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唐揚げを二度揚げ、そして、二度と誓わないと己に誓う。

この記事を書いている時刻は3月27日(水)の午後9:45である。

明日はストック記事を公開予定だったので、本日はタブレットに向き合う予定はなかったのだが、反省すべき出来事が起きたので、記録やむなしということでタブレットを開いている。きっとここに記さなければ、一晩経った明朝には私は反省をしたことを跡形もなく消し去ってしまうような気がしている。

時を戻そう。

本日の午後6:00。
私は定時ダッシュで家に辿り着くと、早速晩御飯の準備に取り掛かった。今日のメニューは唐揚げ。我は唐揚げは二度揚げたい。朝の6時間半に一度揚げておき、冷蔵庫に寝かせておいた唐揚げを帰宅後早々に冷蔵庫から取り出すと、一度レンジで温める。冷めたままの唐揚げを二度揚げした方がからりと揚がるという話を聞いたことがあったが、中までしっかり温まるのかという疑念が私の頭を過り、私はその噂を実証することなく、一度レンジで温めるという習慣を繰り返している。

事前に170度で揚げておきうっすらと白く揚がっている唐揚げを冷蔵庫から取りだし、そして温め、190度まで温度を上げた油の中に唐揚げを投入した。

アチ、アチ、アチチ。あっちいよ〜。
という声が唐揚げから聞こえるのは完全なる私の幻聴で、実際の唐揚げからは、ジュワジュワ〜という、美味しそうな音が漏れ聞こえてくる。
そして、たまに唐揚げは狂ったようにパチンと指を鳴らすハイテンションな指パッチン野郎となり、私に油を飛ばしてくる。

アチ、アチ、アチチ。あっちいよ〜。
という声を私が上げているのは、紛れもない現実である。

次々にこんがりと揚げられる唐揚げどもをバッタバッタと薙ぎ倒し、私は皿に乗せたキッチンペーパーの上に、唐揚げの山を作る。本日は鶏もも肉2枚と鶏胸肉1枚分。以前は鶏もも肉2枚で足りていたが、息子たちがよく食べるので、2枚では足りない。胸肉にハズレ感が出ないように、薄く削ぎ切りにしスティック状にして美味しそうなスティック状の唐揚げを作成。

午後6:40頃には唐揚げを揚げ終わり、夕食の準備が整った。

そして、その日は次男の習い事の日であるため、すぐさま上着を羽織り、颯爽と自転車にまたがり、私は家を後にした。

そして、自転車を漕ぎながら私は心の中で花占いを始めた。花びらを一枚一枚剥ぎ取りながら、「好き」「嫌い」「好き」「キャー」みたいな感じでやるあれである。なぜをそんなことを始めたのかは私にもよく分からない。ひた隠しにしていた乙女心が溢れ出すように私は心の中で花びらをむしり始めた。「飲む」「飲まない」「飲む」「飲まない」ああ、どうしよう。「飲む」「飲まない」「飲む」「飲みたい」。

もうだめだ。
私の中心でひた隠しにしていたアルコールへの愛を叫んでしまった。

実は最近飲み過ぎのような気がしている。そんな中、今週は金曜にオフィシャルな飲み会が開催される。しかもその飲み会には飲み放題という私にとっては夢のサービスがついている。私はその飲み会で上司や諸先輩方の武勇伝や愚痴などを聞くという役目があるだろうと予想しており、さらには注文に気を配らなければならない一番の若手であるからして、使いっ走りよろしく楽しめないのだから、せめて酒だけはたらふく飲んでやろうということを水面下で計画している。とはいえ、性格上、往々にして先輩方の話を素直に聞くことは難しく、いつの間にやら10も20も年上のお姉様方をファーストネームで呼び、帰り道の心配をしていただく結果になり、毎度反省をしているところである。ということで、きっと今週の金曜日も大量に酒を飲むだろうから、せめて水曜日は休肝日にしておこうと思ったのだ。ちなみに月曜日と火曜日と木曜日はもともと休肝日にしており、すでに経過している月曜日と火曜日に至っては一滴も酒を飲んでいない。平日の全てを休肝日にすることも考えたが、それは私にとってはものすごく切ない決断であり、一週間を乗り切るのは容易ではないことから、私は水曜日に一度酒を飲もうと決めている。すべては一週間を楽しく乗り切るための私なりの知恵なのだ。しかし、飲み過ぎはよくないと思い、私は今週の水曜日だけは飲まないと月曜日に誓ったのだ。己に。

ここまで呼吸をすることなく一気に喋ったので、酸欠状態である。一度二酸化炭素を摂取すべく、いも焼酎のソーダ割りを飲むことにする。

グビグビ ・…・プハァ

しかし、その誓いはあっさりと破られた。
花占いの結果、「飲む」に軍配が上がったのだ。心の花はラナンキュラスであり、花びらの枚数は100〜250枚ほどあると言われている。要は、すべてが私の匙加減となる。そのため私は花占いを「飲みたい」で終了してしまったのだ。私は全てを花占いに委ね、そして花占いのせいにした。こうなっては飲まなければなるまい。飲むしかあるまい。私は決意を新たにし、次男をピックアップすると、帰宅するなり酒を飲んだ。

いも焼酎のソーダ割りを飲みながら私は己に誓う。
無駄な誓いを立てるのはやめよう、と。




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