[デザイナーに依頼したいけど、どう頼めばわからない?]デザインの考え方
こんにちは、Rim WORKS DESIGNの市川です。
フリーでデザイナーをはじめて、早7年。(時の流れは恐ろし…)私の場合、クライアントさんになるのはいつも知り合いやそのご紹介で、ほぼこれまでやってきました。ありがたや。
その中で、毎回のように聞くのが「デザイナーさんに依頼するときって、どう頼めばよいかわからない」「そもそも誰に頼んだらよいかわからない」との声。
確かに、逆に自分がデザイナーになる前の状態や環境で、何か制作の依頼をしたいと思ったら…ということを考えてみると、誰にどう声をかけてよいのかわからん、という思いはとても共感できます。
今はクラウドソーシングがネットでかんたんにできるサービスもあり、以前に比べて依頼しやすい環境になったとは思いますが、それでも「どう依頼したらよいかわからない」問題は以前として耳にします。
そこで、そもそも私が「デザインをどう捉えているのか?」ということと、「伝えたいことをビジュアルに落とし込むために行うこと」をお伝えしようと思います。
何を伝えればよいのかのイメージが少しでも湧き、いざ依頼したいな、というときの不安がなくなれば幸いです。
そもそも、デザインってなに?難しいの?
「デザイン」と漠然と聞くと、さっそく小難しさ満点です。
例えば、「チラシやPOPをデザインする」「Webサイトをデザインする」とも言いますし、もっと違う場面で「人生をデザインする」「キャリアをデザインする」とも使います。
超ざっくり言うと、一般的には前者のモノに対しては「狭義のデザイン」、後者の概念やシステムなど無形のもの含む意味に関しては「広義のデザイン」と言ったりします。
デザインとは、この2つである
こうしたデザインに関する小難しい話の本や記事は、すでに世の中にごまんとあるので、市川的解釈の「デザイン」をカンタンにまとめると、大きく分けて
① 課題を解決するための手段
② 人の行動を良い方向に向かわせるための仕掛け
この2点だと考えています。
「課題」なんていうと少し仰々しいですが、たいそれたことでなくてもいいんです。例えば、お店の人手が足りなくて「大学生のアルバイトさんを雇いたいな」ということがあなたの課題のひとつで、アルバイト募集の広告を大学サイトに掲載することをデザインで対応する、ということもデザインが解決する課題のひとつです。
また「より良い(心地よい)行動へ導くための仕掛け、としてのデザインもあります。
この例として、私が好きな話があります。多摩美術大学教授で無印商品のアドバイザリーボード、プロダクトデザイナーの深沢 直人さんの「目地の傘立て」です。
人が玄関のタイルの目地に沿って傘を立て掛けるようすから着想を得て、玄関に傘立てを置くのではなく、一本の溝を引くことで、人が無意識的にその溝に沿って傘を立てかける。そんな無意識に起こる人の行動をうまく活用した傘立てをデザインするお話です。
いわゆる生態心理学や人間工学といった文脈で語られるデザインになります。
課題を解決するデザインを行うために意識していること
なので、私がデザインの依頼を受けるときには、特に① 課題を解決するための手段ということを意識し、ただチラシやWebサイトを作るのではなく、その媒体を使って「依頼主が目指している目的・ゴールは何なのか?」を明確にして、「その目的・ゴールに向かうのに最適な方法は何なのか?」からヒアリングとご提案をしています。
「20代の大学生に向けてアルバイトを募集したい」といったときに、大半の大学生が新聞を取っていないのに「新聞に掲載するためのチラシ」を作っても意味がないですよね。
こうやって聞くとありえない!と感じますが、同じようなミスマッチな施策って意外と世の中にはたくさん存在します。
せっかくの施策がもったいないですね!
なので、「作りたいもの」だけでなく「何に悩んでいるのか?」までお伝えいただけると、より成果につながる制作につながります。
伝えたいことをビジュアルに落とし込むために行っていること
では具体的なビジュアルやアウトプットは、どんなフローで行っているのかご紹介したいと思います。
今回はロゴ制作を行うときを想定します。
超ざっくり示すと、こんなフローをたどり最終的な制作物ができあがっていきます。
①「キーワード・要素」の精度化
まず、ビジュアルをいきなり作っていくのではなく、ヒアリングで必ず必要な要素を言語化するところからはじめます。
言語化する理由は、クライアントさんと課題やアウトプットしたいことをズレなく共通認識を持つためです。生態心理学的なことで言うと、人は言語化できないことは認知できないので、こういった観点からも言語化できないことは要素として扱うことは出来ません。
②「要素・キーワード」の形容化
そのあとに、受け取った要素やキーワードをビジュアルに落とし込む際の解釈を得るため、これらを抽象化します。例えばダイレクトなビジュアル表現だけではなく、例えばですが伝えたいキーワードとして「優しさ」や「新しさ」など無形の概念があった場合でもそれらをビジュアルに込めることが出来ます。
③ ビジュアルでの表現
そしてようやく、ロゴの案づくりに移ります。
アウトプットだけ見ると、③だけやっているように見えますが、この前段に行った①②のヒアリングと情報設計がとても大事で、それがあって意義のあるビジュアルを作り上げていくことができます。めんどくさがらずに、しつこいくらいの私のヒアリングにしっかりお付き合いください(笑)
ロゴ案をもとにフィードバックをいただき、さらにブラッシュアップしていき、最終案を作っていきます。
ここでフィードバックをいただきますが、事前に他の事例で良いと思ったものを集めておいていただけると、イメージが共有しやすくなります。
なんとなくでも、イメージを持っていただけたでしょうか…?
とりあえず、気軽に話してください!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
読んでいただいてなんですが、デザインに唯一無二の答えは正解はありません。
特に昨今はマーケティング手段も、その根底にある価値観の変化や時代の潮流もめまぐるしく変わります。
なので、あなたのお客様に伝えたいこと、やりたいこと、悩んでいることに対してどんな施策が良さそうか、一緒に考えていくところから伴走させていただけると、より良い方法が見つかるかも、と考えています。
あまり気負ったり不安にならずに、お気軽にお声がけいただき、なんでもお話くださると嬉しいです。
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