仕方なく家に戻って私用PCでGsuiteにログイン。因みに、セキュリティソフトは入れてますが私物端末にログを残すのはよくないのでこういうときはブラウザのシークレットモードが便利です。
で、1時間ほどzoomでミーティングをしまして、その後、2人目の娘を世話してる産休中の妻と話すと「もうすぐ産後ヘルパーがくるよ」と。産後ヘルパーというのは産後しばらく家のことをやってくれるベビーシッター家政婦さんみたいな人です。
で、産後ヘルパーは「自宅に母親以外の人がいないこと」が契約条件とのことで、要するに僕が家にいたらマズいらしいのです。
仕事だけど...とは思いながらも、産後ヘルパーの契約ルールがテレワーク中心の現代に追いついてないんだな、まあ、それも仕方ないな、と思って、とりあえず家を出て駅近くのカフェへ向かいました。
しばらくカフェ作業して運行復旧を待つわけですが、Twitterの福岡市アカウントから「復旧は12時でも無理でまだ見込みがわかりません」といったツイートがされてるのを発見します。
因みに、こういう運休情報とかはGoogle検索よりも断然Twitter検索が早いです。どこかの誰かがツイートしてるので。
とはいえ、その日はオフィスで面接が一件予定されているので、無理してタクシーで行こうか、でもタクシーも捕まらないだろうな、とか思ってるところにslackが来て、候補者さん都合で今日の面接はリスケです、と。
ならば、もう完全リモートデイでいいやん、と踏ん切りがついて、そのまま1日駅近くのカフェをあちこち行脚するノマドワークを実践しました。
で、ふと面白いなと。
この状況って、要するに「働く場所はオフィスでなくてもよい」というコロナが運んできた新しい価値観の影響でオフィスに行かずにいながら、
「ご主人はオフィスで働いてるに決まってるから家に母親以外いたらダメだよ」という昔ながらの産後ヘルパー業界の価値観によって、家に帰ることもできなくなっているわけです。
新しい価値観と古い価値観の狭間に佇んでいる感覚。
居場所のないノンオフィスワーカーな僕は、ロッテリアの電源のある席に陣取って、スマホのテザリングでPCをネットに繋いで仕事をしてました。
因みに、カフェとか駅にもWi-Fiは通ってますがセキュリティがガバガバなので、僕にはとても使えないです。本当にガバガバだから、カフェで仕事する人とかは本当お気をつけて。
で、たぶん回転率を上げる為にそういうデザインにしてるんでしょうが、あんまり長く座ってると腰が痛くなるような椅子なので、数時間後には隣のシアトルズベストに移動。
別に飲みたくもないアイスコーヒーを頼んで電源席に着きます。でもコーヒーって目の前にあると無意識にどんどん飲んでしまうもので、しばらくして尿意を催すも、トイレが店外のパターンなのでトイレに行くなら完全に離席退出するしかなくて、しょうがないので我慢ギリギリまで粘る。
みたいな、なんだかしょうもないノマドライフを1日過ごしました。
で、その日を通して僕が感じたのが、
「働くなら、長時間座れる良い椅子と、安心して繋がるWi-Fiがほしい」でした。
...これも面白いですよね。
オフィスに必要と思われてきた、「同僚とのコミュニケーション」とか「仕事場として頭を切り替える環境」とかに繋がる欲求は全然感じなかったし、
「ゆったりとした雰囲気で仕事できる」とか「通勤の移動の無駄や苦労がない」とか、テレワークのメリットと言われるものも一切何も感じなかったのです。
あ、もしかして、快適に仕事をする最低限の条件って「椅子とWi-Fi」なのかな。と思いました。こんな1日を過ごすとね。
つまり、これってオフィスの再定義で、オフィスが、椅子とWi-Fiとして改めて定義づけられてしまいそうなわけです。
と、なるとですね、
「家」はどうでしょうか?
このコロナによるテレワークを受容する価値観のパラダイムシフトで、僕らにとっての家は、どんな風に定義づけられていこうとしてるのか。
家=家族。みたいな考えすら、たぶんここから先はステレオタイプと言われるようになります。
さっき晩ご飯はウーバーイーツで大戸屋の弁当を食べたのですが、そういう意味では「キッチン」という機能も、家にマストな要素ではなさそう。
最近はホテルが格安なので、GoTOキャンペーンを使えば安く泊まれるらしく、職場近くでホテル暮らしを始めてる人もいるとか聞きます。
テレワークが僕たちに問いかけてるのは「オフィスの意味」でもありながら、実は「家の意味」でもあるわけです。
あなたにとって、家の意味は、何ですか。そんなことも考えながら書いていたらもう23時。さて、今週を始めていきましょう。
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます! 少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひスキをお願いします!