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『ザ・バットマン』公開記念!予習・復習に読みたい原作コミック5選

いよいよ3月11日、『ダークナイト・ライジング』以来10年ぶりのバットマン主演映画であるザ・バットマンが公開される。筆者は先日試写会にて一足先に観賞させて頂いたが、これまでの映画が描いてこなかった「世界最高の探偵」としてのバットマン像に焦点を当て、3時間近い上映時間を感じさせない濃密なバットマンワールドが展開されていた。コミック・アニメ、さらにはゲームの要素までもを取り入れ、自らファンを公言するマット・リーヴス監督だからこそ描くことのできた、まさしく『バットマン映画の模範解答』といって良い仕上がりの傑作である。

しかし、そんな本作にも1つだけ欠点が存在する。本作は確かに素晴らしい作品なのだが、その完成度の根幹を成すのは先述の通り原作の要素を散りばめたオタク的なディテールの細かさである。もちろん映画としてのクオリティは確かなのだが、これらの細かい要素を事前に把握していないと、本作を観た時に感じる「これぞ我々の求めたバットマン!」という感動を味わうことが難しくなってしまう。これは極めて勿体無いことだ。

そこで今回は、これまでバットマンのコミックを読んだことの無い方々に向け、編を鑑賞した筆者が「予習として読んでおくべき」と感じたコミックの中から5作品をセレクト。これさえ押さえておけば本作を200%楽しめること受け合いだ。是非この機会に原作コミックを読んで万全の体勢で映画を楽しんで頂くと共に、果てしない原作コミックの魅力に触れるきっかけとしてもらえれば幸いである。

なお、今回のセレクトにあたっては原作を読んだことのない皆様を対象としているため、
・『ザ・バットマン』の元ネタとなる要素があるか
・予備知識無しで楽しめるか
・話が続いておらず、単体で楽しめるか

を重視している。今回紹介する作品以外にも本作に関連する作品は沢山あるので、気になった方は是非他作品も手に取ってみて欲しい。

絶対に読んでおきたい!おすすめコミック5選

1. 『バットマン : イヤーワン

まずご紹介するのはこちら。バットマン史のみならずコミック史に残る名作、『バットマン : イヤーワン』だ。

舞台はまだバットマンが活動を開始する前のゴッサムシティ。腐敗し汚職が蔓延するゴッサム市警に、シカゴから1人の刑事がやって来た。男の名はゴードン。後にゴッサム市警本部長となり、バットマンの良き理解者となる男である。一方時を同じくして、ゴッサム空港には12年に及ぶ外遊を経て故郷へと帰ってきた大富豪ブルース・ウェインの姿があった…

誰もが知るバットマン誕生の秘密とその1年目の活躍が描かれる本作。ウォッチメンと並びアメコミ史を塗り替えた傑作ダークナイト・リターンズの作者であるフランク・ミラーが描くダークでシリアスなバットマン像は、その後のあらゆるバットマン作品の根幹として今なお不動の影響力を持つ。

本作を読む上で注目すべき予習ポイントはずばり、「作品全体の雰囲気そのもの」だ。開始早々いきなり大雑把だが、それほど本作の雰囲気はそのまま『ザ・バットマン』に反映されている。薄暗く彩度の低いビジュアルもそうだが、特に注目して欲しいのは本作がキャラクターのモノローグ、すなわち独白を中心に進行する点だ。これは作者フランク・ミラーの特徴でもあるのだが、この特徴は『ザ・バットマン』にもしっかり反映されている。また、細かい所ではキャットウーマンことセリーナ・カイルの服装にも注目して欲しい。本作における彼女の姿をよく覚えておくと、映画での彼女の姿を見た時に「あっ!」と思うこと間違いなしだ。デヴィッド・マッヅケッリの力強いアートと合わせ、ハードボイルドなバットマンを堪能して欲しい。

ちなみに本作には続編となる『イヤーツー』も収録されているが、こちらはその後「なかったこと」にされているので、お忙しいあなたは読み飛ばしてもOKだ。


2. 『バットマン : ロング・ハロウィーン

続いてご紹介するのは先述の『イヤーワン』の続編バットマン : ロング・ハロウィーンだ。先述の通り、イヤーワンには続編としてバットマンの活動2年目を描いた『イヤーツー』が存在するが、本作はそれを「なかったこと」とし、真の『イヤーツー』として制作された作品である。

バットマンが現れてから2年、街を牛耳るカーマイン・ファルコーネに対抗するため、バットマンはゴードン警部と地方検事ハービー・デントとの間で同盟を結んでいた。そんな中、ゴッサムには謎の殺人鬼「ホリデイ」が出現。祝日の度に犯行を繰り返すホリデイの正体とは?そして3人の同盟が迎える結末はいかに…

「世界最高の探偵」という異名を持つバットマンに相応しい本格ミステリーが展開される本作。ホリデイを巡る一連の事件だけでなく、ご存じ犯罪界の道化王子ジョーカーや、『ザ・バットマン』にも登場するリドラーなど、多彩なバットマンヴィランの活躍が見れるのも魅力の一つ。また、ハービー・デントを巡る一連の展開は映画『ダークナイト』のモデルとなっており、本作を読んでから観直すと明かな影響を感じられるに違いない。

そんな本作の予習ポイントはなんと言っても「カーマイン・ファルコーネ」だ。ゴッサムを裏で支配するマフィアの帝王である彼は本作において中心的な役割を担うことになるのだが、『ザ・バットマン』でもそれは変わらず、物語の鍵を握る存在となる。特に注目して欲しいのは彼とウェイン家の関係性。実は本作で描かれるファルコーネファミリーとウェイン家の秘められた過去は、なんと『ザ・バットマン』でそっくりそのまま採用されている。さらに映画に登場する彼のデザインは配役も含め、本作を極めて忠実に再現したものとなっている。本作での動向も含め、その再現度の高さを味わって欲しいと思う。


3. 『バットマン : ダークビクトリー

お次はこちら。先述のロング・ハロウィーン』の続編、『バットマン : ダークビクトリー』だ。

ゴッサムを震撼させたホリデイ事件から1年後、ゴッサムに再び連続殺人鬼が出現した。警察官ばかりを狙い、犯行現場にメッセージとして言葉当てゲーム「ハングマン」を残す犯人の目的とは?そしてバットマンの相棒ロビンが遂に登場する…

ロング・ハロウィーンの製作陣による直接的な続編。前作がバットマンの活動2〜3年目を描いたのに対し、こちらは4〜5年目を描いた作品となる。前作に引き続き脚本家としても活躍するジェフ・ローブの計算尽くされたライティングと、同じく計算尽くされた構図とお洒落なアートスタイルが魅力のティム・セイルのコンビが担当しており、前作と同じく高い完成度を誇る。このコンビはヒーローコミックにおいては黄金タッグで、マーベルではスパイダーマン : ブルーキャプテン・アメリカ : ホワイトなどを手掛けており、いずれも名作として知られている。

本作の予習ポイント「キャットウーマンとファルコーネの関係性」だ。前作でもファルコーネが事件に絡む度に顔を出していたキャットウーマンだが、何故ファミリーに執着していたのかは明かされていなかった。しかし本作ではその真相が本人の口から語られることとなる。そして重要なのは、この真実が『ザ・バットマン』にそのまま採用されているという点だ。この点を知った上で鑑賞すると、本作のセリーナの動きが理解しやすくなることだろう。本作とロング・ハロウィーンはキャットウーマンというキャラクターを理解する上でもおすすめの作品と言える。

ちなみに本作の中盤にて、キャットウーマンは一時的にローマへと旅立つのだが、その様子を描いたスピンオフとしてキャットウーマン : ホエン・イン・ローマという作品もある。今回のセレクトからは外れた作品だが、『ザ・バットマン』のヴィランであるリドラーも登場するので、興味のある方はこちらもチェックしてみてはいかがだろうか。


4. 『バットマン : アースワン

折り返して残り2作品。続いて紹介するのはバットマンの物語を新たな切り口で語り直した作品『バットマン : アースワン』だ。

元英国海兵隊員で、ソウルで民間警備会社を運営するアルフレッド・ペニーワースはかつての戦友トーマス・ウェインの屋敷に招待される。市長選を控えるトーマスは自身への殺害予告の一件を案じ、彼に家族の警護を求めたのだ。だがそんな彼の努力も虚しく、ウェイン夫妻は何者かに殺害されてしまう。自分が残された夫妻の一人息子ブルースの法定後見人に指定されていると知ったアルフレッドは彼に訓練を施すが…

最近日本でも知名度が高まってきたが、DCやマーベルには「マルチバース」という概念があり、メインの世界によく似たいくつもの並行世界が存在している。DCではこれを『アース-◯』という名称で区分しているが、本作はそんな並行世界のうち、『アース-1』におけるバットマンの誕生を描いた物語である(メインの世界はアース-0)

本作を含むアースワンシリーズの特徴はリアリティの追求にあり、キャラクターや世界観設定がより現実に即した形にアレンジされている。本作のバットマンは本編とは違い、体力的にも未熟で戦闘経験も浅い。ビルからビルへ飛び移ろうとして落下したり、ガジェットが壊れて動かなかったり、コウモリのスーツに身を包んだ等身大の人間として描かれている。そんな姿は『ザ・バットマン』のブルースに極めて近く、メインの世界と違いマスクからはっきりと目が見えている点など多くの共通点がある。価格を考慮しても映画前にどうしても一冊読んでおくならこちらをお薦めしたい。

そんな本作の予習ポイントだが、まずは『ペンギン』のキャラクター性を把握できる点だろう。本作のペンギンはかつてトーマス・ウェインと対立した現ゴッサム市長という設定なのだが、風貌だけでなく、狡猾なその性格は映画のペンギンに非常に近い。サディスティックな彼の魅力が確実に味わえる。

そしてもう一つ注目しておくべきなのが『ブルースの周辺人物』だ。例えば本作のアルフレッドはブルースに戦闘訓練を施した設定になっているのだが、これは『ザ・バットマン』でも同様の設定が組まれており、ブルースがアルフレッドにまだ完全に心を許していない2人の関係性も非常によく似ている。
さらに重要なのがブルースの母マーサの設定。本来マーサの旧姓はケインでバットウーマンことケイト・ケインの親類にあたるのだが、本作では彼女がアーカム家の人間と設定されている。そして彼女の家系にはある秘密があるのだが、映画ではこのアーカム家の一連の設定が完全にそのまま採用されており、本作が映画の原作になっていることは明白だ。この他にもブルースが社交の場に姿を現すシーン、及びそこでのペンギンとのやり取りなどは明らかに映画の元ネタとなっているので、ぜひチェックしてみて欲しい。

ちなみに本作の続編ではリドラーとキャットウーマンが登場し、ここでのリドラーもまた映画に近いリアルな人物造形が施されている。パラレルワールドの物語である本作だが、全体の完成度はトップクラスで疑いようのない大傑作なので、忘れずにチェックして頂きたい。


5. 『バットマン : ゼロイヤー

最後にご紹介するのは冒頭で取り上げた『イヤーワン』のリメイク作品、『バットマン : ゼロイヤー』だ。

ゴッサムシティを騒がす謎の集団レッドフードギャング。そんな彼等と敵対する男が一人。彼の名はブルース・ウェイン。数年間行方不明になっていた街の御曹司は今、確固たる使命を胸に再び姿を現した。彼がバットマンへと成長していく中、街にはリドラーの恐るべき計画が迫っている…

スーパーヒーローコミックスの歴史は古く、老舗であるDCコミックス社の起源は1935年に遡る。バットマンの登場から既に80年以上が経過しており、彼だけでなくDCユニバースの歴史は極めて複雑で素人が気軽に読めるものではなくなってしまっていた。そこでDCは2011年に『NEW 52 !』と称するイベントを実施。約75年に渡る歴史を全てリセットし、キャラクター達は全く新しい物語としてゼロから再始動することとなった。本作はそんなリセット後のバットマンの誕生の秘密が描かれた作品である。

本作の見どころにして予習ポイントとなるのは言うまでもなく『リドラー』の活躍だ。映画でもメインの悪役として登場する彼だが、本作のゴッサムは彼の壮大な計画によって支配され、「ゼロイヤー」と呼ばれるリドラーの帝国が築かれてしまう。本作の脚本を担当したスコット・スナイダーは小説家としても活躍しており、科学から歴史、はたまた哲学に至るまで幅広い知識に基づいた緻密な脚本が持ち味の作家。そんな彼の描くリドラーはありとあらゆる分野を網羅した天才として、バットマンと激しい頭脳戦を繰り広げる。

スナイダーには「どんなに馬鹿げた設定のキャラクターでもリアリティーのある設定と独自の哲学を持ったA級キャラにアレンジできる」才能がある。今回の『ザ・バットマン』ではゴッサムを津波が襲うシーンがあるのだが、本作でもゴッサムはリドラーによって水没しており、本作の今まで以上にリアルで頭脳派なリドラーは映画にも確実に影響を与えている。アーティストのグレッグ・カプロの筆致も冴わたる名作でリドラーの魅力を発見して欲しい。

番外編 : 映画の世界をさらに堪能できるコミック2選

ここまで映画公開前に必読のコミック5作品を紹介してきたが、バットマンの奥深さはまだまだこんなものではない。ここでは映画に備えてもう少し深掘りしたいというあなたに向けたコミックを2作品ご紹介。どちらも『ザ・バットマン』と関係が深い作品となっているので、鑑賞前に読んでおくとより深く映画を楽しめるかもしれない。

映画に影響を与えた作品 -  『バットマン : エゴ

最初にご紹介するのは、『ザ・バットマン』を監督したマット・リーヴスが制作に際して影響を受けたと語った作品『バットマン : エゴ』だ。本作は2016年に惜しまれつつもこの世を去ったアーティストダーウィン・クックが手がけたバットマン関連作品をまとめた作品集となっている。彼のアニメーション風のアートスタイルはシンプルながら雄弁で、筆者も彼の手がけた作品や画集を集めるほどの大ファンなのだが、本作はそんな彼のアートのみならず、そのストーリーテラーとしての実力も存分に堪能できる作品集となっている。

表題作のバットマン : エゴは、犯罪者を必要以上に追い詰めてしまったことを悔やむブルースの前にバットマンの人格が分裂して出現するというストーリーになっており、バットマンの本質を追求した作品となっている。本作は『ザ・バットマン』にも影響を与えており、監督のマット・リーヴスは映画に影響を与えた作品としてこれまで紹介してきたイヤーワンロング・ハロウィーンと並べて本作を挙げている。当該作品だけでなく全てが珠玉の一級品ばかりなので、本作をきっかけとして是非ダーウィン・クックの世界に触れて頂きたいと思う。収録作の中で個人的なお勧めはキャットウーマンが主人公の中編『キャットウーマン : セリーナズ・ビッグ・スコア』だ。ノワール調の物語に彼のアートスタイルがベストマッチしているので表題作と併せて要チェックだ。

映画の脚本家が手掛けた作品 - 『バットマン : インポスター

続いてご紹介するのは『ザ・バットマン』に参加した脚本家が手掛けた作品、『バットマン : インポスター』だ。

ブラックゲート刑務所から出所した犯罪者3名が何者かに殺害された。現場の防犯カメラに映っていたのは街を騒がせる自警団人「ザ・バットマン」の姿。事件を追うゴッサム市警のブレア・ウォンはバットマンの正体を探る過程で大富豪ブルース・ウェインと接触するが…

DCには「ブラックレーベル」という本編とは異なるオリジナル作品を出版するレーベルがあり、こちらはその中の一冊となる。このレーベルの特徴はメインの作品群よりも過激な内容(暴力や性描写等)や大人向けの内容が許されており、作家の個性を尊重した自由な作風が展開されるのが魅力。既にバットマン : ホワイトナイトバットマン : スリー・ジョーカーズなど数々の名作が生まれており、今後の動向に目が離せないDCの新たな看板部門だ。そして本作もその例に漏れず、かつてなく現実的でダークな、今までに見たことのないバットマンの活躍が描かれた作品となる。

本作の最大の特徴は『ザ・バットマン』の脚本に参加していたマットソン・トムリンが脚本を手掛けているという点。本作は映画制作の中で彼が抱いたいくつかのアイデアを元をDC編集部に直接売り込んだことから誕生した作品で、その意味では『ザ・バットマン』の姉妹編とも呼べる作品と言える。

本作のバットマンはとにかく現実的。「幼少期に両親を殺された少年が暴力的な自警団員になるとはどういうことか?」というテーマを限りなく追求しており、ブルースを含め多くのキャラクターが精神疾患やメンタルヘルスの問題を抱えたリアルな人物として描かれている。特徴的なのは彼に味方がほとんどいない点で、かつての理解者ゴードン警部は既に市警から追放されており、唯一の家族とも言えるアルフレッドはブルースの教育に手を焼きウェイン邸を去った設定となっている。そんな彼に近付く女性刑事ブレア・ウォンは本作のオリジナルキャラクターだが、正義感に溢れつつも等身大の女性として非常に魅力的なキャラとして描かれており、彼女との出会いがブルースにもたらす変化にも注目だ。

さらに本作は既存キャラクターのアレンジが抜群で、映画にも登場するペンギンをはじめ、多くのキャラクターが独自の解釈で描かれている。特に素晴らしいのがラットキャッチャーことオーティス・フラネガンで、映画ジョーカー』のアーサーのような人物として再定義されている。彼を通して描かれる格差や貧困の問題、そして彼の行く末は現代社会の欠陥を象徴する展開となっているが、物語のラストで彼にもたらされる救済には、作者マットソンの弱者への眼差しが表れているようで大変感動した。また、ベントリロクイストことアーノルド・ウェスカーの解釈も興味深く、既にバットマンをよく知る方々にも是非手に取って頂きたい作品だ。個人的には最近読んだ作品の中で一番の大傑作だと感じている。

アメコミ映画の通な楽しみ方『スペシャルサンクス』

というわけで、ここまで『ザ・バットマン』に向けて予習しておきたいコミック5選と、補足的に注目したい作品を2作品ご紹介させて頂いた。どの作品も映画と深い繋がりがあるだけでなく、バットマンコミック史に残る傑作の数々なので、どれか1作でも読んで頂けると映画をより楽しめるのではないかと思う。バットマンのコミック作品は日本でも不動の人気を誇り、近年では年間3〜4作品は邦訳版が発売されている。これをきっかけにそれらの作品にも是非触れて頂ければ幸いだ。

最後になるが、アメコミ映画のマニアックな楽しみ方として「スペシャルサンクスチェック」というものがある。それについて少し紹介させて欲しい。

アメコミ映画は基本、何か特定の1つの原作があるわけではなく、今回の映画のように複数の作品からインスピレーションを受けて制作されることが多い。そのためキャラクターの創作者に加えて、映画に影響を与えた作品群のクリエイター達がエンドロールの最後にスペシャルサンクスとして紹介されるのが決まりとなっている。アメコミは基本脚本とアートが分業体制で作られることもあり、スペシャルサンクスでは十数人の名が並ぶことが少なくないが、今回の『ザ・バットマン』ではキャラクターの歴史が長いこともあり、20人以上のクリエイターの名前が並ぶ豪華なものとなっている。そして今回紹介してきた一連の作品群のクリエイター達のほとんどがそこに名を連ねているのだ!

このスペシャルサンクスに目を光らせていると、「あ!あの人の名前がある!」と盛り上がれたり、「なるほど、この人の名前があるということはあの作品から影響を受けたのかな?」など、より多層的に映画を楽しむことができる。是非この機会にコミックを読み、クリエイターの名前を覚えてから劇場に向かって欲しい。きっと今まで以上に豊かなアメコミ映画体験があなたを待っていることだろう。それではまた…


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