エッセイ:小説の曖昧な境目
私が官能小説、もっと言うとジュブナイルポルノ小説という物に触れたのは、恐らく高校生頃だっただろうか。中古本を取り扱っていた書店の隅で、平たく本が敷き詰められたワゴンの中に、それはあった。子供の目には人目見ただけではそれと分からない、綺麗なイラストの描かれた表紙だった。モデル顔負けの美しい肢体に、それを包むシンプルでタイトな衣装。今思えば、当時のライトノベルやその表紙のデザインを考えると、可愛らしい女性が描かれているシンプルなものでありながら、それなりに扇情的なビジュアルの表紙