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涙腺崩壊。「世界でいちばん優しい音楽」

 泥棒猫です。

 どこにも出かけられないので、懐かしい小説や漫画を次々と読んでいる。

 あまり堅苦しくなくて、クスッと笑えて心も暖かくなって感動するようなのがいいな。そう思い、小沢真理先生の「世界でいちばん優しい音楽」を手にした。

 何度も読み返しているし、古いからボロボロ。

 何度読んでもいい。

 ほんと大好き。

 全巻(文庫版だと8巻)のうち、私が好きな章を紹介します。全てネタバレです。だって古いし完結してるから、時効ということで。


 第2楽章 「船のような家」

 Kindleにはかろうじてあった。良かった。

 世界でいちばん優しい音楽は、シングルマザーのスウとひとり娘のんのんが主人公。スウとの出会いから、お腹の中の子を残したまま亡くなるまでの晧の目線で描かれた第2楽章。これがもういきなり涙腺崩壊ものなのだ。どうしてスウがシングルマザーなのかを先に描いちゃうって凄くないですか?

 のんのんがどれだけ愛された子供か、それがわかっているからこの先読みすすめられる。そんな重要な章なのだ。



第8楽章 「やきいもをかいに」

 結婚を許されずシングルマザーになったスウだけど、実は晧のお父さんはそのことを今では悔いていて、スウとのんのんは元気にしているか陰ながら見ていたのだ。童話「てぶくろをかいに」をベースにしたこの章。後に更に生きてくるんだよ、これが。


第21楽章 「あなたにあえてよかった」

 スウの上司、海江田さんもシングルマザー。長野の実家に預けていた息子・柊野くん(美少年)を東京に呼び寄せたけど、親子関係はギクシャク。そんなとき急な仕事で休日出勤になった海江田さんのお宅に遊びに行くスウとのんのん。ちょっとしたハプニングでお母さんがどれだけ自分のことが好きかを知る柊野くんの話。ああ、子供って守っているようで実は母を守ろうと必死なんだよな、というか何というか。


第32楽章 「いつかあなたに」

 いつしか見守ってくれていた豊上さん(やきいもをかいに、の時に晧のお父さんと一緒にいたし、元々晧の家庭教師もしていた)に惹かれるスウの気持ちがハッキリする章。そうよ、スウちゃん幸せになって!!!と連載当時、読者全員が叫んだと思うわ。このあたりまで来たらもう気分はしずさん目線に。しずさんは晧坊っちゃんを可愛がっていたお手伝いさんです。(ばあや?)


今日のところはここまでにしておこう。


 







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