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涙、涙の最後のスピーチ

日本語コースの集大成である「3年間の思い出」のスピーチが先日ようやく終わった。

今年卒業するクラスは、私が3年間副担任だった。

担任であるタイ人のポン先生は、いわゆる“語学オタク”で、日本語の先生じゃないのにN3も持っている。せっかく日本語がわかるんだからということで、ポン先生にもスピーチを聞きに来てもらうことにした。

今回はコロナで本当に時間がなかったから、きっと全部は暗記できてないだろう。覚えていないどころか、読むのもままならない学生も5人ぐらいはいるだろう。

そう思っていたけど、全部覚えている人もいたし、読むことすらまともにできないと思っていた学生たちも、ちゃんと流暢に読む練習をして来てくれていた。努力の跡が見られて、すごく嬉しかった。

スピーチ原稿は私が全部添削しているので、もちろん内容も全部知っている。それなのに、毎年毎年号泣不可避。

今年も終盤に感極まって泣きながらスピーチしている学生がいて、もらい泣きしてしまった。

全員のスピーチが終わってから、まずはポン先生のスピーチ。日本語でスピーチをしてくれて、最後にサプライズで自作のタイ語の詩を朗読してくれた。学生全員の名前が入った詩で(あいうえお作文みたいなヤツ?)粋だなぁと思う。

私は内容はほとんどわからなかったけど、泣いている学生もいて、でも時々笑いが起きたりもしていて、そんな学生たちの様子を見るだけで泣ける。

次は私の番。

実は私もサプライズとして、日本留学中のクラスメイトと、去年転勤になってしまった一緒に副担任をしていた先生に連絡して、お祝いのビデオメッセージを送ってもらい、いい感じに編集していた。

まずはそれを見てもらう。みんな喜んでくれて、さらに泣いている学生も増えた。それを見てさらに号泣。

そのまま嗚咽しながら私は日本語で、タイ人の日本語の先生2人はタイ語でそれぞれお別れのメッセージを送った。

最後はいつも通り、「起立、気をつけ、礼」で終了。大きい声で言ってくれた最後の「ありがとうございました」に感慨深い気持ちになって、また涙が出る。

実はこのクラスは今まで受け持った中で1番大変なクラスだった。いわゆる”不良学生”は1人もいなかったけど、単純に勉強が(他教科も含めて)できない学生が多かったし、何度言っても宿題をしない人や毎回赤点の人も今までで1番多く、手を焼いていたクラスだった。

大きい声で叱ったのも1度や2度ではないし、2年生の後期は正直何度も心が折れた。タイ人の先生に弱音を吐いたこともあった。

3年生になって少しずつ少しずつ良くなっていき、こうして最後の最後に学生たちが頑張る姿を見せてくれて本当に嬉しかった。

最後に角をバシッと取って、黒が多めのオセロ盤が全部白にひっくり返るような感じ。大変だったこと、辛かった記憶の数々が一気に報われたような気がした。

教室を出ようとした時、絵が上手な学生が似顔絵とお手紙をくれた。

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禰󠄀豆子ちゃん風の似顔絵。かわいく描いてくれてとっても嬉しい💕

ってあら??

こ、これは!?

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鬼になった禰󠄀豆子が人を食べないようにつけられてた竹筒じゃん!

これは「私もかつて鬼だった」っていうメタファーなのか!?

んー・・・確かに鬼の形相で教えてたし、自覚はあるのでまあよしとしよう。

(でも私が鬼になる原因は学生たちなんだけどなぁ。。。👹)

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