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コアラからゴリラへ

県立図書館でタウンページを閲覧して、鳥取県のビデオレンタルショップの盛衰を調べていた。

鳥取市ではビデオショップコアラという地元のチェーンが有名だったらしく、最盛期には市内に4店舗、郡部にも進出している。郡部のコアラはある時期にすべてゴリラに改称していて、意味が分からなすぎて笑った。経営が変わったのか、ただ名前を変えただけなのか。いずれにせよ狙いも効果も分からないが、こういうゆるい感じには何だか故郷的なものを感じるし、愛おしいなと思う。

私が鳥取に越して来た2016年の時点で、コアラもゴリラも全店閉店していて、利用することはできなかった。一度開いているところを見てみたかった。

2016年には、かつては2店舗あったというTSUTAYAもすでに撤退しており、市内に残るはGEO2店舗のみ。これまでGEOを特別意識したことはなかったけれど、いつの間にかTSUTAYAに代わる勢いでロードサイドの覇権を握っていて、動画配信隆盛後もしぶとく拡大を続けている。無性に気になる存在になってしまった。

TSUTAYAやGEO、さらにコアラやゴリラ、シネマ館スクエアやJAMなど、比較的最近まで存続したところはまだ調べようがあるが、それ以前の個人経営らしき数々の店舗に関しては、営業実態が想像できるような情報はほぼなく、謎に包まれている。

タウンページだけではやはり限界がある。例えば、広文堂があった場所がある時期からオズに変わっているが、それはまったく別の店なのか改称なのか? とか、ウェブサイトも残ってない店の場合、全年齢向けなのかアダルト専門なのか? とか、そういう基本的なところからして確かめる術がない。おそらく地道に聞き取り調査をしていくしかないだろう。

過去もしくは現在鳥取にお住まいの方、ぜひぜひ情報提供お願いします。→ sasakiyusuke(at)tottori-u.ac.jp

そういえば、レンタルビデオについての先行研究を調べてみると、ちょうど最近読み始めた『映画館と観客のメディア論』の著者、近藤和都さんの論文がヒットした。関心領域が近そうなので、他の著書も読んでみたい。

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