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「今までの私」が崩れるときが来る



鬱になって、どんな変化があったのか?

今までの「私」なるものが、音を立てて
ガラガラと崩れ、廃屋ガラクタのように粉々になっていった。
その音は凄まじかった。
体の360度覆う音、音、音。
目の前で崩れていくけど何もできなくて圧倒されるだけで悲しみもない。
ただ音を聞いているしかない。

あとに残ったのは更地。
気分は砂と瓦礫の舞う中でたった一人、吸えそうにない空気を飲み込んでいるような心地。



もう(今までと同じ)は保てなくなった状態

私はこうやって生きてきた。
今までやってきたことこそが私なんだから、それを否定しないで。
真面目に行動してきた。言われなくても頑張ってきた。
一人でもしっかり出来る。それが私なの。
でもいつも、正当に評価してもらえないことが不満だった。
こんなに頑張っているのに、こんなにベストを尽くし続けてるのに。
なのに、なのに、それを、もう必要ないって言うの?
ストップしてやめてしまいなさいって言うの?
そんな事できるわけないじゃない。
頑張らない私なんて、私じゃない。
頑張って頑張って、入院するほど頑張っても評価されなかったんだから、
立ち止まるなんて絶対だめ。サボってはダメ。逃げてはダメ。
私の価値がもっとなくなってしまう。
そんなの耐えられない。

鬱の心の声


私と私の行動を、同一化してそれをアイデンティティにしていた。
だから、今まで行ってきた行動や考え方を改めようとする時に心がこのように叫び出したのだ。
凄まじい音を立てて崩れていったのは、【今までの考え方】【今までの私】
最後のカケラが出す音まで耳が拾う。
【今までの私】を辞めてサヨナラする時は綺麗なんかじゃない。
唖然とするだけだ。

お願い。私を否定しないで。壊れてしまうから。お願い。


原因の種を摘む

カウンセリングは、話していくことでいつの間にか原因の種に気づかせてくれる。カウンセラーは種を一緒に探しにいってくれるが、その種を積みに行くのは自分自身だ。その会話の道のりはいつも、なんでもない散歩で始まるのに崖や谷に到着する。「もう嫌だ。こんなところに居ずに下山したい。やだよー。」そんな思いが込み上げてきて大泣きするのが毎度だった。

そうやって種を摘んでみて、眺める。
あぁ、あの時にできた種だ。そうかずっと苦しかったんだね。
でも苦しくないフリをして私の頭の中にいたんだね。
自分について知っていく。整理していく。

鬱回復の道のりは
【自分について知ろうとした】期間だった。
こんなにも自分と向き合ったことがないほどに。



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