誰かに頼まれたわけじゃないけど、「クリーニング屋さんになったら。」。
薄いピンクと色づいてきた芝生の写真が、同級生の就活しているらしい写真とSNSに流れるようになった。
もう、まったくもって、春である。
私も春にあやかって「仮想・就活日記」なるものを創ってみようかと思ったり、思わなかったり。少なくとも、「もし仮に、」を考えることは、楽しそうだ。
都会にはもちろんクリーニング屋さんがあると思う。けれども、田舎にも郵便局くらいの間隔でクリーニング屋さんがあることが、長年の不思議だ。
「田舎の人たちは、そんなにYシャツ着るかねぇ。」
なんて、何も知らない私は感じる。まるでちょっとした春なんじゃないかってくらい、ピンクでペンギンマークのOSCARは街にちりばめられている。
大して暖かくならなくて、なんのために着るか分からないチェスターコートの為にしかクリーニング屋さんを使わない私。
そんな私も誰か何か、そういう偉い人に「クリーニング屋さんで生計を立てなさい。」なんて言われたら、がんばる他無い。
そうしたなら、どうやって「洗濯の機会」を増やすかを考えると思うのだ。
某マヨネーズの会社が、マヨネーズをたくさん売るために容器のマヨ出口を少し広げたという話を誰か、大学教授か、テレビ司会者からか聞いたことがある。
ならば、それに倣って、クリーニング屋の私は、毎度クリーニングする必要がある様な服を作ればいいんじゃないか。
ファッション畑ではないから、詳しく分からないけど「素材」って大事なんじゃないかと思う。家で洗えないから普及しないけど、いい素材のポワっとしたTシャツとかあったら私はそればかり着ちゃいそう。
「クリーニングしてもらうことで、」を追求してみたらクリーニング屋さんの私も楽しく生計を立てられそう、なんて、春の心地につられて夢見がちになっている。
もし、クリーニング屋さんがブランドをを立ち上げたなら、作って、届けて、着られて、汚れて、洗われて、また届けられて、服が循環する、ステキなコミュニケーションになるのではないか。
いいな、クリーニング屋さん。
いまから就活始めて、クリーニング屋さんでクリーニングの修行した後、転職して、ファーストリテイリングを経た後独立する生き方もなんかステキ感ある。
就活している誰か、代わりにやってはくれんだろうか。
目をつむって「食」をすると、舌の上で、何を食べているのか、情報を自力で作り上げる。手探りで、いや、舌探りかな。
就活って、それと同じなんじゃないかって思う。
誰かがちょうど良くラベリングした情報に感性を委ねるんじゃなくて、舌の上でなにとも分からない何かの味を楽しむように、あの手この手「来年の春は何してるかな。」って、妄想したり、インターンして、実際に感じてみたり。
そんな妖艶な就活もいいんじゃないかな。
そう思うと、ずっと毛嫌いしている就活も、なんだか悪いもんじゃない気がする。
「あぁ、春って、いい季節だ。」ね。
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