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失恋から始めるわたしのはじめかた⑨

~ここまでの流れ~
6年前の26歳。W失恋で自分を見失ったわたしは心理学に出会った。色々なことがあり神経症っぽくなり実家へいったん帰るが、自分がどうしたいのか改めて考え直し、臨床心理士の大学院受験をしようと考えている。

前回の記事↓

さて、前回の記事の最後で「臨床心理士の大学院受験しようと決心がついた。」と書いたが、読み直してみると、ちょっとカッコつけた終わり方にしてしまったな…と恥ずかしくなっている。医学部受験を断念した時に、じゃあカウンセラーの道に進みたいと思ったのは確かだが、いろいろと本を読んでいた私は臨床心理士だけが道ではないとも思っていた。人に寄り添い話を聞く仕事はほかにもいろいろあるからだ。

ただ、ちゃんと勉強をしてみたいと思っていた。しっかり心理の知識をつけてみたい、と。
そのためには大学院に入り、二年間心理について学び、そのあと臨床心理士の資格受験という明確な目標に向かえるというのは、私にとって一番学びやすい方法なんじゃないかな、と思っていた。

それと、大学院に入ると言えば、うちの学歴主義の親がそこまで反対しないと考えられるので、スムーズにカウンセラーの道に進める可能性が高い。もう親元を離れているとはいえ、今まで親が引いてくれたレールの上に居続けていることには間違えがない。そのため、そこから外れるには、親をそれなりの納得させる理由が必要なのだ。

さて、そんなわけで、大学院受験が一番いい選択だと本格的に考え始めたわけだが、これまで中学受験と大学受験をしたり資格試験を受けてきて、受験勉強の仕方は知っているとはいえ、大学院のお受験となるとまた別の話だ。

だって、研究計画書を出さなきゃいけないのだ…!

私は研究のの字もわからなかった。
大学の卒論は書いたが、研究室の修士の先輩(めちゃくちゃ優しくて優秀)についてなんとなくまとめただけ。大学生の時、卒業して大学院に進み、これから研究をするんだと意気込んでいた同級生のことは頭の構造が違う人間だと思って崇めていたし、自分がなにか研究するなんて考えたことがなかった。

でも、人の心理を研究するのはおもしろそうだと思った。

特に興味を持ったのは『芝居の上手い人とそうでない人はどのようなパーソナリティの違いがあるのか』ということだった。

これを研究すれば、自分が芝居上手くなるし、苦手な研究も頑張れそう!しかもめっちゃ(興味を持つ人は少ないけど)面白い研究になりそう!と思った。しかし、そんなマニアックなことを研究テーマにしていいんだろうか。院受験の面接で「それだったら演劇学科へ行けば?」とか言われるんじゃないか…

うーん。分からないことだらけだ。
四谷学院の通信講座を修了しただけの私ではとても何かができる気がしなかった。

そこで、一体みんなどうやって研究計画書を書いているんだ、と思ってネットで調べると、某有名予備校K塾の名前が飛び込んできた。

K塾といったら、もう、私なんか小学生からお世話になっている老舗の塾だ。お受験と言ったら的なところあるよね。そんな信頼のおける塾に、医学部学士編入コースと同じくらいの規模で心理系大学院コースがあった。

え、そんなすごい受験なの?

最初の感想だった。

色んな大学院がある中、心理系大学院が一つの大きいジャンルとして河合塾の受験コースに組み込まれていることに驚いた。医学部受験をあきらめたばかりなのに、それともしかしたら同じくらいの規模の受験をしようとしているらしい。

え…いいじゃん、心理系大学院受験。

私の浅ましいミーハー心が完全にくすぐられた。自慢できる受験だわ。浅ましい。本当に浅ましいが、そういう気持ちだった。どうしてもそう考えてしまう自分に何度嫌悪したかわからないが、まぁ、どうしようもない。それがその時の私自身だ。

そして、なんとその翌週、K塾名古屋校で「心理系大学院受験の合格者座談会」が開催されることを知った!

まじか。名古屋で?!来週?!
とにかく即申し込んで、話を聞いてみよう!

こんなに都合よく手に届く範囲で情報が入手出来てその道に進めることに何か運命的なものを感じ始めていた。しかし、当時神経症っぽくなってしまっていた私はテンションが上がると動機が激しくなる…。ハア、ハア。

ハアハアしながら座談会に行った(笑)

やる気があるため結構早めに到着し、ちょっと遠慮して前から3番目の真ん中の席に座ったら、後から来た他の人達はもっと後ろの席に座った。そのため、一人だけめっちゃやる気ある人みたい浮いてしまった(笑)。

動機は激しく、のどは乾く。10秒に一回くらいペットボトルに口をつける。
心理の仕事に就こうと思っているのに、自分のメンタルがまずコントロールできてない。こんな状態で勉強できるだろうか…。自分がひどく場違いな場所に来てしまったような気がしてまた動悸が激しくなる。

もうやだ、帰りたい。でももう座ってしまったし動けない。泣。思い出すと動悸がする…。

久しぶりに入る塾の涼しく賢い雰囲気にドキドキはあはあしながら始まるのを待っていたら、

「はいっ。みなさん、こんにちはー!」

と明るい塾講師がやってきた。

その後私の恩師となる M先生 だ。
(おまたせしましたー--!!)

M先生の最初のイメージは、おお、カリスマ塾講師!!という感じだった。わかりやすい説明、わかりやすい板書(絵がめっちゃかわいい)、この人についていえば大丈夫だと思わせる安心できる雰囲気。そして、カラッとした笑い方が特徴的なベビーフェイス👶🏻の優しそうな先生だなあと思った。

多分この時少しだけ授業をしてくださったと思うのですが、それがめちゃくちゃわかりやすくて感動した!M先生はいつも身近なことに置き換えて心理学を教えてくれる。私は暗記よりも理解の方が得意なため、先生の説明を聞くと実感をもって理解できて記憶に残りやすかった。

多分、私の頭の構造と相性が良かったんだと思う。

また、先生が書かれている本を休憩時間に見ることができ、パラパラと読んでいたのだが、それがまたあまりにもわかりやすすぎて(絵もかわいい)感動した。

先生の話を聞いていると話が面白いので集中して聞いてしまって、はぁはぁする動悸も気づけば収まっていた。

あれ?なんか(いい意味で)ドキドキしないぞ…。👀

最近テンションが上がるとはぁはぁするのに、あれ?なんで?いま普通に楽しいし、頭に知識が入ってくる…!

不安がなくなると動機って収まるもの。先生の話を聞いてるとちゃんと知識が頭に入っていくから不安が収まったんだと思う。

私はその時、なんかすごい安心してしまったし、ここに通うのが日常になるのがすごく楽しみになったし、何よりここで勉強してる私がすごく想像がついた。

この人に心理学教えてもらえるなら、高いお金払っても塾通う意味あるな…。
純粋にそう思える先生に出会えて本当に良かったなと思う。名古屋にいてよかった。

座談会が終わった後、相談タイムがあったため、M先生に気になっていたことを聞いてみた。

「臨床検査技師をしていて働きながら勉強したいです。心理学はほぼ学んだことがないのですが、社会人をしながら心理系大学院受験に合格できるんでしょうか?」

先生は、「受講生の中には看護師さんや社会人の受講生もちょこちょこいますよ。社会人で初学者でも、頑張って勉強して大学院受かっていった人はたくさんいますよ~^ ^。」とやさしく教えてくれた。

社会人で塾通い。
なんかその大人で子供なアンバランスな感じがその時の私にはしっくりきた。

M先生に会いに行ったことで、大学院を受験する事にいよいよ実感を持って決心がついた。

その後、K塾へ行って、すっごくかわいい事務員さん(しかもちゃんと叱ってくれる。かわいいのに厳しい最高。)にコースの案内の説明をしてもらって、すぐにK塾に通うことになった。
26歳・社会人予備校生の誕生である^^

座談会の帰りの足取りは軽く、新しいことを始めるワクワク感で羽が生えたような気持ちで名古屋駅をふわふわと歩いた。

ここから、わたしがはじまるんだな。
と、そう思ってニコッとした。

≪⑩へ続く≫

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M先生に、この前、6年前合格者座談会でハアハアして一人前の方に座って説明を聞いていた私を覚えているかと聞いたところ、座談会にいたことは覚えてたけど、はぁはぁしてたことは気付かれてなかった!😂👏よかったー-----!!

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