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#152 言霊再訪 〜口にしないもう一つの言葉、決めました〜

「言霊信仰」という発想と価値観。神道での祝詞(のりと)や忌言葉(いみことば)とも関連が深く、元々は言葉の意味(漢字)よりも音(読み方)との結びつきの方が強いようです。中国でも、悪い意味の言葉と同じ発音の言葉を避ける傾向が今でもあることから、東アジア全体の考え方なのかもしれませんね。今日はそんな、「言霊」についてです。



不思議な二つのことば

国を問わず、現代人がつい口にしてしまう「あまりよくない言葉」、二つあると思っています。それは、次の二つです。

「忙しい」  「お金がない」

です。どちらも、言っているとどんどんその状態に引き込まれていくような気がしませんか? この二つの言葉について、違ったことを感じていました。

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「忙しい」

以前に『#121 多忙な人に、あこがれる』という記事を書きました。あれ以来周囲の人を観察しているのですが、本当にみなさん、「お忙しい」のですね。僕はそういう経験をしたことがほとんどありません。自分が本当に時間を使いたいと思うこと以外は、誘われても基本すべて断る習慣がついているからだと思います。

もしこの note の読者の方から、「少しお話ししたいのですが」と問い合わせがあれば、数日単位での調整はお願いするかもしれませんが、大抵いつでも5時間くらいは時間が取れます。そのくらい、予定はスカスカにしておくのが僕の生き方です。余白がないと、息ができません。

僕は、本当の意味で「忙しい」人はいないと考えています。すべては「優先順位」の問題ではないでしょうか。国会会期中の国会議員や首相でも、トイレには行きます。それは、トイレで排泄するという行為が、その時間議論するより「優先度が高い」からに他なりません。「そんな極端な例を!」と言われるかもしれませんが、そんなことはありません。戦闘機のパイロットは、もちろんトイレのために着陸するわけにはいかないので、おむつや尿パックなどを利用するそうです。何事も優先順位に沿って動くわけです。

よく観察していると、僕の周囲では、国際学会の会長をしている大学教授のような、客観的に「超多忙」な人の方が、こまめにメールを返信してくれます。一方、大学生の知り合いとかに、「忙しくて返信できなかった」と言われることが多いですね。実際には、「あなたに返信する優先順位が高くなかった」ということだと思います。もちろんそうはっきり言うことはないとして、です。

上の記事を書いて以降、「忙しい」という言葉は自分への言い訳だ、と感じるようになり、使わないことにしました。「しなければいけない仕事が多い」も受け身でよくないので、僕はどうしても「忙しい」という意味のことを言いたい場合には、「やりたいことがたくさんあるから」と言い換えることにしています。もしそれが、「やりたいこと」ではなく「やらされていること」である比率が高まってきたなら、それは仕事を変えるなどの選択肢を考える必要があると思います。

僕の選択は、予定はいつも空にしておいて、想像力が羽ばたく余地を残しておくことです。手帳を見ると、9月末までの週末は、どこかに出かける予定は一つもありません。自宅に友人を呼んで「すき焼きパーティー」をする予定が一つと、あとは「しあわせ探求庁」の活動、加えて現在受けているコーチングのセッションが1回あるだけです。「素敵なものが入ってくる余地を常に開けておく」感じかもしれません。

周囲の人はみんな合言葉のように、「忙しい、忙しい」と言い、事実予定がびっしりのようですが、どう考えてそういう生活をしているのか、じっくり聞いてみたいと思います。おそらく、「忙しくてじっくり話す時間はない」と言われそうです。

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「お金がない」

他方、周囲を見る限り、多くの人が「言わないように心がけている」と話してくれた言葉が、「お金がない」でした。誰しも「お金がない」ことを理由に、何かをあきらめるのは嫌ですよね。だから、「お金がないから〇〇できない」とは言わないようにしている、と話す人が多いように思います。

僕は、気づくと何かある度に、「お金がないから……」と言ってしまっている自分に気づきました。「忙しい」と常に口にしていては、文字通り「心」を「亡」くしてしまう……そう考えて「忙しい」という言葉を使うのをやめた一方、頻繁に「お金がないから……」と言ってしまっていたのです。ある友人に、「自分は言霊を信じるので、『お金がないから』とは言わないように心がけている」と言われて、ハッと気がつきました。自分は、「お金がないから……」と口にする度に、余計に負のスパイラルに引き込まれてしまっていたことに気づいたのです。

実際にはスケジュールが過密な時も、「忙しい」とは言わずに、「やりたいことがたくさんあるから」と明るくいられるようになりました。であれば、実際には資金が足りなくて何かができない時も、「お金がない」とは言わずに、何か別の方法を考える余裕を持ちたいです。今日からはそうしよう、と決めた決意表明として、この記事を書きました。

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昔の上司や同僚を思う

ヨーロッパへ来る前は、14年間普通の会社員をしていました。その頃の上司や同僚を思い出します。ほぼ例外なく、飲み会での彼らの口癖はこうでした。

やりたいことはあるけど、忙しいしお金がない。時間とお金があればできるのに

40歳を過ぎるとみんな決まってこう言う。ホント?

そういう彼らは(僕もその場にいたわけですが)、居酒屋で時間とお金を使っているわけです。今使っている「その時間とそのお金」を数年分合わせれば、その「やりたいこと」できるんじゃないですか? ということに気づいて、僕は会社を辞めてヨーロッパへ来る人生に切り替えました。

「ファーストクラスに乗って、世界一周」みたいな夢は難しいかもしれませんが、そうでなければ、工夫次第でどうにかなるはずです。僕も、事務職会社員から、海外大学院での研究職に転職しました。実際には、「ファーストクラスで世界一周」も、本気になればできるはずです。事実、僕の周囲にも、「二年間の世界一周旅行」をすでに成し遂げた人、これから成し遂げる人が一人ずついます。彼らも普通の会社員ですが、「忙しいしお金がない」とは言いませんでした。

やればほとんどのことはできるはずで、結局は優先順位の問題だと思います。居酒屋で「忙しいし、お金もない」と愚痴を言うことを優先するか、黙って行動することを優先するか、です。居酒屋で愚痴を言う方が簡単で楽なので、ほとんどの人がそっちを選択するだけなのだと思います。

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今日からの自分

今日からは、これまでに使わないと決めた、「忙しい」に加えて、「お金がない」という発想もやめようと思います。お給料はちゃんともらっているし、生活に困るほど金銭的に困窮しているわけではないので、どうにでも工夫のしようがあるはずです。「やりたいことがたくさんある」「優先順位の高いものにお金を使う」と考えて、一つずつ夢を実現させていく人生にします。そんな、「言霊再訪」でした。ぜひ、みなさんの想いをコメントで聞かせてください。

今の気持ちを代弁してくれるような曲を引用します。こういう雰囲気で頑張っていきたいです。Facing West、もちろんアメリカ開拓の意味がこもっています。このライブ演奏は、CDに収められた演奏を遥かに超えた、世紀の名演だと思います。

最近ある友人に強く勧められて、遅ればせながら映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、それ以降「やっぱりあきらめずにチャレンジしてみる」勇気が再び湧いてきました。上で「お金がないからとは言わないように心がけている」と教えてくれた友人と合わせて、二人に心より感謝します。

今日もお読みくださって、ありがとうございました✨
(2024年8月16日)

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