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7月

2019年7月1日
平成が終わって、もう2ヶ月。
令和が始まって、もう2ヶ月。

『何を期待していたんだろう…。』

何も変わらないし、何も始まらない。
結局、この先の人生も、同じように過ぎて行くのだろう。

気がついたら、ゆりかもめは終点の「豊洲駅」に着いていた。

降りるはずだった「有明駅」まで戻るのも悔しくて、終着駅で降りても行くあてなどない。

人波に押し流されるように歩く。
もう夕日は沈んだはずなのに、まだ空は茜色の余韻を残している。

「ららぽーと豊洲」
来る人すべてを歓迎するように、冷房のきいた屋内は涼しくて、少しだけ心が癒される。

『海だ…』

建物に囲われた中庭の向こうに海が見える。

私は吸い込まれるように海へと歩いて行く。
夕日が溶けた海の美しさに心を奪われるのも束の間、あたりは暗くなっていた。

『夕日にも、見捨てられたか…』

そう言って振り返った時、鉄塔のようなモニュメントにネオンが灯った。
まるで夜空に咲く花火ように輝いて。

夜には夜の美しさがある。
たとえ夕日には間に合わなくても。

『もう少し頑張ってみよう』

私は何度も口にしながら、花火の下を明日へと歩いて行く。


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