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【読書のキロク】深い学びに至りたい・至らせたい【自分的保存版】

こんばんは、"もっちゃん”です。

今回も【読書のキロク】になりますが、今回は有名な本になります。
先生方ならもちろん、教員でない方も読んだことがある人はいらっしゃるのではないでしょうか。

私自身、読むのは今回2回目となります。ふとしたきっかけがあり、また読んでみました。

これからどこかしらで使うこともあるかと思いますので、あくまで自分の覚書ではありますが、キロクしていこうと思います。

◯今回読んだ本:『深い学び』 著者:田村学 東洋館出版社

教育書の中では、最近のベストセラー、といったところでしょうか。

著者の田村学氏は、新潟県で公立小学校や上越教育大附属小での教諭経験や、市教委の指導主事経験を持ちつつ、文科省の教科調査官等を経て、現職の國學院大の教授になられた方のようです。

自分としては、公立の教諭の経験をお持ちという時点で、非常に好感の持てるものです。もちろん研究者として教育現場に入り続けている方に好感を抱かないわけではありません。
ただ、現場経験がある、というだけで、現職の先生方にとっては、なんとなく身近に感じてしまうものではないでしょうか。

(0)簡単な内容紹介

活用・発揮を繰り返し、子供の知識が「駆動」する!
「主体的」も「対話的」もつかめる。だけど「深い」は分かりにくい、という方に向けてオススメの一冊。数多くの実践を交えながら、その具体を明らかにしていくことを試みます。
本書の流れ
タスクI 今期改訂の理念を構造的に理解する
(コンセプト)
「社会に開かれた教育課程」
「育成を目指す資質・能力」
「主体的・対話的で深い学び」

タスクII 深い学びを知識中心に捉え、分析する
(「知識の構造化」4タイプ)
1宣言的な知識がつながるタイプ
2手続き的な知識がつながるタイプ
3知識が場面とつながるタイプ
4知識が目的や価値、手応えとつながるタイプ

タスクIII 子供が深い学びに向かっていく姿を具体の授業から考察
(登場教科は省略)

タスクIV そのような学びを実現し得る授業のデザインの仕方を考える
(キーワード)
1「プロセス」の充実
2「学び合い」の展開
3「振り返り」の実施

タスクV 授業づくりを支える「チーム」を形作る
(今一度意識すべきターム)
・捉える・解釈する・照合する・判断する・振る舞う
・授業研究の質的転換
今回「深い学び」を解き明かすべく筆を執ったのは、重版15刷を突破し、驚異的なヒットとなった『授業を磨く』の著者で、前・文部科学省初等中等教育局視学官の田村学先生(國學院大學人間開発学部初等教育学科教授/文部科学省視学委員)。
新学習指導要領のベースを形作った中心人物のお一人であり、また連日、今期改訂の意図やこれからの授業デザインについて、全国の学校に足を運んで直接先生方に伝えておられる、まさに「理論」と「現場感覚」両方を持ち合わせたカリスマが、「深い学び」を徹底解明する。

上記ホームページ商品紹介より引用

(1)「主体的・対話的で深い学び」について

少し前に「令和の日本型学校教育」ということについて触れました。

(もしその辺について興味のある方は、以下をご参照ください)

「主体的・対話的で深い学び」と聞くと、自分としてはこの中で特に重要であり、意識すべきなのは「深い学び」であると思います。

もちろん、「主体的な学び」や「対話的な学び」が重要でないわけではありません。ただ、「深い学び」が伴っていない「主体的な学び」や「対話的な学び」は、少し表面的で浅はかなものに感じられてしまうことも事実かと思います。

よく「活動あって学び無し」と言われることがありますが、極端な話だと、それに近いものになってしまわないか、という懸念です。

本書でも言っている通り、もちろん「主体的な学び」や「対話的な学び」それ自体にも価値があります。
また、「主体的な学び」や「対話的な学び」が、「深い学び」に大きく寄与することも事実です。

自分としては“「深い学びを」実現するための過程に「主体的な学び」や「対話的な学び」が位置している”ようにも感じます。

ただ、より大きな目標である“資質・能力の育成”という視点に立った時には、その「深い学び」もあくまで過程に位置するものとも思います。

授業を構想していくにあたり、最終的な目標を見失わないようにしないといけないと感じた次第です。
(申し訳ありません、この辺は覚書としてやっていたら、長くなってしまいました。)

(2)「深い学び」とは

①知識が「駆動」する、ということ

「深い学び」とはどういうものか、ということについては、本書の第1章に詳しく書かれています。

キーワードは、本章のタイトルにもなっている通り、「知識が「駆動」する」ということでしょうか。

印象的なフレーズとしては、

「深い学び」とは、子供たちが習得・活用・探究を視野に入れた各教科等固有の学習過程(プロセス)の中で、それまでに身に付けていた知識や技能を存分に活用・発揮し、その結果、知識や技能が相互に関連付けられたり組み合わされたりして、構造化したり身体化したりしていくことと考えることができる。

本書第1章P36より引用

が挙げられます。

その具体的なスタイルが、
1 宣言的な知識がつながるタイプ
2 手続き的な知識がつながるタイプ
3 知識が場面とつながるタイプ
4 知識が目的や価値、手応えとつながるタイプ
といった感じでしょうか。
(この辺は詳しくは本noteでは書きません)

自分としては腑に落ちるものではあります。私もそう思います。

そこで、ふと思うのは、
"前提となる知識・技能の獲得の際は、未だ「深い学び」ではないのか”
ということです。

②知識・技能の獲得に向けた「深い学び」

教員をやっていると、どの授業でも「主体的・対話的で深い学び」を意識したいものだと思います。

その際に気になって考えたのは
"前提となる知識・技能の獲得の際は、未だ「深い学び」ではないのか”
ということです。

研究授業の際など、「深い学び」感を出すのは、どうしてもその単元で得た知識をもとに活用していく場面のように思います。

では、その前提となる、単元内の知識・技能の獲得の際には、深い学びにならないのでしょうか。


結論としては、自分はそうは思っていないところではあります。

子どもはすでにこれまで生きてきた中でたくさんの「知識」を持っていると思います。一番最初に立ち返れば、「素朴概念」だったり、生活における「手続的知識」だったり、言葉にならない「暗黙知」といったところでしょうか。

それらをうまく「駆動」させることで、単元の宣言的な知識の獲得につなげていく、ということが、単元内の知識・技能の獲得に際した「深い学び」につながっていくのだろう、と思いました。

(※なお、このトピックは私の自戒も込めて書いています。)

(3)「深い学び」の具体像

本書において、自分的に一番イメージがわきやすいのは、第2章の各具体的な事例になります。

それまでの理論的な話から、「こういうことかぁ〜」と思う次第です。
また、先生方の多くは、「これなら自分にもできるんじゃないか!?」と思えるような実践を紹介してくださっています。

自分としては、こういう“理論的なものを現場の先生たちに利用可能なものとする”章の存在はとてもありがたいものであり、とても参考になります。

ある意味では、「理論と実践をつなぐ」というのは、こうした事例の為せるものなのだと思います。自分も提示の参考にしたいです。

(4)「深い学び」に向けた授業研究

また、自分が気になったところは、最後は現場の「授業研究」に落とし込まれる、ということです。

本書も最後には「学校を創る「授業研究」」ということでまとめられていました。
自分が授業研究に興味があるからかもしれませんが、ここのところ読んでいる書籍のすべてが、「授業研究」について言及しているようにも思います。

それだけ授業研究が重要だということでしょう。

自分として、未だ考えが浅い「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業研究、授業研究会のあり方については、これからさらに考えを深めていきたいと思います。

4月にインプットしまくっている知識が、どこかで「駆動」することをきたいしながら…。


ということを考えました。

たぶん、もう一度読んだらまた違うことを考えているのではないかと思います。

この本は、教職大学院とかでは、みんな読んでいる前提、くらいで話が進んでいくのではないでしょうか。
教職大学院のみなさんにも、教職についているみなさんにも、これから教職につこうとしている学生のみなさんにも、オススメの1冊です。


自己紹介はこちらから。


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