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かけちゃダメなのは、迷惑じゃない方。

こんにちは、ささをかです。
前回に引き続き、私が精神疾患から立ち直るにあたり、気づいたり、気づかなかったりした事を、つらつらと書き綴っていこうと思います。

第2話「かけちゃダメなのは、迷惑じゃない方」

え、迷惑じゃない方って、なんなの。
他にあったけ、かけるもの。
たすきですか、梯子ですか、それとも腰ですか。
いえいえ、そんな話をしているのではありません。

真面目な話。
みなさん「迷惑をかけてしまってごめんなさい」って、どのくらいの頻度で言いますか?
またはどんな時に言いますか?
私は約2年ほど前に、これを言うのをやめました。

迷惑はかけてます、日々それはもう色々な方にお世話になってますから、
それはもう大量の迷惑を、ふりかけさながらに掛けております。
でも、言わないんです。
なぜなら、すっごい怒られたから。
「迷惑かけてごめんなさい」って言う事で、たくさんの人に怒られたからです。

それは約2〜3年ほど前、私が適応障害の真っ只中だった頃のこと。
在職中は接客業なのにぴくりとも笑わず、情調不安定を隠すこともなく、
休職したらしたで病んでしまい、それはもう目も当てられない有様でした。
これを、”迷惑をかける”と言わずなんと言うのか。

だから、いつも言っていました。
「迷惑かけて、ほんとすみません……」
私の心は申し訳ない気持ちでいっぱいなので、まあ言う。何度でも言う。
しかし私の周りの人たちは、その言葉を受け取らなかった。

「迷惑なんか、かけて当たり前やねん」
当時は大阪に住んでいたのでゴリゴリの関西弁です。
「迷惑かけへん人間なんておらん」
「今のあんたはな、迷惑かけるしかないねん!」
いや鬼か。
こちとらメンタル病んでるのに、なんて容赦のない言葉。
そんな言葉が雨あられのように降り注いだ。ちょっと怒った感じで。
しかし、しかし、しかし。
そのどれにも深い思いやりが込められていたのは、常に理解していましたし、言葉を通して痛いほど伝わっておりました。

彼ら曰く、
「今のあんたは迷惑かけな生きられへんねんから、いくらでもかけたらええねん。好きなだけかけ!」
まるで怒ってるみたいに言う。すごい怒ってるやん。

そして実際、怒ってる、とても。
でもそれはどうやら、私が迷惑をかけたことに対してではなかったらしい。
あの時みんなが怒っていたのは、
私に迷惑をかけられたという事ではなく、その、もう一つの方。

「ホンマに心配してんで!」
「あんたもつらいんか知らんけどな、私だってつらかってん!」

心配の方でした。
その時はじめて知ったんですが、私の周りの人たちは、私が悲しいと悲しいらしい。
そして私がつらい事を知ると、心を痛めてしまうらしい。
その痛みはどうやら私本人のそれに勝るとも劣らないようで。
「心配する方の身にもなってみ!」と。
くどくど、くどくど。
チクチク、チクチク。
口酸っぱく言い聞かされました。
「心配するから、返事はして!」
「頼むからもう心配させんといて」
「もうホンマ心配しててんで!」

どうやら、私が謝った方がいいのはこっちらしい。
「心配かけて、すみませんでした」
「うん、もういいから、気持ちは落ち着いたん?何があったん?」

それから考えてみた。
確かに、私が迷惑をかけてしまった人たちがどうして怒ってるのかと言うと、私を心配してつらい思いをしたからで。

なんで怒るほどつらい思いをしたかと言うと、それほど私のことを大切に思ってくれているからで。

私を大切に思ってくれている人と言うことは、迷惑かけられてもいいから、それより私に元気になってほしいと思っているわけで。

だから、もし謝るのだとしたら、心配をかけた方なのでした。

だから、私はあの頃からぱったり言うのをやめました。
代わりに「心配かけてごめんなさい」と言うようにしてます。
だって相手は私を心配してくれるほど親しい人で、そんな人は迷惑かけたことに対して怒らないからです。
ただし私が本当に苦しい時に限る。
(※しかしそれも時と場合と日頃の行いによります。用法用量にはご注意ください)

ただ、仕事の時は言います!
流石に、相手がその言葉を求めている時は言いますよ!
礼儀的な、作法的な、マナー的な場面ではね。私も、流石に。

でも自分がつらくてかけた迷惑に関しては、相手はそこに対して謝罪を求めていなかった事がほとんどだったので、経験から言わずにおいてます。私の周りにいた人が本当に温かい人だったというのもある。
しかし、私の周りだけの話じゃないとも思うので、よければみなさんも今度言ってみてはいかがでしょう。

「迷惑かけて、ごめんなさい」
の代わりに、
「心配かけて、ごめんなさい」

言いながら、
私はこの人に心配してもらえるほど大事に思ってもらえてるんだな〜、と心が温まります。
心配も迷惑もかけないに越したことはないので、なるべく健やかにお過ごしいただいて。
もし言いそうになったら、バトンタッチしてみてください。

今日はそんな、こんなエピソードでした。
お読みいただきありがとうございます。

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