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筋トレのコツ1:自分の関節可動域を把握して体を動かそう

この記事では、筋トレを続けていく上で重要な「自動」と「他動」についてまとめています。

簡単に言えば「関節可動域」の事であり、自分の関節可動域を把握し、その範囲内で動作をコントロールする事が重要になります。

P.S. さすがに更新サボりすぎたので今日からぼちぼち頑張ります。


自動と自動域

「自動」とは、反動や勢いを使わず、できるだけ自分の筋力だけで行う関節の運動の事です。また「自動域」とは、その自動によって行う事のできる「関節の可動域」の事を言います。

例えば肘を伸ばした状態から、まっすぐ肘を曲げていくような運動の場合、肘を最も伸ばした状態から、反動や勢いをつけずに、ゆっくりと肘を曲げていくと、いずれはそれ以上肘が曲がらないという角度に行き当たると思います。それが「肘をゆっくり曲げる」という運動における自動域(自動による運動を行う際の関節可動域)の限界です。

また逆に肘を曲げた状態から伸ばしていく場合、同じようにゆっくりと肘を伸ばしていくと、最終的には肩~肘~手首までが一直線となり、それ以上は肘が伸ばせなくなります。それが「肘をゆっくり伸ばす」という運動における自動域の限界です。

尚、ここでは「肘の曲げ伸ばし」を例にしましたが、自動域の範囲は関節によって大きく異なります。例えば手首の自動域、肘の自動域、膝の自動域などでは、全て自動域の範囲が異なるという事です。

また人によって生まれつき骨の形は微妙に異なります。そのため自動域には大きな個人差が出る場合もあります。例えばゆっくりと肘を伸ばしても、肩~肘~手首が真っ直ぐとなるような角度を超える人もおり、肘が逆に反ってしまう場合もあります。


他動と他動域

「他動」とは、自分の筋力に加え、反動や勢いなどを使って行う関節の運動の事です。また「他動域」とは、その他動によって行う事のできる「関節の可動域」の事です。

例えば前述のように、肘を伸ばした状態から、ゆっくりと肘を曲げていくと、それ以上は肘を曲げる事ができないという角度まで行くと思います。

自動では反動や勢いがないため、当然それ以上は肘を曲げる事ができませんが、反動や勢いを利用し、肘を素早く曲げてみると、その自動域を超え、更に深く肘を曲げる事ができます。これが「肘を素早く曲げる」という運動における他動域(多動による運動を行う際の関節可動域)の限界です。

また逆に肘を曲げた状態から、素早く肘を伸ばしてみると、肩~肘~手首までが一直線となるような角度まで進みますが、人によってはそれを超えてしまう事があります。それが「肘を素早く伸ばす」という運動における他動域の限界です。

特に前述した自動域が、肩~肘~手首まで一直線となるような角度を超える人の場合、他動域も同じようにその角度を超え、肘が反るような形になります。


自分の関節可動域を把握しよう

ダンベルやバーベルなど、大きな重量を扱うようなトレーニングの場合、その重量が、運動を行う際の勢いになる事があります。それに任せて勢い良く関節を動かすと、自動域を大きく超え、他動域まで進んでしまう事があります。

特に関節には、骨と骨を繋ぎ、骨の位置を安定化させ、関節の動きを滑らかにするための「靭帯」があります。他動域ではこの靭帯が必要以上に伸ばされる事があり、他動域における関節の過度な運動を行う度、そのストレスが蓄積されていきます。

1回1日程度のストレスなら、靭帯は元々非常に強固な組織のため、少し伸びたとしてもすぐに元に戻ります。しかし靭帯への伸ばされるストレスは着実に蓄積されており、毎日少しずつ伸びていきます。そうしてある一定のラインまで伸びると、自力では元に戻らなくなってしまいます。

靭帯が伸びると骨の固定が上手くできなくなり、関節が緩くなります。すると運動を行う度、関節の周囲のある組織がずれ、それによって各組織が擦れ合い、炎症を起こしやすくなります。またストレスの蓄積によって靭帯がヘタっていると、一発の大きな外力により、靭帯が断裂したり、骨がぶつかって壊れたり、あるいは骨が良からぬ方向へずれて脱臼してしまう事もあります。脱臼までは行かなくても、例えば足首の捻挫のようにいわゆる「癖」になる事もあります。

これを防ぐためには、自分の自動域や他動域の範囲を把握し、その範囲内で関節の運動を行う事が重要です。簡単に言えば「曲げすぎず伸ばしすぎない(意識的に行うためには集中力も必要になる)」というコントロールです。特にそれは高重量を扱うトレーニングほど重要になるはずです。


筋肉の膨らみによる関節可動域の変化

例えば太ももの裏側にある筋肉(ハムストリングス)や、ふくらはぎにある筋肉(腓腹筋)を鍛えて大きくした場合、立った状態から膝をゆっくりと曲げていくと、いずれは太ももの裏側にある筋肉と、ふくらはぎにある筋肉がお互いにぶつかり合い、それ以上は膝を曲げる事ができなくなります。

つまりトレーニングを始めたての頃と今とでは、膝を曲げていく際の自動域が異なるという事です。トレーニングを続けていく上では、そうした「筋肉の成長」も考慮する必要があります。

一方、膝を勢い良く曲げた場合、筋肉の盛り上がりが潰れるため、その後も膝を曲げる事ができます。この時には現在の自動域は超え、他動域まで進んでしまいますが、現在の他動域には「以前の自動域の範囲」も含まれています。つまり「関節が許容できる他動域」なので、前述したような靭帯へのストレスはありません。

しかし筋肉の盛り上がりが潰れると言っても、それは一瞬で、実際には筋肉が潰れた後に反発が起こっています。それによって太ももの骨とスネの骨の中間、すなわち支点となる膝関節の間に「隙間」が空いてしまう事があります。それを繰り返した場合、靭帯へ伸ばされるストレスがかかり、積み重ねによって、関節の固定が緩くなってしまう事があります。

やはり大きな重量を扱うようなトレーニングほど、自分の関節の可動域を把握し、その範囲内で関節を動かす事が重要になります。

ちなみに「自分の筋肉が邪魔をして自動域が狭くなる」というのは、よっぽど筋肉が大きく発達していない限り、起こるものではありません。

これに関連し、未だに言われるのが、「ウェイトトレーニングをすると、怪我をしやすくなったり、体が固くなったりする」というものですが、そうして自動域が狭くなる事で問題になるのは「既にある程度のレベルに到達していて、更なる高みを目指す場合に、怪我のリスクをどうやって抑えていくか」という人だけです。例えば中学生や高校生などが気にするようなものではありません。


多種多様な方法で行い、刺激の種類を変えよう

ここでは「三角筋(肩関節を覆っている筋肉)を鍛える」場合を例にします。

三角筋を鍛えようとする場合、様々なトレーニング種目があります。例えば・・・

・ショルダープレス
・フロントレイズ
・サイドレイズ
・リアレイズ
・ワンハンドローイング

などがあります。

また、

・扱う道具を変える(ダンベル、バーベル、ケトルベル、ゴムチューブ、トレーニングマシン、ケーブルマシン等)
・体の傾きを変える(インクライン・デクライン等)
・持ち方を変える(握る際の向き等)

などによって刺激の与え方が変わります。特に体の向きを変えれば、種目にもよりますが、効く部位が大きく変わります。

更に、

・筋肉の収縮の仕方を変える(コンセントリック:縮む時に力を発揮、エキセントリック:伸ばされながら力を発揮、プライオメトリクス:筋肉を勢い良く伸ばした後に収縮、スピード:素早く収縮)
・重量を変える(最大筋力:100%、筋肥大:70~90%、筋持久力:50~70%程度、スピード:50%前後あるいはそれ以下で素早く収縮)
・セット方法を変えたり(スタッガードセット、アセンディングセット、ピラミッドセット等)

などによっては、筋肥大以外を目的としてトレーニングを行う事もできます。

特に前述したように「自動域の範囲内」で、動作をコントロールしてトレーニングを行う場合、当然「動かす事のできる範囲」は狭くなります。

筋肉に効果的にストレスを与えるためには、関節の可動域を目一杯に使う事が重要であり、そうして動かす範囲が狭くなると、種目によっては「筋肉へ与えるストレス」も小さくなってしまう事があります。

そのような場合、そうして、同じ種目でも普段とは異なる方法で行うようにしましょう。それが新たな刺激となり、壁を打ち破ってくれます。



以上です。お役に立てれば幸いです。

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