佐々木晴基(ささはる)

佐々木晴基(ささはる)

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経営TOPがミドルマネージャーに求めるものとそのギャップ_経団連『ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応』

2012年に経団連が発表したミドルマネージャーに関する調査報告書です。この資料の面白い点は企業トップとミドルマネージャー両者に調査を行い、それぞれの認識のズレを可視化している点です。 かなり色んなところで引用されており、10年前から実務面で納得感の強い資料だったのだと思われます。 ※回答を行っているのは経団連所属企業のみなので、多くは成熟期に入っている企業である点に注意です 興味深い調査結果の抜粋経営トップのミドルマネージャーに対する評価 個人的にかなり意外だったのが、

    • 理念浸透に重要な「ポジティブな組織成員性」とは?『経営理念の浸透』- ③

      理念浸透の3次元モデル本書第2章では以下3つの次元で理念浸透のプロセスが把握できることを実証しています。 理念への情緒的共感 ⇩ 理念内容の認知的理解 ⇩ 理念を反映する行動的関与 まず理念として掲げている事項を「お、いいな」と共感し、より理解を深める、最終的にはそれを行動に反映する、というとてもイメージしやすい整理です。 共感・理解以上に理念浸透に重要な「組織成員性」組織成員性とは、個人がある組織へ所属していると自身を認知していることを指します。 そして、自身の組織に

      • 理念浸透を捉える枠組み『経営理念の浸透』- ②

        この本では経営理念の浸透を以下の3つの視点から捉えています。(なかなか本論が始まりません…w) 1. 理念的カテゴリーの中心化プロセスとしての理念浸透(マクロな視点)組織のアイデンティティは無数の要素から成り立つ複雑なものです。「Apple」という企業名を聞いただけでも「デザインのすごい会社」「スマホの会社」「年収が高い会社」など無数のアイデンティティが考えられます。 その無数のアイデンティティの中から「我々はこうあるべき」という規範的なものを「理念的カテゴリー」と呼びます

        • 経営理念浸透の3つの流れ『経営理念の浸透』- ①

          理念浸透について考えるにあたり、何冊か関連図書に手を出したのですが、最も学びが深かった『経営理念の浸透』について数回にわたって紹介します。 今回は本論に入る前の所謂先行研究の整理パートですが、理念浸透について考えるうえでとてもよい整理になるのでここからスタートします。 1. 構造主義的組織文化論の影響好業績を上げる企業の一つの特徴として「強い」文化を持っていることが掲げられ、その中で理念浸透がフューチャーされる、という潮流です。 この潮流の中では経営者が強いリーダーシップ

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          新卒カスタマーサクセスを考えている方に伝えたい3つのこと

          はじめまして、佐々木といいます。 私はReproに新卒入社してから一貫してカスタマーサクセスという仕事をしています。 IT企業を志望している感度の高い学生であれば「SaaS」「CS(カスタマーサクセス」というキーワードを知っている時代になりました。 今回は他のCSの方の記事を読んでいてもあまり出てこないけれども、CSを志望している(特に新卒の)方が知っておくとプラスなんじゃないかということを書きます。 ※最低限CSがどんなものかわかっている前提で書くので、まだCSやSaa

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          2021年面白かった本TOP4を30分で書く

          TOP4までしかないのは30分で書けたのが4冊までだったからです。来年は5冊を目指します。 急成長を導くマネージャーの型今週読んだばかりでしたが、今まで読んだマネジメント系の本で一番よかったです。網羅的かつすぐにアクションに起こせるような具体性が共存していて感動しました。 ・マネージャーの役割定義 ・仕事のアサイン方法 ・急拡大する組織をどうデザインするか などなどベンチャーならほぼ必ず悩みに一通り本の中で答えが示されていて、自分や自社を見返すきっかけになりました。 な

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          すぐにできる!ユーザーセグメント設計と勿体ないマーケ施策の回避法

          こんにちは!ReproでアプリやWebサイトのグロースマーケティングをやっている佐々木です。 今回はアプリ内マーケティングでよく登場する「セグメント」についてお話しします。 佐々木の失敗※自社サービスではないため、ふわふわした例なのはご容赦ください Reproに入社してすぐの頃、とあるECサービスでいわゆる鉄板施策と呼ばれる施策を実施しました。 本当に色んなサービスで見られる「鉄板 of 鉄板」な施策だったんですが、成果は全くと言っていいほど出ず、施策を配信しない群と比較

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