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すぐにできる!ユーザーセグメント設計と勿体ないマーケ施策の回避法

こんにちは!ReproでアプリやWebサイトのグロースマーケティングをやっている佐々木です。
今回はアプリ内マーケティングでよく登場する「セグメント」についてお話しします。

このnoteは「モバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2021」の3日目の投稿です
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◀2日目:既存顧客マーケティングを考えるための新しい視点
▶4日目:ユーザーインタビューの現場で明日から使えるTips集

佐々木の失敗

※自社サービスではないため、ふわふわした例なのはご容赦ください

Reproに入社してすぐの頃、とあるECサービスでいわゆる鉄板施策と呼ばれる施策を実施しました。
本当に色んなサービスで見られる「鉄板 of 鉄板」な施策だったんですが、成果は全くと言っていいほど出ず、施策を配信しない群と比較してもCVRはほぼ変化なしという結果でした。

一人でうんうん考えても原因がさっぱりわからず、PMにその結果を持っていくと、「それ既存ユーザーと初回ユーザーで結果分けて出せる?」と言われました。

言われるがままに結果を出してみると、なんと初回ユーザーのCVRは大きく上昇しており、既存ユーザーには効かず、むしろマイナスに作用しているという結果になりました。

今思うとそらそうだろという感じなのですが、サービスの中には様々なユーザーセグメントが存在します。
そして、一つの施策を実施して結果がよかろうと悪かろうと、その中には必ず施策が比較的効いているセグメントと効いていないセグメントが両方存在します。

勿論誰にも聞かない悲しい施策もあります…


「セグメント」とは何を指しているか

「セグメント」というと年齢・性別・位置情報・累計購入金額….などなど無数のパターンが考えられます。
しかし、とてもじゃないですが、そんなに多くのセグメントを考慮して施策を実施することはできません。

では、現実問題どのようなセグメンテーションに基づいて施策を運用すべきなのでしょうか。
ここで「顧客体験サイクル」の考え方を引用したいと思います。

顧客体験サイクルとは

多くのアプリはユーザーの継続的な利用を前提として設計されており、うまくユーザーが定着しているアプリには必ずと言ってもよいほど特有のコア体験サイクルが存在します。

以下は家計簿アプリの例です。

サービスグロースに必要な「顧客体験サイクル」という視点

よほど多機能なアプリでない限り、ほとんどのユーザーが取る行動はコアサイクルに集約されます。そのため、その他の雑多な属性情報よりもこの体験サイクルを元にセグメントを作成したほうが網羅的かつ効果的なセグメンテーションとなります。

より具体的にいえば、必要な情報は以下の2つです。
1. サービスを利用し始めてからの経過日数
2. 特定の期間内に何回のサイクルを回せているか

1によって、ユーザーの利用フェーズがわかり、2によって習慣化が始まっているユーザーの定着度を測ることができます。


全ユーザーを対象とした画一的な施策は機会損失を生む

どんなサービスでも、全ユーザーを対象としたお知らせがいくつか存在するのではないでしょうか。
セールの開始、機能アップデートなどは多くのユーザーにとって有益な情報ですし、全ユーザーに配信して問題ないと思います。

その一方で、必ずしも全ユーザーにとって有益とは限らない情報も存在します。

私の手元のスマホでは、ファッションECであれば季節のコーディネート、化粧品アプリだと診断コンテンツなどがたくさん届きます。しかし、ほぼそれらのアプリを開かない私にとって、そういった情報はむしろ鬱陶しく感じ、通知OFF・アプリ削除に繋がることが多いです。

マーケター目線では…? 

一方、それらの不要だと思われる情報を継続的に配信し続けるということはそれなりの理由があると考えられます。
例えば、ファッションECのアプリではコーディネートについてのPushを送るとCVRが高い、という結果が運用担当者の目には見えているのかもしれません。

しかし、これはまさに先ほどの以下の画像の状態だと考えられます。

一部のユーザーに刺さることで全体のCVRが底上げされ、逆に私のようなライトユーザーの煩わしさを覆い隠している、ということが想像できます。


どうすればよいのか

ここで提示した以下のデータを使って手っ取り早く実現できるアクションをご紹介します。

1. サービスを利用し始めてからの経過日数
2. 特定の期間内に何回のサイクルを回せているか

EC系のアプリであれば、以下のようにだいたい6個程度のセグメントに分けられるかと思います。

EC系アプリのユーザーセグメント(仮)

まずは、現在送っている全配信の通知を全く同じ内容で上記の6セグメントにそれぞれ送ってみることをお勧めします。これにより、施策が効くセグメントと効かないセグメントが明確になり、以降全体配信からそのセグメントを除外するという意思決定ができます。

これはもちろんPush通知に限った話ではありません。インセンティブ配布・ポップアップによる行動誘導などなどあらゆるアプリ内マーケティング施策で同じことがいえると思います。一度、全く同じ施策をセグメントごとに分割して実施してみてほしいです。


最後に

最初に実体験の一部をお話したように、1つの数字の裏には様々なユーザーがいるということをReproに入ってから嫌というほど学びました。

「機会損失を回避する」というなんだかマイナスな話題で本論は終わりましたが、結局重要なのは顧客の体験サイクルに合わせたユーザーセグメントを設計し、それぞれに最適なコミュニケーションを取っていくことです。

https://note.com/kengoiwt/n/n9640b674a432

https://note.com/hiroto_inada/n/nf89308c7a211#FJHSa

こういったユーザーとのコミュニケーションの全体設計については私と同じReproの稲田や岩田が贔屓目無しで良い記事を執筆しているので是非ご覧ください。(割と長いので読むのに時間はかかりますが)

少しでも本記事が多くのマーケターの方にとってプラスとなりますように。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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