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ポスト・コロナの職場環境

こんにちは、ニューヨーク在住のSatokoです。

先週末、ニューヨークはとてもお天気がよく、マスクなしで出歩く人が大勢いました。
5月15日に、ニューヨーク州内のいくつかの市でロックダウンの解除が始まりましたが、ニューヨークはまだ先のことになりそうです。

先々週末、セントラルパークに散歩に行きましたが、例年以上に芝生でくつろぐ人が大勢いて、芝生では1人としてマスクをつけている人がいませんでした。
その光景に目を疑い、アメリカ人と日本人のリスクマネジメントの考え方が違うという話を夫としながら帰ってきましたが、その後、案の定セントラルパークは入場制限を行いました。

ニューヨーク州では、ロックダウン解除には7つの条件を満たすことが必要になっています。
ニューヨーク市は、6月に工事現場などのフェーズ1の再開ができるかどうかというところですが、企業は、コロナ対策をとったオフィスの計画を練り続けています。
(フェーズ1−4の内容は前の記事に書いています。下記です↓)
https://note.com/satokony/n/nc2ed091bcf32

ニューヨークの会社の職場環境はどの様に変わるのか、どの様な対策をするのか、夫と話し、エスカレーターを数段毎に乗る等の対策案を、面白おかしく聞いていました。

今日手に入った5月16日付の週刊NY生活に、ポスト・コロナの職場環境に関する記事が2つほどあったので、ご紹介したいと思います。

デジタル・メディアコンサルタントの江川央さんは、年末の段階で多くの企業が在宅勤務が基本となる勤務体系が選択肢として与えられる可能性がある大きいと予測しています。
その理由を三つ上げ、第一に限られたマンハッタンのオフィス事情がある。
第二に、半ば強制的に始まった在宅勤務がさまざまなテクノロジーに支えられ、ネガティブな要素よりもポジティブな要素が評価されている。
第三に、一般市民が持ち始めた、感染症や健康に関する漠然とした不安感だ。
と述べています。そして、自分で衛生を管理できる自宅で仕事をすることが許された人達が、再び雑菌だらけのオフィスに行こうと思うだろうか?と締め括りました。

ニューヨークの場合は、多くの人が不安になのは、職場環境よりも公共交通機関の衛生環境です。経済活動が再開したとしても、電車やバスを使用する人が減り、Uberや自転車の利用が活発になるのではと予測しています。

オフィスに行こうと思うか?という問いには、
公共交通機関を利用して、
誰が触ったかわからないオフィスビルのドアやエレベーターのボタン、エスカレーターの手すりを触り、
複数の人が集まり、衛生環境が十分に整っているか不明なオフィスに行きたいかという、
複数の課題が含まれています。YESという答えを導く難しさを表しています。

もう一つの記事の紹介をします。
こちらはアメリカの人事部というコーナーで、榊原 将さんが書かれていた記事です。

今回のコロナ騒動で、ポスト・コロナの職場環境は確実に変化したのではないか。
オフィスに戻る際には、以下の実施を検討する必要がある。
(1)社内で取り組む安全基準の通知・安全で健康な職場を提供する措置
(2)出社する必要がある職種と必要のない職種の分類・出社を認める従業員数を限定
(3)出社する必要がある従業員への理由説明と通知
(4)社内のデスクの配置を含む、執務環境の見直し・感染を防ぐための環境調整
(5)出張規定やその他、ポリシーの見直し・COVID-19の影響で改定すべきポリシーの見直し

また、今後は在宅勤務の希望があることを前提をして企業運営体制を検討する必要がある。短期的な観点からからは、①従業員のトレーニング、②評価制度、③コミュニケーション方法
これらに関わるポリシーや方法は、これまでとは異なる運用方法を検討する必要が出てくる。また従業員に求められるスキルも変わってくる。

中長期的な観点からからは、在宅勤務をオファーする企業が増加することで、人材確保はさらに競争が激しくなる。併せて、遠隔地で在宅勤務を行う従業員を雇用するにあたり、以下を検討する必要が伴う。
・1か所に集まることを前提としたベネフィットの見直しを検討
・候補者の就労場所における法律や法令の把握
・雇用条件等のケースバイケース対応の増加

オフィスの環境ばかりに目が行きがちでしたが、職場環境が変化すると、ポリシー改定で人事部の関連業務が増大するのですね。

今回引用したのは、すべてニューヨークの記事ですが、日本での組織運営にも共通する部分があるのではないでしょうか。
これらの記事を読んで、時代の変化の渦の中にいることを実感しました。
職場環境が整ったあとは、企業カルチャーの維持に焦点が移っていくのではないかと、私は予測しています。

日系企業は、未だ年齢や性別を重要視した求人が多く見られるので、在宅勤務の広がりと共に、ダイバーシティが進むことを期待しています。
また、コロナの感染拡大で働き方が変化し、人々が人生観や仕事観について考えるきっかけになっているのを感じます。これからも日本の企業がどの様に変化していくのか見ていきたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは、また。



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