#70 北欧に想いを馳せた、ロヒケイット
一昨日「最後の晩餐」で何を食べるかという話を書いたら、急に食べ物への興味が再燃した。朝夕が寒くなり、何か身体の温まるものが食べたいな、思っていたところでもある。そこで思い出したのが、北欧、特にフィンランドでよく食べられているサーモンのスープ「ロヒケイット」、ここ一年くらいの好物だ。
(ヘッダ写真はヘルシンキのスーパーで見つけたレトルトのロヒケイット)
はじめての料理記事
これまでも note で食べ物に触れたことはあったが、正面から「料理」を取り上げたことはなかったので、今日は初めての料理回にしようと思う。ロヒケイットは「ロヒ」がサーモン、「ケイット」がスープで、フィンランドのサーモンスープのことだ。昔からフィンランド好きで、ドイツに来る前から自宅でよく作っていたので、今回はドイツで味の再現を試みた。
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まずはディル
ロヒケイットを作ろう、と決めたら、実は買い物に順番がある。というのも、ロヒケイットの味の決め手は実は最後に入れるハーブの「ディル」。以前ディルの代わりにローズマリーを使ったことがあったが、全くダメだった。ディルでなければロヒケイットにはならない。近くのスーパーになければ、成城石井や紀伊國屋など「おしゃれ系スーパー」へ行ってみよう。デパ地下もいいかもしれない。
次にサーモン
お次はサーモンだ。サーモンは比較的どこでも手に入るが、選び方にコツがある。まず、焼いてご飯と一緒に食べるわけではないので、塩鮭は不可。切り身を使うなら生鮭を。一番いいのは、キングサーモン、アトランティックサーモン、サーモントラウトのどれか。サーモントラウトは実は鮭ではなくマス(=トラウト)だが、味も近いし少し安いという長所もあるのでOK。
サーモンは焼かずにいきなり煮込むので、臭みが出やすい。その意味でも、生食できるサーモンを使うと美味しくできる。パックされたものを買う場合は、平べったいものではなくゴロっとしたものを選ぶ方が煮崩れにくく、美味しくできる。
その他の食材
それ以外は一般的なものだ。味のベースを作るのはニンニクと長ネギ。野菜はジャガイモとニンジン。味付けはブイヨンに塩コショウ。レモンは濃縮果汁を使うのと新鮮なレモンを絞って使うので意外なほど味が違う。ぜひレモンを絞って欲しい。あとは牛乳と水があればできるので、実際はディルとサーモンさえ見つかれば、ロヒケイットを作る準備完了だ。
調理開始!
ニンニクと長ネギはみじん切り、ジャガイモとニンジンは一口サイズに切る。ジャガイモ、ニンジンは予めレンジで2〜3分加熱しておくと茹で時間を短くでき、煮崩れを防ぐことができる。サーモンは大きめに切ろう。煮込んでいる間に崩れていくので、最初に小さく切り過ぎてしまうと食べる時に物足りなくなる。
1)鍋にサラダ油かオリーブオイルを熱して、ニンニクと長ネギを炒める。茶色になるまで、でなくてもいいが、しっかり香りが立つまでじっくり目に。香りが立ってきたらジャガイモとニンジンを投入。ちゃんと炒めることで煮崩れを防げる。
2)水を加え、沸騰したらブイヨンとサーモンを加える。あまりかき混ぜるとサーモンが崩れていくので注意。中火で煮込み、ジャガイモとニンジンが好みの硬さの少し手前になるまで煮込む。
3)牛乳、レモン汁、ディルを投入。レシピによっては「ディルは盛り付け時にのせる」と書いてあるものもあるが、多分違う。フィンランドで食べたものも、ディルが一緒に煮込まれていた。少し火をかけることで、より風味が出てくるように思う。ここでもう少し煮込むが、あまりぐつぐつと沸騰させないように。塩コショウで味を調整。
4)出来上がり。参考までに、今回作ったもの(上)と、フィンランドで食べたもの(下)を比べてみた。似た感じに仕上がっている。実は上のレシピで作ると、味もそれほど変わらずに美味しく作れる。
フィンランドで初めてのロヒケイットの一口目を食べた時、日本で自分が作ったものとあまりに味が似ていてびっくりした。レシピ通り作れば味を再現できる、というとても便利なメニュー。
本場ではこれに、酸味のある黒パンを合わせるのが一般的らしい(上の2番目の写真参照)。飲み物は、僕が選ぶなら白ワイン。それほどクセの強くない魚介でハーブが効いた料理なので、シャルドネではなく辛口リースリング、ケヴェルツトレミネール、ヴィオニエあたりが良さそう。ソーヴィニヨン・ブランはハーブ系の香りがかぶるので選ばない。
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秋の味覚を楽しむのにぴったり
ディルさえ手に入れば比較的料理の手間はかからず、野菜もとれて身体も温まるので、これからの季節に特におすすめ。フィンランドでは店によって、サーモンを煮込むだけではなく、焼いたサーモンを最後にのせるお店もあるそう。それも一度やってみたいなと思っている。
材料一覧
最後に、材料一覧。ここでは「おかわりあり2人前」の分量を示しておく。「少し少なめ4人前」もこの分量でいけると思う。
今日もお読みくださって、ありがとうございました🌿
(2023年10月13日)
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