フランス語と結婚して、元カノ(日本語)と絶賛浮気中。
フランス語と真剣に付き合いだしたのは、渡仏を決める1年ほど前。それ以前は、好きな映画や音楽、ファッションのなかに存在する、憧れでしかなかったこの言語とこんな関係になるなんて、思ってもいませんでした。
あれから10数年…(綾小路きみまろ風に)
私、フランス語に恋してます。
フランスに暮らしている人間がフランス語に恋してるなんて、結婚相手に恋してますって言ってるようで、少し変な表現かもしれません。しかも、在仏10年超えの私なんて、新婚(新参者)でもあるまいし、フランス語の嫌なところ、ダメなところも熟知しているつもりです。
それでも、やっぱり好き。あなた(フランス語)なしじゃ生きていけないわ。
パリに暮らしていたころは、未熟ながらも通訳、映像翻訳など結構大きな仕事もさせてもらって、フランス語をものにした、とまではいかなくても、かなりの相思相愛、蜜月関係だったと思います。
あのコが現れるまでは…。
それは、私がフランス語に出会う前まで、というか生まれたときから一心同体の元カノ(日本語)ちゃん。※"言語"はフランス語では女性名詞なので、気分は元カレではなく元カノなんです。
在仏歴が長くなるほど、なぜかふと恋しくなる。結婚相手(フランス語)とわかり合えず、イライラする私の気持ちも悟ってくれる。遠く離れてから気付く、あの凛とした美しさ。
娘が生まれてからは特に、フランスに来てからこんなに日本語使ったことあるかな?って調子で喋ってるし、娘の絵本の日本語がこれまた、沁みて沁みてしかたない。
あぁ、元カノ(日本語)って、こんなに魅力的だったのね!気付かなかった私、バカ!
というわけで、フランス語と結婚した私は、ただいま日本語という元カノと絶賛浮気中。
不謹慎かもしれませんが、結婚しなければ(フランス語に出会わなければ)元カノ(日本語)の魅力に気付くことはなかったし、どちらも好きなことには変わりないし、そもそも人ではなく言語の話だし、この関係をやめるつもりは毛頭ありません。それどころか、ある日突然、別の言語に一目惚れなんてことありえる、かなりありえる。
言語習得はある意味、一夫多妻制。縛られることなく、気になるコ(言語)がある方は、どうぞ積極的に声をかけてみる(習い始める)ことをオススメします。
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