お年寄りクリエイターに価値はあるか。
定年後クリエイターの使い道:1
クリエイターって時代の先端でしょ。
自分の話で恐縮ですが(自分の話ばっかりする人って概ね信用できない)
現役時代は広告代理店でCM作ってました。偉そうに言うとクリエイターです。3年前に定年で「ただの」クリエイターになりました。名乗るのは「ただ」なので引き続き名乗っています。
この「名乗るのはただ」ってのが実は問題で、会社にいたときも所属がクリエイティブ局なので自動的にクリエイターではあるわけですが、全員がちゃんとクリエイティブな仕事ができてたとは言えないところが、正直あります。
サラリーマンなので、会社に所属していれば給料はいただけるわけですが、とは言えクリエイターは特に個人の実力で仕事の有る無しが大きく左右される職種で(どんな仕事もそうなのかもしれませんが)忙しい人と、まあまあな人にはかなりの差があります。まあ会社には属してるけど、それぞれが個人事業主みたいなところがあって、実力がない人には誰も仕事は頼まない、ってことが起きるわけです。
これも若いうちは「何でもやります!」って感じでとにかく頑張れば何かと仕事は回ってくるのですが、これが歳を重ねるうちに回ってこなくなります。考えてみれば当たり前のことで、年上から年下には頼みやすい仕事も、自分より年上の人には出しにくい。下になら言える文句も上には言いにくい。ダメな時にダメって言いづらい。
年寄りに発注したくないという周りの雰囲気と、いつの間にかみんな年下という見えない圧力。
で、どうなるかと言うと、歳を重ねるうちに数が減っていきます。他の部署に移っていく。別にそういう決まりがあるわけではなくてなんか自然に淘汰されていく感じです。
で、もうひとつ。何より大事なのは時代とズレていくことです。
広告は決して若い人にだけ向けて作られるものではありませんが(どっちかと言うと年輩向けの方が多い)なぜかすぐ「その表現は古い」ってなる。
あとは実際に「新しい変化を知っていないと対応できない」と言うことは多いです。メディアの変化はすごいですから。昨日当たり前だったことが今日古くなる。怖しいです。
ある日「アレ知らない」ってことがひとつ出てきます。次の日「アレも知らない」ってなって、気がつけば自分だけ取り残されてるような感覚になる。これって決して本当に取り残されてるわけではないです。なんか強迫観念みたいな感じだと思う。
で、無理をする。
やっぱTikTokもやっといた方がいいんじゃないかな。あ、このLINEの書き方、ちょっとおっさん臭くてキモいんじゃないかな。(笑)はカッコはない方がいいらしい。いやそもそも使わない?わらとか、いやいやそれもないでしょ。みたいな。
そもそも誰もそんなこと求めてないし気にしてないんだけどねえ。その状況に自分が耐えられなくなって離脱していく。
見てると歳取っても生き残ってるクリエイターってそんなこと1ミリも気にしてないです。そっちがこっちに合わせろくらいのズーズーしさがある。まあ結局図太い人が偉いってことだと思いますね。
僕はそんな中(図太く)生き残って、一応定年までクリエイターと呼ばれていました。で、定年。会社を辞めた。するとどうなったか。
年下との接点がなくなっちゃった。
会社にいた最後の辺りもコロナの影響とかちょっと始まってて、会社に行かないことが増えてたんですが、そのまんまな感じで終了しまして、一応ひとりで仕事は続けてはいるんですが、なんか在宅でほとんどやれちゃうな、ってことになった。結果、あんまり人と会わなくなった。友だちとか同年代の人とは相変わらず会ってるんですが(飲み友だちですね)若い人と会う機会が全然なくなった。
これ、デカいです。別に若い人に「最近何が流行ってんの」とか聞く機会がないってことでもなくて、なんか話してない、もっと言うと接してないというだけで、なんかわかんなくなるんです。
別にワカモノだけじゃなくて、会社の人と何となく世の中の話をしてないだけで「今」がわかんなくなる。
情報は触れていないと見えなくなる。
この辺って、知識じゃなくて感覚ですね。カンと言ってもいい。相撲取りが休場明け、勝負カンが鈍るみたいな(例えがじじい)
知ってる者同士だったり、近い年齢、近い関係でいるとラクなんですよね。ぬるめの温泉に長く入ってる感じで(例えが…)
Facebook見るのがちょっと辛くなった。
いつの間にか、Facebookってあんまり見なくなりました。なんかね、おじさんたちの宴会の集合写真見るのが辛くなった。道端の面白い写真ばっかり撮って載っけてる人は大好きなんですけどね。
なんか無理してんのかなあ、自分は違うと思いたいのか。わかんないですけど、無理して現役にしがみついてんのかなあとか。
さて、そんな年寄りクリエイターに明日はあるのか(そんなかっこいいものではない)。どうしたもんか。考えちゃってるわけです。
次回に続きます。
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