短編小説 2月4日 ~After the orge’s day~

2月4日の日記       3年2組 佐伯はじめ

ぼくは、学校に行く時、プラスチックゴミの日だったので、ママにたのまれて、ゴミぶくろを捨てにゴミ捨て場に行きました。
そこで、ぼくは鬼に会いました。

鬼はぼくのお父さんよりも大きくて、肌が赤紫色をしていて、体は全部短い毛で毛むくじゃらでした。

とても怖い気持ちになりました。

肌にはたくさんの豆がめり込んでて、いくつかの豆からは血が出ていました。鬼は裸ですごく寒そうで、ガタガタ震えています。

鬼はぼくのことを怖がってるようでした。

鬼は話だしました。
「ぶたないで、忘れ物を取りにきただけなんだ。すぐ帰るから。」
鬼は大きかったけれども、少し怖かったけれども、鬼はぼくを怖がっていたから、怖くなくなりました。
「ぶたないよ。意味がわからない。忘れ物って何?」
「金棒だよ。」
「金棒かい!」
この時、少し鬼への怖さが戻ってきました。
「金棒を何に使うの?」
「何にも使わないよ。」
「じゃあなんで持ってるの?」
「学校でもらったんだよ」
「学校って鬼に学校があるの?」
「君の学校だよ。」
「なんで僕の学校が君に金棒をあげるのさ。」
「知らないよ。2月3日の晩に金棒持って君の家に行けばご馳走してくれるって聞いたんだよ。」
「そうなの?それは知らなかった。」
「そしたら豆を投げつけてきたんだ。毎年そうだ。」
ぼくはおかしくてその時笑いました。
「なんで2月3日にくるんだよ!他の日だったら投げたりしないよ!他の日に来たら良かったじゃないか。」
「そうか。でも、もういいや。」
「なんでもういいんだよ。ママに頼んでおくよ。」
「2月3日が人間の世界に行く日なんだよ。」
「別に他の日だってこれないわけじゃないだろ?」
「そうだけど、いいんだ。2月3日以外はそういう日じゃないから。」
鬼はそう言うと、忘れ物はあきらめて、歩いて帰って行きました。
ぼくは鬼が歩いている背中に向かって、

「どうしてぼくたちは君に豆を投げないといけないのかな?」
鬼がそんなの知らないよ。と言ったのがせなかのから聞こえました。
ぼくはプラスチックゴミを捨てて、学校へ向かいました。

それから、今日初めて、道に鬼がたくさんたおれていたことを知りました。
鬼は2月5日になると全然いなくなっていました。

先生チェック:
はじめくん、とても面白いお話だね。
でも「鬼」はまだ習ってない漢字だから使わないでね。
鬼さんはとても大変そうだね。
先生はなんではじめくんたちが豆を鬼さんに投げるかを知ってるよ。
昔、鬼さんは地震を起こしたり、雷を起こしたり、人の迷惑になることをしたんだ。
だから、鬼に❌ゲームをしてるんだよね。
はじめくんも知ってると思うけど、ものを盗んだらたいほされてバツをうけるだろ。
それと同じように鬼は鬼だからバツをうけるんだ。

でも鬼もずっとかわいそうな目にあってきたわけだからね。

でも鬼はもう必要ないんだ。
今は鬼の代わりがいるからね。



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