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comfy double face ④

私はLINEにしろ、インスタの不特定多数への文章にしろ、相手がいる状態でのテキストに起こす作業を慎重にしてしまう。

それが返信だったら、相手からの文章をしっかり読み込み、どういうニュアンスだとうまく伝わるか、ここの語順を変えた方が伝えたいことを強調できるんじゃないか、接続詞のチョイスミスで伝わり辛くなってないだろうか、、。
嘘はつきたくないし、間違った伝わり方はして欲しくない。チョイスミスや語順、接続詞の間違いでよからぬ意味になったりもしてしまう。
送った後も何度か読み返してしまう。
そんな心配性で気を遣い過ぎてしまう性格が嫌だった。


ただ最近読んだ本で“与格"というワードに出会った。
与格とは、自分を主体とする主格的な表現ではなく、例えば「嬉しい」という表現でも「私に嬉しさが留まっている」のようにどこから、どうして湧き上がったか分からない感情や思考に対して、外部から、もしくはもっと高次元から、自分の元に届いて、それが自分の中に留まっている、というような表現の仕方をする。

それを踏まえて、私の言葉に対する慎重さや相手への気遣いは、「言葉を大切にする」「しっかり相手に伝えたい」という感情が私に留まっているという与格的なものなのかもしれないと思える。
好きでバカ丁寧に文章を綴っているわけではない。それで気を揉んで疲れたりもして、嫌になったこともある。
与格的なものとして捉えると一種の宿命なのかもと思える。

綺麗なものを見た時、美味しいものを食べた時、なぜか自分なりの表現で、丁寧に惜しみなく、誰かに感想を伝えたくなる。
その時のシチュエーションやそこに辿り着くまでの自分の感情の変化も含めて。
「言葉を大切にする」「しっかり相手に伝えたい」という感情が高次元から降りてきて、自分に留まっているものだとすれば、自分の中に留めておくだけじゃもったいない。
それが私の宿命だとするなら、その先にあるのは、その留まったものを誰かに伝えることだ。


そこで私は ZINE を作ってみようと思う。


めちゃくちゃ文章において気を揉んで、気疲れしてしまいますが、信頼する相手に対しては最近は力を抜くことが出来ます。
素直にその時思ったことを気を遣わずに、時には多少の皮肉や嫌味も含むこともあります。
でも、それでも信頼しているからこそ、その表現を使えて、さらにウィットに富んだ豊かな文章を綴れます。

信頼する方々、いつもありがとうございます。

与格っていうワードを見つけたのは、こちらの本です。
色々と縁があって読みましたが、与格ってワード以外にも気付きの多い本でした。お勧めです。

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