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あなたが信じ込んでいる、英語に関するウソ⑦選

①英語習得には10年単位の時間がかかる。

大ウソです。

子どもは3,4年もあれば英語がペラペラになります。

第一言語と第二言語は違う!という主張はもっともですが、

大人であっても、海外留学の2,3年で十分話せるようにはなることがあります。


そして、あなた自身にとっても。

普通に中学校に行っていれば、道を聞いたり、買い物をしたり、自分の意見を説明したり・・はできるようになるはずです。

部分的ではありますが、十分英語を習得しています。

あなたができないと思っているのは「英語を話すこと」でしょう。


②英語を話すことと日本語と話すことは全然違う。

考え方にもよりますが、これもかなりのウソです。

客観的にみて違うといえるのは、文法、発音くらいです。

でも、文法は勉強すれば自然と理解ができるし、
事実、普通に学校に行っていたあなたはある程度理解できるはず。

発音は、日本語と英語でかなり違いますが、
別にカリフォルニアのアメリカ人のような、美しい発音ができなければ話せないわけではありません。

日本にもいろんな訛りの人がいますよね。(最近は減っているようですが)

そして世界にはたくさんの母国語なまりの英語話者がいます。


なにより、

英語人が言われてうれしいのは”Thank you.”です。

あなただって、「ありがとう」の言葉がうれしいのでは?


英語人が悲しんだり傷ついたりするのは「無視」です(他にもいろいろあるでしょうが)。

あなただって、無視されたらつらいですよね?

言語コミュニケーションは、本質的なところではほとんど同じです。


③日本の英語教育はレベルが低い

これはウソというよりは、「どっちの側面もある」くらいが本当のところです。

国民のほぼ100%に、一律な教育(ギムキョーイク、というやつです)をできている時点で、日本の教育制度は非常に高度です。


内容面における課題は当然あります。

しかし、現代の教育現場で語られていることは

「小・中の連携がうまくやれるかどうか」とか、

「英語を使って思考力を養うためにはどうするか」とか、

たぶん、一般人の皆さんが考えるよりだいぶ高度な問題です。
(要はあなたが悩んでいることとはあまり関係がない)


「話す練習を全然しないじゃないか!」と思う方。

現代の教育現場を知ってますか?
今ではすべて英語で授業を行うことがスタンダードになっていますし、

ほとんどの授業はアウトプット(話すこと、表現すること)を目標にして授業が組まれています。


そもそも、話す練習とは?

文法の知識もなく、単語の量も少ないのに、「さあ話してね!」という授業が理想ですか?

もしそう思うなら、あなたは次の思い込みをしている可能性があります。

④話すためには特別たくさんの練習が必要だ

感覚的にそんな気がするのはわかります。

ですが、「話すための練習」とは具体的に何でしょうか。


・「音を口から出す練習」は確実に不要です。

大体の場合、僕たちはすでに日本語を話せるからです。


・「発音の練習」は確かに少ないです。

発音習得の理論は最先端の研究分野なので、明確な根拠がない指導を学校では行えないからです。

そして、別に発音がよくなくても英語は話せます
(世界中のノンネイティブの方と話してみてください)。

・「ジェスチャー、ボディランゲージの練習」はほぼないでしょう。

でも、英語を話せるようになるためにそういう練習をする人はいません。


多くの場合、「話す練習」というのは「話す実地経験」のことを指しているようです。

でも、「話せない人」が「話すこと」をして「話せるようになる」かどうかはまた別の話です。

ここ10年の教育現場の変化を見ると、「話す機会」の増加は特徴の一つです。

それでも、この10年で話せる日本人が増えたか・・というと、どう思いますか?

少なくとも、「この10年で学校教育を終えた人全員」が話せるようにはなってないですね。


今以上に話す時間を増やせば、もっと話せるようになるのでしょうか。

それとも、もしかすると、話せない理由はどこか別のところにあるのではないでしょうか。


⑤人間は、腹落ちして理解した内容ならアウトプットできる。

少し難しくなってきました。

要は、「正確な文法、語彙」に加えて、「正しい知識」であるとか「正しいテクニック」を身に着ければ、

英語が話せるようになる、という思い込みです。


別の言い方をすると、

「腹の底まで落とし込んで納得すれば、話せるようになる」という思い込みですね。

要は、話せない原因は違うところにある、ということです。


これに関しては僕の経験からお話しします。

僕がアメリカに留学していたころ、先生がクラス全体に意見を求めました。

僕はその質問に対して「きっとこういう答えを言えばいいんじゃないかな」と思う内容があり、その英文を頭の中で作りました。

それでも、手を挙げてその英文をアウトプットすることができなかったのです。

知識は十分でした。文法も正確でした。観点も独自でした。

だけど言えませんでした。


この原因は何だと思いますか?

緊張、自信のなさ、周りの様子を見たいという思い・・

そう、もう心理的な部分しかないのではないでしょうか?

心理的な要素が、英語をアウトプット(特にスピーキング)する際の大きな枷になることがあるのです。


⑥英語を学ぶ上で心理学は関係ない

これは、こういう思い込みをしている人がいるというよりは、

そこまで深く英語学習を考えていない、というほうが近い気がします。


「心理学」というと、「ウソ発見器」とか「性格診断」みたいな、どこかくうさんくさい内容をイメージしてしまいがちです。

ですが、学習というのは心理学で取り扱う内容です。

学習は脳で起こります。脳内で起こることは心理学の対象です。

プレッシャーを感じて英語を話せない、というのは、ザ・心理学!です。

英語学習をずっと続けて、なかなか結果が出ないと思うなら、そろそろ心理学的観点に目を向けるべきです。


⑦心理学のアプローチが英語習得の大きな助けになることなんてない

こんなことを考える人はそうそういないとは思いますが😂


英語学習が心理学のトピックであるなら、

心理学の知識や、心理学を応用した手法は、

英語学習の大きな助けになります。


わかりやすい例をいくつかあげます。

たとえば、英語を話せないのが、トラウマの結果なことだってあります。

外国人を見ると委縮してしまうのは、家庭環境に原因があるのかもしれません。


「英語を話すためにそんなこと・・」と思うかもしれませんが、

「言葉を話す」というのはそれだけ複雑な活動です。


問題の原因に目を向けず、表面的な努力(テキスト学習、話す練習)をするだけでは、

もしかするとあなたは貴重な時間を無駄にして、

そしていつまでも英語を話せないかもしれません。


学習に行き詰まりを感じるなら、そういうアプローチもいかがでしょうか。


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