詭弁論部に入りたかった学生時代を思い出す【読書のキロク】
こんばんは、"もっちゃん"です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
久しぶりに長めの小説を読みました。
森見登美彦氏とシャーロックホームズという、私の好みを寄せ集めたような感じの本です。
とても面白かったので、キロクに残そうと思いました。
◯今回読んだ本:『シャーロック・ホームズの凱旋』 著者:森見登美彦 中央公論新社
けっこう分厚い単行本でした。
小説を単行本で読むのなんて、ものすごく久しぶりでした。
◯概要
舞台はヴィクトリア朝京都。という森見氏独特の設定となっています。
名探偵ホームズの大スランプという、ホームズ好きを敵に回しかねない設定で、ハラハラしながら読み始めました。
◯雑感
この本は、内容に言及しすぎてしまうと、面白みが無くなってしまうようにも思います。
設定から察する方も多いように思いますが、全体を通してこの小説は
ミステリーというよりファンタジー
といった感じがします。
森見氏が好きな方はかなりいらっしゃると思いますが、その世界観を失わず、
かといってホームズの世界観も尊重しつつ出来上がったものと思います。
ホームズに詳しい方も読んでいて楽しい部分があるかと思います。
が、どちらかというとシャーロックホームズのイメージが曖昧なまま読んだ方が面白く感じるかもしれません。
個人的には、けっこうホームズ好きな私ですが、森見氏の作品も好きなのもあって、
良い具合にバランスが取れていて、楽しく読むことができました。
400ページを超える、少し長い小説ですが、
途中からは一気に読み進めてしまいました。
◯詭弁論部に入りたい
自分は学生時代に森見登美彦作品にどっぷり浸かっておりました。
『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』
がっつりのめり込んでおりました。
描かれる京都のようすや、京大の雰囲気も含めて、京都大学への進学を志したときもありました。
また、「詭弁論部」という、なんとも言えない活動をしているものが作中には何回か登場します。
要するに詭弁を戦わせていく不毛な時間を過ごしているものになります。
そうした独特の世界観に憧れた時があったなぁ、と思い出しました。
本書にも一部「詭弁論部」の話が出てきます。
そんな昔の一場面を思い出した、といった感じです。
森見ワールドに久々に浸かった、懐かしさを覚える作品でした。
どちらかというと、ホームズの方には懐かしさはあまり感じなかったな…。
◯読みたくなるのは森見作品!
おそらく、本書を読んだ後に読みたくなるのは、
ホームズ関連の作品というよりも
森見登美彦氏の作品だと思います。
ホームズをネタに森見作品が展開されている、という印象がやっぱり強く出ている感じはします。
以前読んだ作品も読み返したくなりました。
なんとなく作家さんというと、けっこうスランプに陥ったりするイメージもあります。
なんとなく、本書に出てくるホームズやワトソンに、自分を重ねながら森見氏は書いていたのかなぁ、なんて妄想したりもします。
またしばらく森見ワールドを楽しんでみたいと思います。
そんなことを考えた1冊でした!
とても面白かったので、読みたい方はお貸ししますので、お声掛けください。
自己紹介はこちらから。