見る場所を見る——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト
この1年間、集中的に行ってきたリサーチプロジェクトの成果発表を、来年2022年の1月〜2月にかけて実施することになりました。冬の寒い時期(雪が心配!)ですが、ぜひお越しくださいましたら幸いです。
第1部は2022年1月24日(月)〜1月30日(日)、アーティストClaraさんと共同で行う展覧会 。鳥取市内にかつてあった映画館とレンタルビデオショップをClaraさんによるイラストで再現する、いわばイラストレーション・ドキュメンタリーとでも言うべきプロジェクトです。
第2部は2022年2月6日(日)、『映画愛の現在』三部作の初めての全作上映&トークイベント(新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら中止となりました。2/1追記)。同シリーズは鳥取で自主上映活動を行う人々に取材したドキュメンタリーで、同時期には東京でも全作上映を予定しています。
なお「鳥取の映画館&レンタルビデオショップ」リサーチは今後も継続していきます。記録写真や資料、個人的な思い出など、ぜひ情報提供していただけたら嬉しいです!(詳細はこのページの下部に掲載。)
見る場所を見る——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト
私たちが映画を楽しむとき、その背後には必ず、映画を「見る場所」や「見せる人」の存在があります。芝居小屋、映画館、公共施設、自宅(テレビ、ビデオ、パソコン)、掌の上(スマホ)……映画を見る環境は日々刻々と変化しています。ふだん意識することは少なくても、ふと気がつくと慣れ親しんだ場所がなくなっていたり、まったく別の姿に変貌していて驚くこともあるでしょう。本企画は、「鳥取の映画文化」をテーマとする展覧会と上映会の開催を通じて、眠っていた記憶を蘇らせ、私たちと映画との関わりを今一度見つめ直す試みです。残された資料は少なく、調査も始まったばかり。皆様がお持ちの「記憶」や「記録」も、ぜひ共有していただけると幸いです。
第1部:Claraによる展覧会 「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」
企画概要
かつては鳥取にもたくさんの映画館があり、最盛期には鳥取市内だけで同時に9館が営業していました。また80年代後半には映画館に代わってレンタルビデオショップが隆盛し、人びとの映画体験を生み出す新たな場所として重宝されてきました。しかし映画館もレンタル店も、外観の記録はほとんど残されていないため、在りし日の記憶は急速に薄れつつあります。そこで本展では、新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、イラストレーターClaraによるイラストを通じた記憶の復元を試みます。
■出品作家:Clara(イラスト)、佐々木友輔(テキスト・年表)
■会場:gallery そら(鳥取市栄町658-3 駅前サンロード)
■日時: 2022年1月24日(月)〜1月30日(日)10:00〜17:00(最終日は16:00まで)■関連企画:突発的ギャラリートーク会期中、本展作家・企画者のClaraと佐々木友輔が在廊する時間を設けます(在廊スケジュールはウェブサイトをご確認ください)。鳥取の映画館やレンタル店の「記憶」について、皆様のお話をぜひお聞かせください。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、突発的ギャラリートークは中止します。展覧会の感想や映画館・レンタル店の「記憶」については、会場に設置してあるアンケートにご記入いただけましたら幸いです。
Clara(クララ)プロフィール
鳥取県鳥取市生まれ。イラストレーター。鳥取県総合情報誌「とっとりNOW」の表紙をはじめ、鳥取市地域振興券のイラストや全国高校生手話パフォーマンス甲子園の募集チラシ、猫カフェ「Kitty Blue」の壁画など手がける。また、鳥取の皆さまにより多くの映画を楽しんでいただきたいという想いから、2017年に映画の自主上映団体「クララとクロダのひょっこりシネマ」を始める。(ウェブサイト)
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第2部:『映画愛の現在』三部作上映会&トークイベント 「ドキュメンタリーで見る、鳥取の自主上映活動」
新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら中止となりました。次上映機会をお待ちいただけたら幸いです。(2/1追記)
企画概要
■会場:パレットとっとり市民交流ホール(鳥取市弥生町323-1)
■日時: 2022年2月6日(日)
11:00-12:00 トークイベント
「見る場所を作る——鳥取で活動する三団体からの報告」
登壇者:清水増夫(鳥取コミュニティシネマ)
柴田修兵(jig theater)
Clara(クララとクロダのひょっこりシネマ)
司会進行:佐々木友輔
13:00-14:50 『映画愛の現在 第Ⅰ部/壁の向こうで』上映(103分)
14:50-15:00 (休憩)
15:00-16:50 『映画愛の現在 第Ⅱ部/旅の道づれ』上映(103分)
16:50-17:00 (休憩)
17:00-19:00 『映画愛の現在 第Ⅲ部/星を蒐める』上映(107分)
予約方法(当日受付有)
件名|2/6上映会予約
本文|
1.氏名
2.住所(申し込み人数分をご記入ください)
3.電話番号(緊急連絡先)
4.参加を希望するプログラム(トーク/映画第1部/第2部/第3部/全て)
↑の情報をまとめて、sasakiyusuke@tottori-u.ac.jp(佐々木)までメールをお送りください。当日受付も行いますが、来場者が定員50名を超える場合には入場をお断りすることがございますのでご了承ください。
『映画愛の現在』三部作(作品情報)
2016年の春、大学の職を得て、鳥取で暮らすことになった。夜行バスに乗り込んで、三年間過ごした東京を離れる。鳥取市内には、映画館が一館しかなかった。県内で見ても、東中西部にそれぞれ一館ずつ、合計三館しかなかった。
個人制作の映画を撮り、作品論や作家論も書いてきたわたしにとって、これは大問題だった。「日々、浴びるように映画を見なければ、優れた作品はつくれない。優れた文章を書くことはできない。」そういう世界で生きてきたからだ。
「映画とは何か。」映画を愛する人々の決まり文句。けれども今は、別の問いを立てる必要があった。映画はどこにあるのか。どこに映画を見に行くのか。私はスクリーンを求めて街に出た。この土地で映画を愛し、自らの手で上映機会を作り出す活動を続けてきた先輩たちに、人生相談をする旅が始まった。
佐々木友輔(ささき・ゆうすけ)プロフィール
1985年兵庫県神戸市生まれ。映像作家・企画者。鳥取大学地域学部講師。映画・ドキュメンタリー制作を中心に、執筆・出版、展覧会企画など領域を横断した活動を続けている。近年の主な上映に、福島映像祭2020(『コールヒストリー』)、第12回恵比寿映像祭(上映プログラムの選定および短編作品の出品)、第50回ロッテルダム国際映画祭(『映画愛の現在 第Ⅰ部/壁の向こうで』)などがある。
あなたの「記憶」をお聞かせください
鳥取の映画館やビデオレンタルショップについて覚えていることや、印象に残っている映画体験について、ぜひ皆様のお話をお聞かせください。記録写真や資料などの情報提供も大歓迎です。以下四つの方法を用意しています。
(1)突発的ギャラリートーク:1月24日〜30日の展覧会期中、在廊している作家(佐々木、Clara)に直接お声がけください。在廊スケジュールはウェブサイトをご確認ください。
(2)アンケート:展覧会場にアンケートを記入・掲示するコーナーを設けています。
(3)メール・お手紙等:以下の宛先まで情報をお寄せください。必ず返信可能な連絡先とお名前をご記載ください。
メール|sasakiyusuke@tottori-u.ac.jp(佐々木友輔)
お手紙|〒680-8550 鳥取県鳥取市湖山町南4丁目101
鳥取大学地域学部 佐々木友輔 宛
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