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プレイフル・シンキング 働く人と場を楽しくする思考法

【今日の読書】Day172

プレイフル・シンキング 働く人と場を楽しくする思考法
上田伸行 著 宣伝会議 2020年

「学習環境デザイン」(どんな場があれば、人は夢中になって学ぶのだろうか)という聴き慣れない分野に興味を持ち、
本を手に取りました。

「セサミストリート」に触発され渡米し、ハーバード大学教育大学院で、教育学博士を取得された著者の働く人と場を楽しくする思考法とは?

思考法だけでなく、働き方、仕事との向き合い方、チームとやっていくためのポイントまで満載です。


❶[3セレクト]

①プレイフルとは

「プレイフル」とは、物事に対してワクワクドキドキする心の状態を指す言葉で、キャロル・ドゥエック(※)のアイデアを参考にしながら、仕事を楽しむためのエンジンとして考え出した著者独自の概念。

著者は、「真剣勝負」を重ねた人だけが、「プレイフル」に乗ることができるという。

真剣に取り組むから、楽しいし、能力も発揮できる。

・プレイフルとは、真剣に向き合いやってみること
・プレイフルとは、柔軟に変わっていくこと
・プレイフルとは、メタ認知すること
・プレイフルとは、HOWの精神で共創すること
・プレイフルとは、実現できそうな予感にワクワクすること

※キャロル・ドゥエック:「マインドセット」の著者で、「認知的動機付け理論」の研究者


やる気は、その人が持つパーソナリティではなく、その人の考え方や意味づけによるものだという考えをもとに、「無力感を獲得してしまった子供たちも、自分の可能性に対する考え方を変えることによって自信を取り戻すことができる」という理論を展開している。


②「セサミストリート」の制作現場で感じたプレイフルな空気

「セサミストリート」は、エンターテインメントを通じて、子供たちに学びの場を提供しようという、アメリカの壮大な実験的プロジェクト。

著者は、はじめてその制作現場を目の前にしたとき、「仕事ってこんなに楽しくていいの?」と「仕事」の概念を打ち砕かれる経験をしている。

そこにあったのは、自由で活気ある雰囲気と、真剣なものづくりだった。

さらに、著者を驚かせたことがあった。それは、番組制作のスペシャリストだけではなく、幼児教育や心理学の研究者、アーティストたちが関わっていて、インタラクティブでクリエイティブな関係性の中で、協同作業(コラボレーション)を行っていたことだった。。

まるで、壮大なワークショップのようだったと語っている。著者は、この経験から、人が何かに夢中になり、能動的に他者や出来事と関わっていくプロセスこそが「学び」ではないかと考えるようになった。

③どうしたら仕事をおもしろくできる?

プレイフルさを取り戻すためのステップの1つは、課題に没頭すること。

そもそも人は、課題がおもしろければ、無条件で夢中になってしまうもの。他人にどう思われるかどうかなんて気にせず、時間を忘れて夢中になってしまうはず。

仕事でも、課題さえ面白ければ夢中になって取り組めるはず。夢中になれないのは、「課題がおもしろくない」からだ。

「おもしろくない仕事」は存在しない。わたしたちがその仕事を「おもしろくない」と感じているだけだ。つまり、おもしろくしたければ、課題を設定しなおせばいい。

【プレイフルに働くための4つのP】
1、Projects:課題
2、Passion:情熱
3、Peers:仲間
4、Play:挑戦

+1:

これからの教育は、大人から子供へ知識を伝達する「インストラクション」が中心の学びではなく、子供が何かを体験し、その体験を振り返るプロセスを通して自ら構築していくものであるという考え方がベースになった「コンストラクション」が増えていくだろう。(コンストラクショニスト・ラーニング(構築主義的な学び))

具体的には、「実践する」→「振り返る」→「意味する」というプロセスを繰り返しながら、学ぶスタイルが主流になるだろう。

(ストーリー)
1980年代のアメリカで唱えられた新しいプロフェッショナル像が唱えられ始めた。

プロフェッショナルといえば、専門的知識や技術を身につけた人というのが、当たり前だったが、新しいプロフェッショナル像では、プロフェッショナルとは、状況と対話し、自分の行動や考え方を振り返ることで問題の本質を捉え直し、解決していく能力を身につけている人とされている。

❷[マイエピソード]

 小学生の頃、「セサミストリート」が好きでよく観ていました。本を通して、番組を支える制作スタッフさんたちの楽しさに触れ、どうしてセサミストリートの放送日が待ち遠しかったのかわかりました。

❸[今日からのアクション]

到達点のイメージを明確に描く


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