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コピーライターは高齢でも第一線って人が多い気がする。偏見だけど

定年後クリエイターの使い道:2

おじさんは「生涯現役」とかすぐ言うんだよね。

この歳になって現役にしがみつくのってどうなの?って思わんでもないですが、そもそも現役って何なんだろう?って思ったりもします。

スポーツ選手だとわかりやすいですよね。現役じゃパフォーマンスが保てなくなったから第一線から退く。ここに何の不思議もない。
ところがクリエイターの場合、この、パフォーマンスが保てなくなる、がわかりにくい。「いやいや、わかんなくないだろう。打席に立てなくなったら引退。おんなじじゃないですか。」と言われるかもしれませんが、僕らは打席には立とうと思えば立てなくもない。

まあスポーツ選手でも「オレはまだまだやれる」ってずっと粘る人もいらっしゃいますけどね。

僕のような元サラリーマンクリエイターの場合、定年っていうタイミングは世間的に見ると引退に見えます。退社って会社を退くんで仕事を引退するわけじゃないんですが、定年って「もう難しいですよね。お疲れさまでした。」ってイメージだもんね。もともとフリーで活動されてる方はそういう境目がないのでそんな意識はないと思いますが。

クリエイターに「老舗の味」は成り立つのか。

仕事によって現役でやれる時間って違いますよね。スポーツ選手はかなり短いわけで、だから引退ってものが妙に目立って見える。仕事によっては逆にいつまで経っても一流って認めてもらえないような、若いと損するものもあります。芸事の師匠なんてそんな感じですよね。

そう考えるとクリエイティブなんて「芸」なんだからだんだん味が出ていいような気もするんですけどね。

町中華タイプのクリエイターを目指す、っていう手はあると思います。

ずっと愛され続ける、その町になくてはならない中華屋のオヤジ。歳を重ねるごとに味にどんどん深みが増す。厨房に立てなくなるまでオレは引退はしねえ。

ただこのタイプってどっちかと言うと「職人」ですよね。クリエイティブのタイプで言い直すと「作家」に近い。このへん難しいんですが、広告関係のクリエイティブで言うと「プランニング」タイプと「ディレクション」タイプに役割が大雑把に分かれていて、もちろん重なる部分は多いんですが、実は求められるスキルがちょっと違う。ディレクションの方が偉いと思われがちですが決してそんなことはないです。違うだけ。

僕はずっとクリエイティブディレクターだったので、どっちかと言うと「自分だけじゃなくていろんな人を巻き込んで組み立てていく」仕事をしてました。そう考えると憧れる町中華のオヤジには向いてない。てか逆にスキルがない。

いろいろ考えてみてわかりました。長くやれるタイプのクリエイターって実は作家タイプなんですね。そう思うと、コピーライターやフォトグラファーなんかはあんまり年齢関係ない気がします。

経験の蓄積がちゃんと実績につながっている。そして感覚も衰えない。コピーライターなんて僕が気にしてる「世間との感覚のズレ」がいちばん関わってきそうな仕事なのに、なんか大丈夫なんですよね。たぶん世の中のことをいつも考え続けてるからでしょうね。
自分としては作家タイプ的な資質もなくは無いと思うのですが、今の時点で「今日からコピーライターです」ってのもさすがに図々しい。TCC(東京コピーライターズクラブ)の会員を30年もやってるんですけどねえ。実力が伴わない。

今さら偉そうなクリエイティブディレクターにはなりたくない(てかなれない)

クリエイティブディレクターで、今どき目立ってる一流の人って、企業相手にコンサル的なことをやってる人が多いです。…多くはないか。そういう人が際立って見えるってことかもしれません。こういう方々に大切なのは信頼、そして威厳なので、ベテランの方がいいですよね。

素晴らしい方々だと思います。だけどちょっとね。町中華のオヤジとはかけ離れた高級ホテルのシェフだもんなあ。
どっちも出来るみたいに言ってますが、どっちもできないですね。うーん、今日も結論出ませんでした。続きます。

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