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ご恵贈いただいたご本&最近の読書

 日本はゴールデンウィークですね。忙しい4月でそれどころじゃない!(わかる〜わかりますとも〜)という方も多いことと思いますが、ほっとできる時間が取れますように。
 最近仕事が大詰めにてヨロヨロしていましたが、その間にご恵贈いただいた本や注文した本が到着し(まだ色々来る♪)、やっと時間ができたのでぼちぼち読み始めたところ。

 noteにて交流させていただいている夢酔藤山先生より、ご高著のご恵贈をいただきました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます!

 『聖女の道標』(西多摩新聞社)は日本の看護師(当時は看護婦)の草分けとして日本のみならず国際的に活躍した萩原タケの生涯を描いた作品です(西多摩新聞にて新聞連載)。日本へ行った折に注文したいと思っていたので大変嬉しいです。ありがたく拝読したいと思います。
 以下あらすじになります。

2007年7月から今年3月まで本紙で連載した、夢酔藤山さんの時代小説「聖女の道標」が単行本化。
あきる野市五日市に生まれた日本人初のナイチンゲール記章を受章したことで知られる萩原タケの一生を描いた小説は連載開始から反響も大きく、単行本では連載された小説に大幅加筆され、さらに読み応えのあるものとなった。
また、刊行によせて日本赤十字看護大学の川嶋みどり教授が「聖女の道標により、彼女の存在とその業績が浮き彫りになったことは、先達の足跡を偲ぶ後輩の一人として喜び」等、長文を寄せている。

西多摩新聞社HPより引用

『梅の花の咲く処』(西多摩新聞社)は以前もご紹介しておりますが、西多摩を治めた三田氏最後の当主である三田弾正を中心に、一族の運命を描いた作品です(身の程知らずにも、私があとがきを寄稿致しております…)。

鎌倉時代から戦国時代にかけ、青梅近隣を治めた三田氏。今でも西多摩の人々から愛される三田氏最後の当主・三田弾正を題材にした「梅の花の咲く処」(2003年西多摩新聞連載)に、書下ろしの前日譚、時代を50年遡り太田道灌暗殺の時代から地域を守り抜いた三田氏3代を描く「梅かほる闇路」を収録。

西多摩新聞社HPより引用

 戦国時代というと遠く隔たって感じられそうですが、本作には家族の間の愛情や苦悩、人としての強さや弱さ、そこに我々と何らの違いもないことが鋭く描き出されています。だからこそ物語を読み進むにつれ、明日の運命もわからぬ世界で人間は何を信じ、どう生きるべきであるのかと、読み手は自分自身に問いかけずにはいられなくなります。
 壮絶にして心震える、美しい物語です。ご興味がおありの方はぜひご一読のほど(付け加えると、装画もとても素敵なのです…)。


 それから、最近読了したのはこちら。
蒼真まこ『半妖のいもうと 2 あやかしの妹にともだちができました』(アルファポリス文庫)と、角田光代『源氏物語 1』(河出文庫)。

 noteにて交流させていただいている蒼真まこ先生の『半妖のいもうと』シリーズ第二作目。
 装画がですね、もう既に癒しなんですけれども…。
 内容が究極のやさしさとあたたかさでした。疲れている全人類にお勧めしたい…。
 主人公の高校生・杏菜と半妖である妹のくり子、そしてお父さんが、壁にぶつかりながらも懸命に、ゆっくりと成長していく姿がとにかく愛おしい。細部に至るまで丁寧に丁寧に綴られた文章は心地よく、どんな年齢層の読者にも届くのではないかと思います。ぜひ長く続いてほしいシリーズです。
(杏菜と○○さんの今後…あるんだろうか…気になる…!)

 そして角田光代氏による『源氏物語 1』。源氏物語ブームに乗っかって読んでみようと手に取りました。
 平易な言葉で綴られていてたいへん読みやすく、和歌などにも説明が添えられており、源氏物語初心者でも息切れすることなくついていくことができました(漫画の『あさきゆめみし』しか読んだことがない人間です…)。
 冒頭の桐壷などは、歯切れよく流れるような文体が余計に悲痛さを際立たせていて胸に迫ります。
…しかし成長した光源氏、こうして見ると本当に惚れっぽい。というか女性に執着しすぎてちょっと怖いレベル。空蝉を追いかけ回している時なんて16、7歳ですか?いくら超がつく美男子でも引きますったら。六条御息所に恨まれて夕顔は巻き添えを食って呪い殺されてしまうし、挙句に幼女にまで目をつけるし。これ以上被害者を増やすんじゃない光源氏。…なんてことが頭にちらついてしまう。

 角田版『源氏物語』は全8巻あるのですが、うーんどうしよう。面白いのだけど、8巻まで読破できるのかちょっと自信がないかも…。
 と心が定まらないため、友人から譲ってもらった角川書店編『源氏物語 ビギナーズ・クラシックス』(角川ソフィア文庫)をまず読もうかと予定を変更(←日和ったともいう)。
 全文ではなく場面を抜粋して原文と対訳が紹介されており、まさにビギナー向けです。これで五十四帖の全体を把握することにしよう…。

 それとは別に頼りにしているのが、noteにて交流させていただいている虹色のかめと花笑のさるさまが連載中の新訳『源氏物語』、その名も『花虹源氏覚書』。こちらが実に面白く独創的なのです。

 なんと、舞台は源氏物語の頃から千年も下った架空の時代で、光源氏の子孫であるお姫様に、お付きの虹花内侍が『源氏物語』を語って聞かせるという設定。舞台設定だけでもワクワクしますね。そして、物語の合間に交わされるこの二人の会話が実に楽しく含蓄に富んでいます。キュートで賢い姫様と内侍のお陰で『源氏物語』の解釈がよりいっそう深く味わえるなんて、素晴らしいアイデア。
 典雅で知的、品格がありながらもやわらかな文章といい、ユニークな構成といいたいへん魅力的です。『源氏物語』という言葉に引かれる方にはぜひお勧めしたい作品です。

 さて、当地では八重桜はすでに終わりかけ。散った花の絨毯がとっても綺麗でした。

八重は散ってからも美しいですね
もう見納めです。また来春…

 それでは、どうぞ穏やかな週末と連休をお過ごしください。

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