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Day263:『アンラーン』人生100年時代の新しい「学び」

【本について】
タイトル:アンラーン

著者:柳川範之/為末大 出版社:日経BP

【WHY】なぜ、アンラーンか?

①人生100年時代。学びは経年劣化する。
(資格だけ持っていても太刀打ちできない)

急速な技術確信や感染症の拡大など、世界は大きく動いている。それに伴い、新しい言葉や概念が次々と出てくる。SDGs、DX、ニューノーマル。

「1つの情報を理解するためには、その背景を知る必要がある」と勉強を始めるが、簡単に身に付かず焦る。追加すべき「新しいもの」を追いかけ続けてしまう。(悪習慣)

②「未来に向かってどう成長していきたいか」を考える時、多くの人は、未来だけに目を向けて、そのために最大限のインプットを行うことを優先する。いかにインプットするか思考に走るが、大事なことは「柔軟な発想ができること」

③人は、命に関わるような切迫詰まった状態になるまで現状維持してしまうもの。

年齢が変われば身体も変わり、身体が変われば技術やふるまいもまた変化しなければならない。

【WHO】誰向けか?

何かの学びを得ていて、それなりに成功体験を持っている人


【著者の主張】

アンラーンできれば、どんな新しい環境でも人は適応していける

知識や経験をよりよく活かすためには「思考のクセ」からの脱却が必要。
未来は今までの延長線上に描けない。

【WHAT】

■アンラーンとは

人生100年時代の新しい「学び」

①過去の学びや蓄積を最大限に活かす新しい成長の技術(癖、パターン、思い込みから自由になる)

②学びの否定ではなく、これまでに学んだ知識や身につけた技術を振り返り、更なる学びや成長につながる形に整理しなおすプロセス。

③学びによる知識や経験をよく活かし、長いスパンで活躍し続けるための重要なステップ。

過去に学んだこと、経験したこと、一度やわらかくほぐし直し、そこから新たに発展させていく技術。

■アンラーンのメリット

①何歳からでも・正解のない世界でも・足元の状況や価値観がどれだけ変化してもビジネス・勉強で活躍&自己実現し続けられる。

②社会で生き抜く能力が高まる(個人の人生には、何度も変化があり、切り替えるタイミングがある。どんな変化にも適応できる)キャリアチェンジも怖くない。

③周りに振り回されて自分を見失うことがなくなる。

【WHAT】成長を妨げるもの

■思考のクセ

環境に適応してパターン化した思考

思考のクセは自分ではなかなか気づくことができない。

パターン化はよりスムーズに物事を進めることができるようになる一方で、適応しすぎてしまうと、新しい環境に適応しにくくなる。

「思考のクセ」をアンラーンできないと、うまく次のステージにいけない。

■「強み」と「弱み」は表裏一体

①「集中」「固定化」によって一直線に走ることは、明確に定められたゴールにできるだけ早く到達するためにはとても有効。だけれど、ゴールが変わったり、フィールドが変わったりして方向転換が必要になった時には、集中しているがゆえに、必要なことに気づけないことがある。

②技術革新のスピードが速い現代では、生活やビジネスの環境は、刻一刻と大きく変わる。設定したゴールに向かってどんなに急いでも、変化のスピードには叶わない。

③変化するゴールに向き合って、素早く適切に方向転換することが大事。

■合理的意思決定プロセス

人はパターンで意思決定している。

パターン化されていることで意思決定のコストを節約できるが、行動もパターン化されてしまう危険性がある。

■7つの壁

「このままでいいんじゃないか」
「今あるものを手放したくない」
「せっかくここまで頑張ってきたんだから」
「自分のやり方でやりたい」
「あの人のいうことなら間違いない」
「だってこれが好きだから」
「バイアス」

【WHAT IF】

■為末大さん
アスリート経験に培った3つの強み

・目標をたてて計画通りに行うこと

・自分の力で切り開くこと

・諦めないこと

社会で同じようにしてもうまくいかない。

スポーツのように、ルールも勝利条件も何十年も変わらない世界と違い、社会は状況がその都度変わる。

●為末さんの気づき

前の世界の学習を引きずりすぎていると、変化できない、うまくいかない。

■王貞治さん

バットの軌道に変な癖がついていると気づいた時、バットの代わりに日本刀を振って練習した。

日本刀は、真っ直ぐに振らないと切れない
→真っ直ぐ振ることを学び直した

■樹木(じゅもく)

“生い茂った樹は今の自分”

●パターンA(ラーン)
「肥料と水をたっぷり与えて、太陽の光を当てる」

問い:
無闇に枝を伸ばしてきたせいで、枝葉がしげりすぎていないか?
広い空が見えなくなっていないか?
樹木を近くからしかみていないせいで、全体像が掴めなくなっていないか?
いつも決まった方向からばかり眺めているせいで、見えていない部分はないか?

パターンB(アンラーン)
「必要であれば葉っぱも切り落とし、枝も切り落とす」

習慣的剪定
何を残して何を捨てるか

未来を活かすことにつながる

【HOW】

■現在の環境への過剰な適応を疑う/自分の思考習慣を疑う

・効率化ばかり重視していないか?

・環境に馴染むことを最優先していないか?

・思考回路や行動がパターン化していないか?

■アンラーンすべき対象の見分け方

「カルチャー対応スキル」

会社や組織におけるルール、組織や環境に適応するために手に入れたスキルは、カルチャーが変わると適応できない

問い:
自分の発想や決定はルーチン化していないだろうか?
パターン化していないだろうか?

■固定化した思考を発見し時ほぐす

①無意識にやっていることを全て洗い出す

転勤、引っ越し、昇進、結婚など見直しのチャンス

問い:
「いつも」「これまでは」「通常は」の思考に囚われていないか?
本当にこのパターンでよかったのか?
どうしてこのやり方が最適なのか?

②"なぜそれでいいのか"チェック

①に対して、なぜそうするのが他と比べてベターか、それが正しい理由は?

第三者を説得できるような客観性を持つ。

■小さなアンラーンを習慣化する

自分の中での価値観の揺らぎを発見した時、アンラーンのチャンス

当たり前の方に疑問を持ってみる。

日々のアンラーンによって風通しをよくしておく。

日頃から「これは、今の会社(環境)じゃなくても通用するだろうか?」と自問自答しておく。

■専門外・業界の外の人と話す

話す相手を変えることで、自分の「クセ」「思い込み」に気づくことができる。

普段は無意識で行っていることを言語化することで、自分がやっていることはこういうことだったのかと気づきになることがある。

本質的に自分の仕事の意義を確認することができる。

何を目指しているのか、何のためのものなのか明確になる。

いかに伝わらないかを実感することで「自分のクセ」に気づく。

■自分がどう見えているか周りの人にインタビューする

意外なことを言われたなら、それが「周囲からみたあなた」であり、「あなたのクセ」

■人の話を最後まで聞く

多くの人が経験を積むごとに、年齢を重ねるごとに人の話を最後まで聞かなくなる。

無意識のうちに「これはいる」「いらない」と判断してしまう
せっかくの新しい知見がうまく着地しない。

■読書

読書には大きなアンラーン効果がある。

本には未知の情報が書かれている。これまで全く知らなかった世界を知ることになる。それによって、新たな気づきや発想が得られるので、現実社会でも選択肢がぐんと広がる。

読書というのは抽象的な概念の中で遊んでいるようなものなので、現実から一旦距離を置いてみるというアンラーンの本質にとても近い。

大人になってからの学びとして読書はやっぱり外せない。

【響いたメッセージ】

  • 学び続けることはかわり続けること

  • 経験や学びを財産にするか足枷にするかは自分次第

  • 経験や過去の学びと適切な距離をとることで、新しい技術や能力の習得が可能になる

  • パターン化が固定しないように揺らし続けることが、変化の激しい世の中をストレスなく楽しく生きていくためにとても重要

  • 過剰適応しすぎると変化が止まる

  • 「こうすべき」という思いが強い人ほど取り残される

  • 日々の仕事をこなすだけに集中していると、頭の中がそのことでいっぱいになる。そうすると、考えていることがいつも似たり寄ったりになり、行動もパターン化し、目にする情報や付き合う人も次第に限定的になる。身についていく知見も学びの方向性も狭まっていく。固定化した世界では、真に新しいものと出合うことは、実はできない。私たちを取り巻く変化は一過性のものではない。僕たちは、常に変化し続ける中に身を置き、その中で成長し続けるしかない。

  • チャンスは「余白がある人」のところに訪れる

  • 「未来の自分」にきちんとバトンを繋いでいく

【Action】

アンラーンのスキルの1つとして「読書コーチング」をより1人でも多くの人に届ける

3月7日(月)より3日間開催


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