『マリアビートル』に見る深い学び【読書のキロク・Audible】
こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
今回も【読書のキロク】です。
以前に『グラスホッパー』を読んで、こんな記事を書きました。
今回はその続編(?)です。
伊坂幸太郎氏の作品にハマっています。
◯今回聴いた本:『マリアビートル』 著者:伊坂幸太郎 角川文庫
『グラスホッパー』、『マリアビートル』、『AX』3連続作品の2作目にあたります。
Audibleですべて聴くことができるのは嬉しいものです。
◯概要
なんと、映画化もされていたのですね。しかもハリウッド。登場人物の表記につきましては、ここにきて初めて知りました。
◯全体を通した感想(面白いけど長い!)
めちゃめちゃおもしろかったです。
東京から盛岡へ向かう新幹線の車内で起こる出来事です。
東京発盛岡着というと、約2時間半のことになります。
『グラスホッパー』と同様の形式で、登場人物の多数の視点から描かれており、それが最後に向けてつながっていくという形です。
そんな形式ということもあってか、長い!
Audibleにして19時間以上!
再生速度を上げて聴いてはいるものの、1週間丸々本作品に費やした形になります。
ただ、その長さは全く苦にならないほど面白いです。
どんどん読みたくなる(聴きたくなる)衝動に駆られ、少し遠回りして出勤してしまうほどです。
Audibleでここまでの長編には初挑戦でしたが、とてもよかったと思います。
◯『マリアビートル』に見る深い学び
グラスホッパーでは、授業形態について考えました。
形式としては『マリアビートル』も同じではありますが、今回はどちらかというと深い学びを連想しました。
以前、田村学氏の『深い学び』を読んで、こんな記事を書きました。
これによると、深い学びにおいては"知識が駆動する”という言い方をしています。
どういうことかと簡単に言えば、子どもが持ち合わせている“知識”が結びつく、“点と点が線になる”といった感じでしょうか。
活動を通して子どもたちに点として埋め込まれた知識が、活動を通して線として結びつく、そこに深い学びがあるということです。
なぜその「深い学び」に考えが至ったかというと、
『マリアビートル』においては、伏線の回収が凄まじい、ということ!
そもそも『グラスホッパー』に継ぐ作品でもありますが、その『グラスホッパー』の内容も伏線として散りばめられています。
そして本作のみで考えても、序盤から話が散らかっているようで、その一つ一つが伏線として見事に回収されていきます。
もはやそれに感動です。
意外性のある展開でありながら、見事につながっている。
話の後半になるにつれて、ワクワク感も増していきました。
点と点がつながって線になる、それを私自身が十分に感じました。
◯『マリアビートル』から考える伏線回収的な授業展開
やはり授業展開に活かせないかと考えてしまいます。
この伏線回収的な授業展開って、とても面白いのではないでしょうか。
子どもたちが“知識が駆動している”感覚を味わえるのって、とても効力感のあるものではないかと思いました。
(私自身の今回の実感も含めて)
ぜひ意識してやってみたいものです。
こうして、既習事項が伏線として回収されるようなことがあると、
次に知識を取り入れるときにも、「この先に何か生きるんじゃないか」的な気持ちで、意欲的に知識を吸収していけるようにも思います。
言ってしまえば、基本問題からの応用問題、的な話になってしまうのかもしれませんが、
それをこう、『マリアビートル』的な展開で持っていきたいものです。
◯子ども内で実行できるのか!?
こう考えたときに、『マリアビートル』の長さが頭をよぎります。
『マリアビートル』は、2時間半の出来事を、19時間かけて綴っているわけです。
単純に8倍近くの時間をかけているわけです。
授業で置き換えて考えてみても、こうした展開をしたいとなると、同様に時間がかかってしまうものでしょうか。
なんとなく、点と点がつながる、ということだけ考えると、
手っ取り早くジグソー学習のようなものがイメージはされますが、
どちらかというと、すべてを一人の子どもの中で起こせるのが一番ではないかとも思います。
具体的にこの『マリアビートル』的授業展開をイメージするのは未だできていません。
ただ、これからやってみたい授業展開の一つであることは間違いありません。
こんなことを考えた1冊でした!
本当に面白い本だったと思います。
これだけ読み応えのある小説から、しょーもないことを考えてしまうのが少し切ない…。
そして、今回Audibleですが、文庫本で出ているような長編の小説なんかは、Audibleではコスパが悪いようにも思ってしまいます。
難しい…。
でも今回聴いたことに後悔は全くありません!
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