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地域留学で何が変わる?変わらない?「ラーニング・ジャーニー」レポート

こんにちは。地域を旅する大学 さとのば大学のnote編集部です。
前回の記事では、この夏開催したラーニング・ジャーニーについて、各地から学びのレポートをお伝えしました。

今回はそんなラーニング・ジャーニーにインターンの立場で参加してくれた高校生の視点で、4泊5日で何が変わったのか?変わらなかったのか?をお届けしたいと思います。


■START ONAGAWA!女川町の現在地を知る旅へ出発!

はじめまして。
この夏のラーニングジャーニーに、インターン生として参加した大崎海星高校の赤坂紗和子です。

私は今、地域みらい留学という仕組みを活用して、神奈川県から広島県大崎上島という離島にある大崎海星高校に通う高校2年生です。

今回、「地域を旅して学びたい」と面白い人たちがたくさん集まるラーニング・ジャーニーで一緒に旅をしながら、学びの場の作り手としても関わってみたいと、インターンに挑戦しました。

私が参加したのは、宮城県女川町で開催された4泊5日のラーニング・ジャーニー。
女川町は東日本大震災で高さ10mを超える津波に飲み込まれ、一度はほぼ全壊状態になった町です。
震災から12年。今では「世界一新しいチャレンジが生まれる町へ」をスローガンに掲げ、新たなまちづくりを行っています。

女川町の海岸通りにはスローガンを掲げた旗がはためく
海から歩いて30秒!の位置には魚市場も整備され、新鮮な海産物を求めて多くの観光客が訪れていました。

女川でのラーニング・ジャーニーには全国各地から5人の高校生・大学生が集まりました。始めこそぎこちなかったものの、地元で有名という美味しいピザを一緒に食べたらあっという間に打ち解けました。

■学びがどんどん腹落ちするインプット・アウトプット・リフレクションの繰り返し

いよいよ旅がスタートします。実際に町を歩いたり起業家さん達とお話をして、まちの歴史や震災後の復興についてインプットしては、書き留めたり互いに気づきを共有したりしながらアウトプットを繰り返します。

そんな中でも私は、「フィールドビンゴ」という さとのば大学のアウトプットのやり方が印象に残りました。9マスのお題が書かれた”ビンゴ”のシートに当てはめて自分の旅を振り返る方法で、これを記入していくことで「漠然とした感動」を言語化することができるんです!

さとのば大学のフィールドビンゴは、地域を旅するときに心に留めておくべき視点が整理されています。

たとえばあるマスには「違和感やモヤモヤ」というお題があります。そこに、自分が感じた「なんか変だな、おかしいな、不思議だな」という出来事をメモしていきます。単に時系列で情報を書き留めていくのではなく、こうしたお題に沿って整理することで、『自分の心に触れたものが何だったのか』、『どうして自分はその時そう思ったのか』、『自分が大切にしたいものは何か』を、後から考えたり振り返ることができるんです。

旅ではこうしてインプットとアウトプットを繰り返しながら、学んだことを振り返り(リフレクション)、「じゃあ、これからどうするのか?」という次のアクションについても考えることで、参加した人がどんどん変わっていく姿を目の当たりにしました。

地元の案内人がコーディネートしてくれて、いろんな行き先へ。女川で活躍するさまざまな人の話を聞かせてもらいました。

■普段と違う町で、普段と違う視点を得られる価値

例えば、宮城県から参加した高校生はラーニング・ジャーニーに参加する前、「復興」と聞いてイメージするのは「前の状態に戻そうと原状復帰すること」を指していると思っていたそうです。
けれど女川に来てみて、原状復帰にとどまらず「もっと女川を長く愛され続ける町にしよう」と奮闘してきた人たちの話を聞き、「女川に来るまでは知ることもなかったけど、この町に来てそんな人々のことを知れて良かった」と話していました。

また、東京から参加した大学生は「女川に来るまでは苦手意識はなかったけれど、自分は課題発見が苦手だということに気がついた」と話していました。
短い旅の時間でも、「地域で暮らす」経験を通してさまざまなインプット・アウトプットがあり、そんな中で振り返って自分のことを見つめ直し、考えたから生まれた変化ではないかなと思っています。

参加者、地域の方を交えながら学びを言語化し、アウトプット。さまざまな視点を得られました。

私はというと、女川に行く前は、地域が抱える人口減少のようなさまざまな問題を、「もうどうしようも出来ないこと」だと思っていました。
ですが女川に行ってみて、課題の捉え方を変えることで、見えるものがあると知りました。女川に住む住民の方の人生や仕事観を知ったり、普段は別々の場所に暮らし年齢もさまざまな参加者同士で語り合ったことで、大崎上島で過ごすだけでは気づけなかった「多様な視点」を得られました。

大崎上島も同じように少子高齢化や人口減少問題を抱えています。同じような問題を抱える女川町が、人口減少を解決するために『活動人口を増やす』という角度で取り組みを進めているという話を聞いて、捉え方を変えて課題を見ると違った可能性があることに気づけたのは、その中でも一番新しい発見でした。

■輪郭のなかった「興味」が、旅を通して少し確かなものに

女川町で実際に過ごした5日間はインプット・アウトプット、そしてリフレクションを繰り返す本当に濃密な時間でした。

フィールドワークを通して、その場所やその土地で出会った人から視点を得られること。そして視点が増えたことで身近な問題が旅の前と違って見え、『私たちにもできることがあるのではないか』とポジティブな気持ちになれたことは、とても大きな収穫でした。

旅は本当にあっという間の短い期間でしたが、自分の「なんとなく持っていた興味」を明確にしてくれるヒントに溢れていて、そんな経験ができたことが最大の旅の魅力だったと、今振り返って感じています。

旅を通して参加者同士の絆も生まれました。

ラーニング・ジャーニーが終わって半月後に行われた「事後セッション」というオンラインでの振り返り会では、フィールドビンゴに残した旅の記憶を共有する時間がありました。それぞれが女川での学びを、自分自身や地元に置き換えながら”愛され続ける地域”について話していて、本当に素敵な時間だったなと印象に残っています。

地元に居るだけでは変わらない。教室で座っていても気づかない。
自分の興味に素直になって、「人」との出会いを求めて出かけてみたら、一人では気づけなかった『自分の中の発見』があるかもしれません。

女川で出会い、得た視点、学びはこれからの生活にも活かしていきます。

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