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詩|ただ泣く、そして書く。

13日前の夜。
350mlの缶ビール6本で、泣く。

夜中に一人、推しの番組を見ながらビールを飲み、キラキラしている彼らと対照的な自分に泣く。
なりたいものに一つもなれていないと、悔しくて声を出して泣いた。

なりたいものはたくさんあった。
歌手、童話作家、絵本作家、インテリアデザイナー、詩人、バックパッカー、小説家。
どれにもなれないまま、今日を迎えている。

別に、日々を嘆いてなどいない。
一人カラオケは楽しいし、子どもが私の作る話を面白いと喜んでくれるのも嬉しい。部屋は自分の好きなようにして、鼻歌を歌いながら自転車を漕ぎ、知らない道を行くのも楽しい。

満たされている。
生活に満足はしている。
でも、どこか違うところが空っぽで。
寂しくて悔しい。

公募に出して箸にも棒にもかからなかった小説を見返す気にもならず、もう書かないと決めたのは五ヶ月前のこと。
何をしたいのかもわからず、まずは私を知ろうとぺりぺりと一枚ずつ皮を剥いでいた時に、何もなれずに悔しいと泣く私を見つけた。

次の日、私はつらつらと自分のことを綴り始め、そしてnoteを始めた。
書けばインプットしたくなり、インプットすれば書きたくなる。
好奇心と欲が満たされいくようで、それでもなお、どこか乾いている。
まるで、穴の空いた風呂釜だ。

書きながら泣く日もある。
膿を出すように。
全て出し切った時、少しでも満たされていますように。


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