サトコ(39)

鹿児島での学生時代も、東京でうまくいかなかった時期も、パリを謳歌していた頃も、結婚して…

サトコ(39)

鹿児島での学生時代も、東京でうまくいかなかった時期も、パリを謳歌していた頃も、結婚して母親になった今も、"考えること"と"考えたことを言葉にすること"が三度の飯と同じくらい好きです。主に日本語トレーナー、娘のクリエイティブディレクター補佐そして散文家とかしてます。

最近の記事

バイリンガルのアタマのナカ

気がつけば、一年近く放置していたnote。と言っても、他人の投稿は読み漁っていたんですよ、だから放置というより沈黙期間が300日強ってことで、まずは言い訳、いってみよー!(ドリフ調で) 本当はですね、書きたいことは山ほどあるんですよ。もうnoteのタイトルだけなら、エッセイ集3冊くらい出せそうなほど。でもですね、その山ほどあるネタひとつひとつ、これでもかーってほど深く掘り起こしたいものだから、なかなか書き出せない、もしくは書き出しても気にいるオチまで到着できないの繰り返しで

    • いまさら 、クリスマスプレゼントに悩むあなたへ(というか、私へ)

      プレゼント、またの名をギフト、あるいは贈り物。どれもこれも、なんて美しい響きでしょう。でも実のところ、プレゼントってかなりの厄介もの。というのも、プレゼントって贈るほうももらうほうも無意識に期待し過ぎてしまうことありません?で、開けてみたら「アレ?ちょっと期待はずれかも?」なんてこと、なきにしもあらず。あぁ、プレゼント恐ろしや。 いやいや、そもそも勝手に期待する方が悪いって?あげたいからあげるだけでしょって?プレゼントをくれるその気持ちだけで嬉しいじゃないって?期待はずれな

      • 生まれたときのまま死んでいく私。(選択的夫婦別姓制度について)

        2015年5月のある土曜日。パリで観光客は避けた方がいい区として有名な19区の区役所に、私の親族5名は留袖、紋付袴、それに大島紬という、雅やかな姿で現れました。ちなみに主役(新婦)の私は、コットンレースのミニワンピース、しかも手作り。うん、ほぼ普段着。 フランスで結婚する場合、住んでいる町の役所で承認結婚宣誓式をあげることが、日本でいう婚姻届を提出する、にあたります。その場に結婚する本人たちとそれぞれの証人最低1名ずつ出席すれば、結婚は成立。でも、私が参列した式は、親族や友

        • 音楽オタク的英才教育

          "娘のクリエイティブディレクター補佐"という肩書きで、日々、努力を惜しまずに素敵な娘づくり(子育て)に励んでいる私。 目にするもの、耳にするもの、触れるもの。娘のためになにかを選ぶときは、これは彼女の五感に響くかな、感性が育つかな、とまず考えてしまう、もう職業病です。 もちろん「ほら、素敵でしょ? 心の琴線に触れるでしょ? 娘、気に入ったでしょ?」なんて押し付けるつもりはないけれど、やっぱり反応が薄いと残念だし、やってあげたいけど経済的、時間的にできないことも多く、理想と

        バイリンガルのアタマのナカ

          「ノート スキ 知らない人」で検索したら、大学生になりたくなった話

          noteを始めて2週間ほど経ち、脳内に溜まっていたひとり言を、ここであたかも死活問題かのように大袈裟に書き散らすことに妙なやり甲斐を感じてしまっている、今日この頃。 おかげさまで、知人にも他人にも私ごときの駄文を読んでもらえているようで、大変恐縮…はい、見え透いた謙遜です、すみません。だってさ、恐れて縮むって、身も縮まるほどに恐れ入るって、ありがたやありがたやって頭を地面に擦りつけろとでも言う気ですか?私は首切りを免れた罪人かなにかですか? というのは冗談で。 私、最近

          「ノート スキ 知らない人」で検索したら、大学生になりたくなった話

          親の器、なんてものがあるなら

          独り身のころ、やりたいことのために最初に犠牲にすべきは睡眠時間でした。働いて自由に使えるお金が増えた、一人暮らしで親の目も気にならない、体力なら有り余るほどある。なにが足りない?時間が足りない! パリに暮らしはじめてからは、国籍性別関係なくただ人に出会えることが刺激的で、話すのが楽しくて、お酒もおいしくて(?)、夜な夜な遊び倒したあと、仮眠3〜4時間で仕事に行くなんてことも日常茶飯事でした。それこそ眠るのがもったいない、そんな毎日。 若かったからあんな無茶ができた、という

          親の器、なんてものがあるなら

          石の女王、あらわる。

          アナと雪の女王の狂気的なブームが一段落した頃、なおかつシリーズ2が発表される前に生まれた娘は、その存在を知らぬまま育ちました。 そもそも、我が家にはテレビもないし、今のところディズニーの存在も教えてないし(隠すつもりもないけど)、本人は同じほ乳類でもプリンセスよりもオオカミに親近感と憧れを抱いているらしいし。 そんな娘がアナ雪を完全黙殺して生きていることに、親として驚きはありません。なんなら、巷にはびこるアナ雪ビジネスを真っ向から否定(スルー)する、その姿が眩しいぜ。 こ

          石の女王、あらわる。

          フランス語と結婚して、元カノ(日本語)と絶賛浮気中。

          フランス語と真剣に付き合いだしたのは、渡仏を決める1年ほど前。それ以前は、好きな映画や音楽、ファッションのなかに存在する、憧れでしかなかったこの言語とこんな関係になるなんて、思ってもいませんでした。 あれから10数年…(綾小路きみまろ風に) 私、フランス語に恋してます。 フランスに暮らしている人間がフランス語に恋してるなんて、結婚相手に恋してますって言ってるようで、少し変な表現かもしれません。しかも、在仏10年超えの私なんて、新婚(新参者)でもあるまいし、フランス語の嫌

          フランス語と結婚して、元カノ(日本語)と絶賛浮気中。

          みそ汁が好きだと言われて、嬉しいような哀しいような、そんな話。

          娘3歳半、一番好きな食べ物は豆腐と大根のみそ汁だそうです。素晴らしいことです。でも、彼女にとっての好物とは、きっとあなたが考えてるものとは少し違うということを、先に断っておかねばなりません。 日本人の私とフランス人の夫、そしてそこに生まれてきた娘はハーフ?いや、ダブル?あれ、ミックス?(ハーフ云々については、また別の機会に話すとして)とにかく、私と夫の子。そして、私たち家族が暮らすのは、南フランスの片田舎。 生まれてから娘が日本に滞在したのは計2ヶ月もなく、そのうち半分はま

          みそ汁が好きだと言われて、嬉しいような哀しいような、そんな話。

          フランスは、既婚でも未婚でも独身でもない人で溢れている。

          「フランス人は結婚しない!結婚なんて興味なし!愛の国、バンザイ!」 みたいな記事を見かけることが度々あります。もしかしたら、私も昔に書いたことがあるかもしれません。でも、これって大ウソ、前言撤回させていただかなければ!だって、結婚したがってるフランス人、結構、普通にいるいる。ただフランス人にとって、結婚は"しなければならないもの"とか"するべきもの"ではなく、恋人との関係において、ひとつのオプション(選択肢)にすぎないのは確かです。 フランス語で、独身に値するcélibat

          フランスは、既婚でも未婚でも独身でもない人で溢れている。

          文化人のタマゴ

          先月、ワールドオペラデーなるイベントでモンペリエ(フランス)のオペラ座見学にいってきました。この日は、オペラ座を年齢制限なしで無料開放ということで、3歳半の娘はオペラ座デビュー(見学だけだけど)。 「私、この週末はオペラにいくのよ」 予定の数日前から、それがなんなのかわからずとも、ただ"オペラ"という新しく覚えた言葉を使いたくて仕方がない娘。我が家では、こういうとき、できるだけ事前情報を与えないようにします。新しい言葉との出会いを他の言葉で邪魔したくない、オペラという言葉を

          文化人のタマゴ

          もったいない人、その1

          たとえば、私の知人。彼は正しい人。そして優しい人。 私があーでもないこーでもないと世の中について熱く語っているとき、上手くいかないことを愚痴っているとき、彼はまさに正論で答えてくれます。あるいは優しさ故の厳しい言葉をくれます。そして、私は思うんです。 「おっしゃるとおり、だけど…なんかヤダ!」 納得いかない、認めたくない、聞く耳もちあわせてない。彼の言葉に身体が拒否反応を示すのはなぜ? それは、きっとタイミング。 彼が正しいことを言うとき、私はすでに興奮マックスで、

          もったいない人、その1

          はじめまして。クリエイティブディレクター補佐のサトコ(39)です。

          わー、仕事以外でパソコンに向かって書いているなんて、何年ぶりだろう。緊張しすぎて、キーボードを叩く指がふわふわ上滑りしています。 昔は、ブログやSNSで惜しげもなく(恥ずかしげもなく?)自分の脳内をさらけだしていたのに、結婚して、娘が生まれて、と家族が増えるたび、なんとなく自分の言葉が自分だけのものじゃないような気がして、この一言への責任とかそういうことを考えていたら、もう発言(アウトプット)するのが億劫になってしまって。 実際問題、自分だけの時間も少なくなったし、普通に

          はじめまして。クリエイティブディレクター補佐のサトコ(39)です。