写真展「nukumori」の総括
1月にナインギャラリーさんで写真展「nukumori」を開催しました。たくさんの方々からの応援に感謝いたします。ご来場いただいた皆様は、本当にありがとうございました!
終了から2か月が経ちました。総括して文字に残しておきます。
<写真展の準備>
・写真展を開催することを決めたのは昨年の春で、開催までには9か月の期間がありました。
・コロナ禍で取り組んできた活動からの一区切りとして、「脱ぎ捨てる」写真展を企画しました。
・写真展の開催日を1月に設定したのは、61歳の誕生日である1月21日までに、還暦の節目に何かを成し遂げたいという思いからでした。
・写真展のタイトルは、自分らしさを表現できるタイトルを模索しました。コミュニティの仲間にも相談しながら「ぬくもり」にしました。それを、小文字のアルファベットにしました。それは、外国の方にも佐藤尚の撮る日本風景を見ていただきたいと思ったからです。タイトルを決定するまでには時間を要しました。
※タイトルやテーマが最初に決まっていると、写真展の準備がスムーズに進むと思うのですが、実際には、「やる」という決意こそが写真展開催には重要だと思いました
<出展作品の選考>
・タイトルが決まってから出展作品を選び出しました。
・コロナ禍の4年間に撮影された作品に絞りました。
・ピンボケや前ボケ、具象的・抽象的な表現など、写真の独特な表現の作品も選びました。
・近隣の散歩で撮影した植物のアップから、地方の雄大な自然風景や、農村、漁港の風景など、幅広い作品から選びました。後から付けたタイトル「nukumori」の統一性を図るのは難しい作業でした。
・大量の小さなプリントを何度も並べ替えて眺める作業を繰り返しました。
・思い入れのある作品を堂々と出すように心がけました。
・「脱ぎ捨てる」写真展として「コロナ禍中にこんな写真が撮れるようになった」というメッセージを伝えることも目指しました。
・佐藤尚の代名詞的な軽トラックのある風景写真は外しました。
※最終的な作品選考には、独りよがりにならないよう、信頼できる人の客観的な意見を取り入れました
<会場>
・会場選びは、ナインギャラリーの一択でした。写真業界で数多くのクリエイティブな活動をご展開されているデザイナーの三村漢さんが主宰するギャラリーでの開催が、集客面で最適だと思ったからです。また、東京青山の立地は、若者や外国の方々にもアクセスしやすいのではと考えました。
・ギャラリーのウェブサイトには今後のスケジュールが掲載されており、1月に空きがあったため、即座に予約をしました。
・作品の展示はギャラリーのレンタル額を借りての額装にしました。パネルではなく額装にしたのは、展示終了後に作品が戻ってきてからの収納をコンパクトにする意味もありました。
・ギャラリーの利用詳細を確認したところ、利用料金体系は様々でした。DM制作は三村さんに依頼させていただきましたが、写真展経費を節約するため、展示レイアウトや会場設営については自ら行うことにしました。
※ナインギャラリーさんの良いところのひとつに、ギャラリーマネージャーである本間泉さんが親身になって相談に乗ってくれるところがありました。写真展の準備を自ら行うのは初めての試みであり、不安なことばかりでしたが、本間さんの助言によって安心をいただきながら前に進むことができました
<作品制作>
・銀塩プリントにこだわってプロラボクリエイトにプリント依頼しました。
・これまでの個展やグループ展では、三村さんと一緒にプリントの色味チェックを行うことが多かったのですが、今回は自分一人で行うわけなので、実はプリントの出来上がりがとても不安でした。
※プロラボクリエイトのプリンティングディレクターの稲葉誠之さんから、「いいものを作りましょう!」と一緒にプリント確認中に励まされ、うれしかったです。稲葉さんが的確にサポートしてくれて、プリントは佐藤尚の好みの色調に仕上がりました
<その他>
・DMは1,500枚印刷しましたが、適量であり、1,300枚でも十分でした。
・プリントの裏打ちは高価なのでするかしないか悩みましたが、結果的にほぼ全ての作品に裏打ちを施しました。これはプリントの平面性を保つためのものであり、会期中に万が一でもプリントが波打つ不安を取り除くためにギリギリに決断しました。
・DMは直前に都内ギャラリーなどを周って置かせていただきました。
・会場設営については自ら行うことにして段取りは理解していたものの、実際の様子は読めずにいました。そんな時に、友達の野鳥写真家・戸塚学さんのナインギャラリーでの写真展の設営手伝いができたことでイメージができました。4人に集まっていただこう。
・写真展に挑戦する中で、白黒作品を1枚出展することに課題を設けました。これまでプロになってから白黒で写真を撮ったことがなかったので、挑戦しました。その結果、やり遂げた満足感を得ることができました。
・東京都の田舎の風景写真を1枚は出したいと撮影を進め出展できました。訪れた来場者に東京のイメージにない新たな発見を提供することが目的でした。
・外国の方が来場することを期待し、都内の各ホテルのコンシェルジュさんにお客様へのご案内を依頼させていただきましたが、残念ながらお1人も来場がありませんでした。今後の対策が必要です。
・子供たちが来場しやすい写真展を開催することで、子育て世代が訪れやすいようにしました。お子様コーナーを作り、お子様限定の手作りお土産をご用意させていただきましたが、子供は来場いただけませんでした。今後の対策が必要です。
・展示作品の販売はあまりできませんでした。写真展の期間だけでなく、常に作品を販売する姿勢を表明していくことが必要であると感じました。
・会場で販売する写真展示作品の図録作りが間に合わず、断念しました。だいぶ早めに動いて、せめて段取りを理解しておくことが必要でした。
・会場で小さいサイズのオリジナルプリントを販売しましたが、期待通りではなく売れ行きは思わしくありませんでした。額装して飾れるように形を整えて販売した方がお客様が購入しやすかったのかもしれません。
・写真展「nukumori」の応援スポンサーとして、写真展前から、写真集「47サトタビ」10冊セットを6枠限定で30,000円で販売しましたが、ご購入者は現れませんでした。応援を呼びかけるタイミングが悪かったからか意図も伝わらなかった可能性もあります。
・閉店後の夜の有料ギャラリートークを2日間開催し、どちらもたくさんお集まりいただきました。早めの告知だったので浸透したんだと受け止めています。
・写真展最後の3日間は午後にギャラリートークを開催しましたが、急なお知らせでしたが、お客様が参加してくださいました。写真家のトークを楽しみにしている方がいらっしゃることがわかりました。次回は早めに告知するようにします。
・告知の部分では、カメラ誌や週刊誌、新聞など、メディアへの掲載お願いが遅すぎて掲載を作れませんでした。ギリギリでお知らせでしたがベイFMには出演できました。
・能登半島地震のチャリティー募金箱を設置し、51,443円の寄付を集め、災害義援金として寄付いたしました。ご協力ありがとうございました。
・写真展会場設営、写真展会場撤収、毎日の受付は、運営しているコミュニティの仲間たちにお願いしました。助けていただき本当にありがとうございました!!! コミュニティを持っていてよかったと思いました。
<写真展を終えて>
・写真展の開催するにあたり、新しい写真展の形を提案するのがプロの仕事と考え、①写真展前に既に作品を販売 ②ファングッズを制作販売 ③NFTと絡める。などと、いろいろ考えてみて、収益化を模索しました。しかし、全く実行できませんでした。自分ひとりでは創造できませんでした。今後はコミュニティと強く連携していきたいと考えています。
・展示レイアウトは全体を通しての一貫性が乏しかったかもしれません。壁ごとで並びを考えていたからです。作業の中で俯瞰的に全体像が把握できていませんでした。写真展から「nukumori」が現れたのか、お客様にこちらの想いが伝わったのか、振り返って考えてみます。
・作品展示はナインギャラリーで額をレンタルしました。額の縦横とマットの縦横のサイズ比を把握していなかったことで、見栄えが悪くなった展示が少し生まれました。事前に図形化すれば分かったことです。
・ナインギャラリーは作家の写真展を目当てで訪れる方がほとんどです。ふらっと立ち寄られる方はほぼいない感じでした。お客様からは楽しみに来たよという熱が感じられます。写真をしっかりと見てくださいます。作家のために貴重な時間を使ってくださるような温かい人たちと同じ瞬間を分かち合えることは最高です。また、展示の仕方には自由度があり、やりたいようにできました。自分自身を発表する場所として最適でした。
・写真展ご来場お客様の全員共通の「思い出」を作り出せませんでした。会場でみんなで「形あるもの」を創作するとか、終わってからの一定時期に思い出していただく「仕掛け」を用意するとか、来場者への記念品など、難しくなくできることがあったはずと感じています。
・会場でドングリを置いた装飾は好評でした。お客様が自由に並べ替えて写真を楽しまれていました。出入口の両壁にも変化を加えて写真展全体を楽しんでいただく一つの方法に思いました。
・ギャラリーのレンタル額を借りたことで、戻ってきた作品は、現在、狙い通りに少ない収納スペースで済んでいます。しかしながら、再展示をする機会があった場合、どうするべきか考えると、どこかでレンタル額を借りる必要性が生まれます。パネル作品も検討すべきだった等、いろいろ考える余地があります。結局、展示作品が会場で販売されることを目標にすることが良いようにも思います。
・時間は十分にあったはずなのに、準備に時間が足りませんでした。次回は計画的に早め早め。
・売りたい、呼びたい、何かしたい、の意識が強かったかな。結果は、写真展をやったってことで、OK。素晴らしいお客様にお越しいただきました。
<目標>
写真展を終えて、次の発表の目標ができました。すでにタイトルやテーマは決まっています。それに向けて、撮るだけです。
▽Nine Gallery ナインギャラリー
https://ninegallery.com/
▽プロラボクリエイト
https://www.prolab-create.jp/
写真展をやってよかった!!!
ありがとうございました!
佐藤尚写真集「47サトタビ」は三村漢さんのデザインです。
よろしかったら、お手元に1冊いかがでしょうか。いい写真集ですよ。サインを入れて郵送させていただきます!よろしくお願いします!
▽BASE 佐藤尚ネット販売サイト
https://47satotabi.shopselect.net/items/7728695
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