見出し画像

あなたは知らないうちに挫折しているかもしれない。挫折から上手に立ち直る方法

前々回の記事では「モチベーション」「やる気」について解説しました。

そして前回の記事ではその「モチベーション」「やる気」(「エフィカシー」の一部)を下げてしまう「ドリームキラー」について解説しました。

今回は自分のエフィカシーを下げるもう一つの要因である「ゴール達成の挫折」について説明します。

おさらいとして、自分のエフィカシーを下げてしまう大きな要因は二つあります。

1.ドリームキラー(Dream killer)が存在している
2.ゴール達成の挫折

一つ目の「ドリームキラーの存在」は自分のゴール達成を阻もうとする「人」が目の前に現れるので気付きやすいのですが、「ゴール達成の挫折」は気付かないうちに挫折していることがあるので、より注意深く自分の日常を観察する必要があります。

「ゴール達成の挫折」とは、ゴールを達成し損なったり、途中のプロセスの中で失敗をした時に、ゴール達成を自分の中で諦めてしまうことを言います。
「挫折」とは仕事や計画などが、途中で失敗しだめになること。また、そのために意欲・気力をなくすこと。(デジタル大辞泉より)

先ほど「気付かないうちに挫折している」と書きましたが、そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、実はこれはとても多いのです。

例えば受験勉強のように「〇〇大学に合格する」というゴールに対して、試験で落ちてしまった時は、一時的に落ち込むかもしれませんが、一回で成功することの方が少ないのでゴールを変えさえしなければ、ダメだった部分を見直し、また1年頑張ろうという気持ちに戻すことができます。

ところが「〇〇大学に合格する」というゴールを設定していて、〇〇大学には落ちてしまったけど、第二希望の△△大学には受かったとします。「第一希望ではないものの、第二希望の大学だし、もう一年浪人するのは親にも迷惑かけるし、△△大学でも良いか」と考え第二希望の大学に入学したとします。

こうなるとどうでしょうか?少し微妙になってきませんか?
第一希望の〇〇大学には落ちたという出来事を、第二希望に受かったからまあ良いかとして、特に落ちたという出来事に対しては何も処置をしないまま放っておいています。
これは少し危険で「自分はゴール達成できず、妥協した」というセルフイメージが残ってしまう可能性があります。

エフィカシーとは「ゴールを達成する自己能力の自己評価」ですから、この1回の出来事だけのことではなく、その後も自分の能力に対して疑いを持つ可能性があります。

自分は「たった一人も助けられないのか?」

私の経験ですが、私の仕事のゴールは「障害者や高齢者、子育て中のお母さんであったとしても、社会の中で役割を持つことができ、仕事を通じてやりがいを持つことができるインクルーシブな社会を作る」です。

以前、私と一緒に働いている障害者の男性がいました。彼は前の職場で強いストレスを受け精神障害を患いました。しかしとても優秀で素直な人だったので、私は「まさにこういう人こそ活躍できる社会にすべきだ」と思い、彼が仕事で活躍できるように彼がやりたい仕事を渡し、期待をかけていました。

ところがある日突然、会社に来れなくなり、詳細は書けませんがそのまま退職することになってしまいました。当時私も経験が浅かったので彼に対しての対応であまり上手く対応できていないことがありましたが、その時はそれが何なのか分かっていませんでした。この時、私はショックを受けたのですが、仕事も忙しかったし、他にもたくさんのスタッフがいたので、それ以上深く考えることはやめてしまいました。

ところがそれから数か月して私は自分が仕事に対してやる気を失っていることに気が付きました。これまでのように仕事への意欲が無くなり、思考もネガティブになり、何かにつけてイライラし始めました。

私はそんな状態になっている自分に「なんでこんな気持ちになってるんだ?」と不思議に思いました。そしてこの数か月の出来事を思い出しているうちに、退職した彼のことを思い出しました。その時に私は自分が「ゴール達成に挫折」していたことに気付いたのです。

私は彼のような人を活かせる社会を作りたいと考えていたのに、それを失敗してしまったことを本心ではとても悔しく思っていました。「自分はたった一人も救えないのか?」という感情が自分の本音でした。ところがそれに対して私は何の対処もしなかったため、「ゴール達成の挫折」を放置してしまい、自分のエフィカシーを著しく下げたのです。

ゴール達成を挫折した時の対処方法

ゴール達成を挫折してしまった時にやらなければいけない対応は2つです。

1.失敗した要因を分析して、その部分を強化する

2.新たにwant toでゴールを設定し直す

先の大学受験の例でいえば、一つ目は自分が〇〇大学に落ちたことをしっかり分析して、何が良くなかったのか、次回はどうすれば良いのかを分析し、その良くなかった部分を自分でさらに強化する方法を考え実行します。

これは本質的に何をしているかというと、失敗による感情は情動を司る脳の中の扁桃体で感じています。

情動(emotion)とは怒り、恐れ、喜び、悲しみなど、比較的急速に引き起こされた一時的で急激な感情の動きのこと

この情動が優位に働いているときは気持ちをコントロールすることができません。そこでこの情動を前頭前野を使って分析するのです。そうすることによって気持ちを自分でコントロールする能力が回復し、自分のエフィカシーを下げることを防ぐことができます。(要は失敗したのではなく「これだと上手くいかないことが分かった」と一つのパターンを理解したという感じ)

そして冷静に分析できた後に、大学受験のさらに先のゴールを設定し直すことで、そのゴールに向けてエフィカシーを下げずに再びスタートをすることがで切るのです。

ぜひ皆さんも自分が「ゴール達成の挫折」をした時には冷静に失敗要因を分析し、その部分を強化して、気持ちを新たにゴールに向けて進んでください!!

※コーチングのご依頼はTwitterよりメッセージください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?