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見えていないものがたくさんある

職場のすぐ近くにある松本清張記念館。
そこの広報誌が職場にも届く。
先日届いて職場で回覧されていた特集号には、令和5年度中高生感想文コンクールの紹介がされていた。

最優秀賞は、神奈川の支援学校中等部の子の感想文で、「耕作の生きざまに学ぶ幸福のかたち~「或る『小倉日記』伝」を読んで~」というものだった。

私は松本清張は2作くらいしか読んだことなくて、「或る『小倉日記』伝」は読んでいない。
Amazonの紹介によると、身体が不自由で孤独な一青年(耕作)が、小倉在住時代の鴎外を追求する話で、芥川賞受賞作らしい。

感想文の最優秀賞を受賞した生徒さんは、自閉症で話すことはできないそう。

感想文には、
「僕は障がいがあっても心の中にはたくさんの言葉や豊かな世界を持っていた。そしてその世界はいつも世の中への興味や未来への情熱で溢れていた。」

「僕自身も日々劣等感や孤独感と向き合いながらも陰で毎日かかさず勉強し、話し言葉では表現出来ない溢れる思いを毎日文章で綴り、僕も何か人の役に立てる存在になりたいという目標を秘かに持っていた」
ということが書かれていた。

感想文を読んで、障害っていったい何なんだろうなと思った。

障害者とか自閉症とか、言葉のイメージに捉われて、見えなくなっているもの、目を背けてしまっているものがたくさんある気がする。
そうやって、埋もれてしまっている才能や個性が、世の中にはたくさんあるんだろうと思う。

目の前のその人自身と、ちゃんと向き合えるようでありたい。

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