見出し画像

生きることは物語ること|2024年3月-4月前半の物語。

油断をすると何もかもが霧のように消えてしまう日々の出来事。だけど、実際には積み重ねている「何か」が確実に存在しています。

そんな「積み重ねた何か」は「語る」こと、「言葉」にすることによって、人生の一部として着地していくのではないか。

——そんな想いから始めた、月一の振り返り。
中途半端な区切りにはなってしまうけれど、2024年3月+4月前半をまとめて紡いでいきたいと思います。

2024年3月〜4月前半の出来事

まずは「やったこと」「取り組んだこと」の中から、特に印象に残っていることを3つご紹介します。

①沖縄での農園の視察

沖縄での二拠点生活が始まり、もうすぐ1年。以前からやってみたいと思っていたことの一つが「沖縄の農」に触れることでした。

私の実家の家業は、農家です。だから……というのはコジツケかもしれないけれど、どこに行っても「農」が気になります。

自分たちが食べるものが、どのようにつくられているのかを知っておきたい。たとえ直接的ではなくとも、何らかの形で「農」との関わりを持ち続けたい——なんてことを思っていたところで、とある方のご紹介を受けて、沖縄で自然農を営む農家さんの畑を視察する機会がありました。

(「農」についてインタビューいただいた時の記事です)

実は2020年から、細々と自然農を学び、自分でも無肥料・無農薬栽培を試していました。
なので、自然農・自然栽培は、全くのど素人というわけではありません。うぶ毛くらいの知識・経験は有しているつもりでした……が、甘かった!

所変われば、土が違う!
土が違えば、草が違う!
そして、野菜もちがう!!

視察した畑の様子。こんな白い土、見たことがありません!

自然農は多少はわかった気になっていたけれど、甘かったです。
気候、土地によってこんなにも違うのかと驚かされました。

特に自然農の場合は、土づくりが生命線です。
野菜づくりは、土づくり。だけど、土が違えば「土づくり」の方法は異なります。

そして、緯度が違えば、日差しが違う。日差しが違えば、植生も違う。

バナナの木はスケールを超えて大きくて、「ジャックと豆の木」並みに「私は小人になってしまったのだろうか?」と思うほどでした。

バナナ畑にて。木は3メートルくらいで、身長169センチの私で「頑張ったら何とかギリギリバナナの実に手が届く」という程度でした。

言うまでもなく「生きること」は「食べること」です。そして「食べること」は、基本的に「今いる土地の食べ物をいただくこと」

「食べること」を通じて、私たちは「土地」や「他の命」とつながっていくのではないでしょうか。

であれば、その土地の食べ物がどうやって生まれるかを理解したいと思うのが、人として自然な欲求じゃないかと思っています。

二拠点生活とはいえ、沖縄は今人生の約半分の時間を過ごしている土地。
そして、そろそろ一歩踏み込んだ「沖縄」を見て、私ができることをやっていこうと思っていたタイミングだったこともあり、今回の視察を通じて「沖縄の土地の農、食について、もっと知りたい!もっと体験したい!」という想いを、益々強くしたのでした。

この視察がどこにつながるか——は、乞うご期待! そのうち思わぬ未来へと結実していくことでしょう^^

②湯河原修験道リトリート準備&本番

4月2日-3日に、羽黒山伏 星野文紘先達、そして人生が変わる「変容体験」を提供するHuman Potential Labさんとの協働企画、「山伏と歩く春の湘南・湯河原 修験道リトリート」が行われました。

このリトリート兼、山伏修行体験(1日修行)は、今年で3回目。
今年から、リトリートの聖地、湯河原ご縁の杜さんの全面的なご協力のもと、湯河原での開催となりました。

ひょんなことから決まった開催地の変更だったけれど、後になってわかったのは、この地が「関東山伏発祥の地」だということ。

山の下見で行った先の看板、何も知らずに行ったら1行目の「関東山伏発祥の地」の文字を見て驚きました!

そして、湯河原の土地を拓いた大名で、鎌倉幕府をひらいた源頼朝の命を救った土肥実平氏が、実は「山伏」であったこと。

湯河原駅前の実平夫妻銅像。

さらに、そんな土肥実平氏は、星野先達が営まれる宿坊・大聖坊のある出羽三山の麓のほど近く、羽黒修験道の伝統を伝え続ける羽黒山荒澤寺正善院の「黄金堂」の建造にあたって奉行として、羽黒の地を訪れていたらしい!


羽黒山荒澤寺正善院の「黄金堂」(写真は同院のHPより転載)

何も考えずに始めたことが、実はここまで「繋がっていた」とは……出来過ぎでは?と思えるほどの「ご縁」に驚いたのでした。

* * *

実際の湯河原の山は、思った以上に奥深かったです。
「関東修験発祥の地」の伝統に相応しい修行感のある急登。

「湯河原=海、温泉」のイメージが強いかもしれませんが、山もあります。そして、結構、険しいです
山道の先にある天照山神社、今も祈りの伝統が息づいています
天照山神社の先にある白雲の滝。
お滝行にぴったりの美しい滝でした。

しかし、意外なほどに登山道が整備されておらず……色々あって当日にコース変更をしたら、地図上は「行ける」はずの道が、実は繋がっていないことが判明し、急きょ来た道を戻ることに——なんてこともありました。

藪漕ぎをしながら進みましたが、この先で行き止まりに……

ただ、そんなトラブルを含めての「ライブ」こそが修行の醍醐味。

この「ライブ」は「行き当たりばったり」や「グダグダ」とは似て非なるものなんです。何がどう違うのかは、まだうまく言葉にならず、身体を通じて体験、体感してもらうしかないのがモドカシイのですが……
ただ、不思議と「これ以上進めなかった」「引き返すしかなかった」ことを含めて、今回の修行としてはパーフェクトだったと感じずにはいられません。

振り返ってみれば、私にとっての山伏修行は「本をつくるための取材」から始まりました。単に本をつくるだけであれば、1回入れば十分なところを、翌年も、またその翌年も何となく続けて、早5年以上。
当時勤めていた出版社は辞めたけれど、山伏としての修行はやめることなく、体験修行を主催するようになり、出羽三山神社の神子修行に入って羽黒山伏(神子)の名簿に名前を加えていただくことになって——

——を経ての、今回。

「関東修験道発祥の地で、道が途切れてしまっている」という現実に直面したとき、自然とこう思ったのでした。

「だったら、自分たちで改めて、ひらけばいい!!」

というわけで、リトリートが終わって早々「湯河原修行の道びらき(行場びらき)」をスタートすることになりました。地元の方々のご協力を得ながら、まずは共に修行した皆さんとご一緒に月に一度ペースで山に入り、少しずつ道びらき(行場びらき)を進めていくつもりです。
「湯河原の行場びらきを一緒にやりたい!」という方、コメントやメッセージ等でご一報いただけましたら幸いです。

まさか「行場(道)のDYI」をすることになるなんて、人生、何が起こるかわからないものです。だけど、これだから生きるっておもしろい!

③某企業のマネジメント支援が一区切り!

自然活動が二つ続きましたが、オフィスのなかでも働いています。

ひょんなことから始めた組織の支援は、実はもうすぐ3年目。
そして、この4月頭で、昨年夏から準備をしてきた「マネジメント層を軸にした成長支援」が一区切りとなりました。

人材育成の会社で、10年ビジネス書をつくり続けてきたので、組織のなかでどんな施策をうつにしても「マネジャー」が鍵になるのは、痛いほどわかっています。

ただ、その一方で、マネジャーは本当に忙しい! こんな本も出ているけれど、個々のマネジメントスキルで対処するのには限界があるほど、「マネジメント」にまつわるゲームは、こじれてしまっている。

その中で、できるだけ負担を増やすことなく、最小努力で、最大の効果を得られるような施策は何だろうか。どこが「レバレッジポイント」で、どう働きかけていけばいいか。さまざまな理論・事例を、目の前の課題にどう当てはめていくか……なんてことを、組織内の担当者と議論しつつ、計3回のワークショップ(+前後の課題)、MVVを絡めた施策の運用・設計、個別のコーチング等に落とし込み、なんとかやり切りました。

ラクではなかったけれど、とてもいい時間でした。
何より、担当者さんと二人三脚で練った施策が、徐々に現場に浸透していき、そこで働く人の様子が変わり、使われる「言葉」が変わり、コミュニケーションの「質」が変わっていく様子に立ち会えたのは、大きな喜びです。

この手の喜びは、本をつくっているだけでは得られなかったもの。
現場感、ライブ感、誰かに何かが届く手応え……これは、今の私にとっての最高のご褒美です。
さらには、現場で得たことを、また本づくりにも活かしていく——なんてことまでできたら最高だと思っているので、そのあたりは、これからの私に期待したいと思います。

オマケ:3ヶ月で売上が1.5倍になる

さいごにオマケ。
このnoteは、主に「編集者」の私として書いていますが、私には別の顔があり、その一つが自然に根差した形でのセルフケアを提案する「KAMI.llc」の代表です。

KAMI.llcを始めたきっかけは、何と言っても「ヘナ」です。

「ヘナ」は、インド、アフリカ等が原産の植物で、5000年以上前から用いられてきました。葉を砕いたパウダーをペースト状にして、白髪を染めたり、ボディペイント(メヘンディアート)等に用いられてきたのですが、その効果が本当にすごい!(詳しくは、下記の記事をご覧ください)

天然の上質なヘナを紹介する美容師・美容家の森田要さんに出会い、「ヘナ」の素晴らしさに出会い、体感するたびに「私たちだけに留めておくのは勿体無い!」という想いが募って「えいや」で始めて、もうすぐ2年。

何かしたわけではありませんが、ここにきて売上が急激に伸びています。

どれくらい伸びているかといえば、3ヶ月で1.5倍。
前年同月と比べると3倍以上です。

もしかしたら、そろそろ「ヘナ」が時代に追いついてきたのか?
だとしたら、本当に喜ばしいことです。
(ただ、急激に伸びると、オペレーションが大変で…嬉しい悲鳴です。汗)

ヘナ。「気になっているけれど……」という方は、ぜひ一度試してみてくださいね。

(以前、ヘナについて書いたnoteです。併せてお読みください

2024年3月〜4月前半の興味・関心

「葬送のフリーレン」にどハマりする

昨年から放映されているアニメ「葬送のフリーレン」にどハマりしています。ハマりすぎた結果、3月末のアニメ第1期終了を機に、マンガを全巻大人買いしてしまいました。

3月下旬〜4月頭と、めちゃくちゃ忙しかったんですよ、ほんとに。だけど、実は「忙しい、忙しい」と言いながらも、少しずつマンガを読み進めていました(苦笑)。

「葬送のフリーレン」本当におもしろいです。

何がここまでハマったのか。それは「成熟(健全で本質的な成長、発達)とはなにか」を考えるのに最適なテキストになると感じたからです。
そうなんです。「成人発達理論」「インテグラル理論」の格好の教科書だと思ったのです。

まず、何がすごいかって、物語が「冒険の終わり」から始まるところ。
よくあるのは「よし冒険に出かけるぞ!」と始まる物語ですが、「葬送のフリーレン」は、勇者たちが魔王を倒し、その旅を終えるところから始まります。
「冒険の終わり」から始まる物語——といえば、ユングの言う「人生の正午」の先を連想せずにはいられません。
正午を超えた先で、何をし、どう生きるか。ここで思い悩むのが「中年の危機」であり、この危機は、人が美しく熟していく機会をくれるものなのでしょう。
「葬送のフリーレン」には、主要キャラに老人(老人年齢に達している人)が何人も出てくるのだけど、彼・彼女らの姿から「成熟とは何か」を考えtしまいます。

そしてもう一つは、1000年以上の時を生きるエルフと、100年弱の寿命の人間が交わることの切なさ。この時間感覚の差が、とにかくもどかしくて、切ないんです。
切ない。悲しい。だけど、この時間の差があるからこそ「今、ここ」に深み、重み、厚みが生まれていく……という話をし始めると、止まらなくなりそうなので、今日は一旦ここまで。
またゆっくり言葉にしてみたいと思います。

2024年4月後半〜の予定

最後に今後の予定。

色々と企画中があるのでを、続々ローンチしていきます。

特に楽しみなのが、一般社団法人Integral Vision and Practiceの企画。

準備が出来次第お知らせいたしますが、一番早いのはIVAP(一般社団法人Integral Vision and Practice)のSNSです。ぜひこの機会にフォローいただければ幸いです。
*不定期でFacebook Liveも行っています

そのほか、個人の活動は、Facebookページでご案内しますね。

むすび

「今年も桜が見られてよかった!」
そして、
「あーーーやっと個人のnoteが書けた!」
という安心感とともにいます。

やっぱり、春といえば桜。
沖縄の桜もいいけれど、ソメイヨシノを見なければ春という心地がしません。二拠点生活をしつつも、ソメイヨシノに触れる時間がとれてよかったです。

そしてもう一つ。
仕事柄、文章は多く書いています。
ただ「個人名」として公開する文章を書いてこそ、満たされる何かがあるようで、書けない日が続くと、どうも何かが滞ったような感覚がやってきてしまう・・・

この感覚は何なのか——の正体も突き止めているので、それもまた書きたい! 4月こそは、もっと「私、個人」として文章を書いていきたいと思います。

* * *

皆さんは、どんな3月〜4月前半の時をお過ごしでしたか?
どんな4月後半〜GWを過ごしていきたいですか?

今月もすばらしい物語が紡がれていきますように!

この記事が参加している募集

振り返りnote

今月の振り返り

サポートいただいた金額は、別の方のサポートに使用いたします。 コンテンツ作成、創造をサポートしあう文化を、根付かせていけると良いなと思っています。 ご協力よろしくお願いします。