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筋トレのコツ19:重量を抑えるだけで「エンデュランストレーニング」になる

この記事では筋トレを続けていく上で重要になるコツの中でも、『エンデュランス・トレーニング』の特徴についてまとめています。尚、具体的なトレーニング方法については省略しています。あくまで「考え方」だけです。


「エンデュランス・トレーニング」とは?

「エンデュランス・トレーニング」の「エンデュランス」には、「持久」や「耐久」などという意味があります。

つまり「エンデュランス・トレーニング」とは、簡単に言えば、筋肉の持久力、あるいは全身の持久力の向上を目的にして行われるトレーニングの総称の事です。

尚、エンデュランス・トレーニングには様々な方法があり、以下ではそれぞれの特徴について簡単に説明しています。ただし最初にも書いたように、具体的なトレーニング法については省略しており、あくまで「考え方」を紹介するだけに留めます。


通常のウェイトトレーニングを「エンデュランストレーニング」として行う

前述のようにエンデュランス・トレーニングは、全身の持久力を高めるだけではなく、「特定の筋肉の持久力をピンポイントで高める」事もできます。そのためのトレーニング法をここで紹介します。

通常、筋肥大を目的として行うウェイトトレーニングの場合、ダンベルやバーベルを用いて、筋肉に大きなストレスを与える必要があります。特にその場合の重量は「最大重量の8割前後」が目安になります。

つまり1セット中に1回だけ持ち上げる事のできる重量が100kgなら、その8割前後なので80kg前後になります。実際にそれでトレーニングを行ってみると、1セット中の反復回数は6~10回になります。RMで言えば6~10RMです。また2分程度のインターバルを挟み、それを2~4セット繰り返す事になる訳です。

一方、それをエンデュランス・トレーニングとして行う場合、「最大重量の5~7割」となるような重量で行う必要があります。つまり最大重量が100kgなら、50~70kg程度の重量で行う事になります。尚、瞬間的に力を入れるのではなく、やや緩やかに動作を行い、動作間でなるべく脱力しないようにして続けましょう。

実際にそれでトレーニングを行ってみると、1セット中の反復回数は20~30回になります。RMで言えば20~30RMです。ただしインターバルは短めに取って、1分程度で次のセットを行う必要があります。そうして2~4セットを行って、筋肉を限界まで追い込み、筋持久力を高める訳です。

ちなみにこの理屈を知っていれば、あらゆるウェイトトレーニングをエンデュランス・トレーニングとして行う事ができます。例えば「ベンチプレス=胸の筋肥大」「スクワット=太ももの筋肥大」というイメージもありますが、それを「筋持久力向上」を目的に行う事ができる訳ですね。


「LSDトレーニング」とは?

「LSD」は「Long Slow Distance(ロング・スロー・ディスタンス)」の略称です。つまり「LSDトレーニング」とは、簡単に言えば、「長い時間、ゆっくりとしたスピード、かつ一定のスピードで行う」ような全身の有酸素運動の事です。

尚、この「ゆっくりとしたスピード」とは、具体的にはどのぐらいのスピードなのかというと、目安として「最大心拍数の60%前後」になります。またトータルの運動時間は「1~2時間程度」となります。つまり1~2時間程度の間、そのスピードを最後まで維持して運動を行う訳です。

ただしLSDトレーニングはそのように遅いスピードで行うため、運動強度が低く、体で「大きな変化」が起こりません。

よってLSDトレーニングは「身体能力の向上」を目的として行うものではなく、単純に「長い時間、遅いスピードで、安定的に動き続ける事ができる能力(集中力や技術の確認・状況の想定等)」を高める事を目的にして行う事になります。

あるいはLSDトレーニングでは、そのように長時間体を動かし続けるので、例えば心臓の機能の改善効果、体温調節機能の改善効果、末梢にある細胞の血流改善効果なども得られるものと思われます。ここだけ見ると一般的な有酸素運動の効果と同じですが、前述のようにペースが一定なので、その点は大きく異なります。


「ファルトレク・トレーニング」とは?

「ファルトレク・トレーニング」は、簡単に言えば、山道、砂辺、岩場、坂道など、主に「自然の地形を利用して行う全身の持久系のトレーニング」の事です。つまり様々な場所で行う有酸素運動の事ですね。

そのように様々な場所で行う事で、「環境に適応する能力」を鍛える事を目的としています。また高低差のある地形で行えば心肺機能を高める事ができたり、不安定な地形で行えばバランス能力などを高める事もできます。


「インターバル・トレーニング」とは?

「インターバル・トレーニング」とは、「全力に近いペースでの無酸素運動(最大心拍数の80~90%)」と、「不完全な休息、または軽い運動(心拍数が落ちきらない前に運動を再開)」を交互に繰り返すような全身のトレーニング法です。

特にこのトレーニング法では「短時間でエネルギーを大量に消費した状態」を意図的に作り出す事ができ、単純な心肺機能の向上効果が得られるのはもちろんの事、それを行っている間の心身の反応を向上させたり、それを終えた後の心身の反応を向上させるなどの効果が得られます。

例えばこのインターバル・トレーニング行うメリットとしては、

・疲労物質が蓄積し始めるのが遅くなる
・疲労物質が蓄積しにくくなる、滞りにくくなる
・疲労物質が溜まっている状態でも、体を動かし続ける事ができるようになる
・疲労物質が溜まり切った状態からの回復能力が高まる
・心臓や肺も鍛える事ができる
・糖・脂肪・酸素などを効率良く使う事ができるようになる
・精神力も鍛える事ができる

などが挙げられます。

一方、デメリットとしては、

・肉体の消耗が激しく、慢性的な怪我に繋がるリスクもある
・精神及び脳の消耗もかなり激しい
・心身を十分に休ませる必要があり、高頻度にはできない
・運動中に突発的な怪我が起こるリスクもある
・基本的な心と体がなければ続ける事すら難しい

などが考えられます。

このようにトレーニング効果は非常に高いのですが、これを行うためには基本的な体力、及び基本的な生活習慣の改善が大前提であり、また例え健康体であっても心臓や肺の他、自律神経にも大きな負担がかかるため、毎日行う事はできません。当然普段以上に休養の取り方が重要になり、その管理ができなければ身を滅ぼす事もあります。

ちなみにインターバルトレーニングの中でも、更に強度の高いインターバルトレーニングの事を「HIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」と言います。

これは通常のインターバルトレーニングよりも、更に短い間隔及び短時間で「全力運動と休養を繰り返す」ようなトレーニング法です。それぞれの秒数は様々ですが、例えば「10秒間全力で運動を行う→10秒間休む」を5分程度繰り返すなどの方法があり、極めてハードなトレーニングになります。


「レペティション・トレーニング」とは?

「レペティション・トレーニング」は、全力での運動(最大心拍数の100%に近い状態)と、完全な休息(心拍数が平常時にまで落ちるまで待つ)を交互に繰り返すようなトレーニング法です。

前述したインターバル・トレーニングと似ていますが、レペティション・トレーニングでは、運動の間に取る休養にはタイムリミットがなく、十分な休息を取ってから次の全力運動を行う事ができます。

つまりレペティション・トレーニングでは「持久力の向上」という事よりも、「全力で運動を行っている時のパフォーマンスの向上(2回目3回目と繰り返していくと、疲労が蓄積した状態で全力運動を行わなければならなくなる)」に重点を置いています。


「高地トレーニング」とは?

「高地トレーニング」は、平地よりも酸素の少ない高地で行うようなトレーニングの総称です。

特に酸素の薄い高地での運動に体を慣れさせておく事で、酸素を体に取り込む能力、及び酸素を効率良く利用する能力を高める事ができます。またその状態で平地に戻ってきた時、パフォーマンスを格段に向上させる事ができます。マラソンや水泳の選手が行う事で有名ですね。

ただしトレーニングの効果もあくまで一過性のものであり、平地での生活を続けると、いずれは元に戻ってしまいます。また一定期間とは言え、体に大きな負担を強いる事になり、心身の状態に合わせた専門的なトレーニングが必要になるでしょう。

ちなみに「高地」と聞くと「登山」でも良いように思いますが、登山では、その日の内に、あるいは数日程度で平地に戻ります。高地トレーニングではもっと長い期間、高地にいて、更にその環境の中でトレーニングをし、体を慣れさせる必要があります。つまり数日程度、山を登るだけではあまり意味がありません。




以上です。何かのお役に立てれば幸いです。

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