挑戦的な企画と無責任な思いつきの違い(1/2)【創作のための仕事論(4)】
こんにちは、さらばです。
今日はわたしの仕事でもある"企画"について、創作との関連性も考えつつ書こうと思います。
まあまずは"企画"ってなんなのかっていうと、文字どおり企てること、計画することなわけです。わたしの認識では。
もうひとつ加えるなら、あくまで"企て"なので、実行は含まれません。以前どこかに書いてあったのを読んで「ほほぉ」と納得したのですが、企画っていうのは「実行直前まで」を指すんですよね。
ここから自分なりに考えを膨らませて、今ではわたしの中で、"企画"の定義は以下のようになっています。
企画とは、アイディアを計画にUPDATEする行為。
アイディアはただの"思いつき"ですが、計画は実行するための具体的な内容です。
アイディアを出す。
計画を立てる。
実行。
のうち、1を含む2、あるいは2のみを企画と呼びます。つまり思いついたことを実行できる内容に仕立て上げることが企画であり、企画職の能力の本質は(計画としての)具体化です。
で、これを前提として語る場合、だからこそ企画を仕事にしているとこういう疑問にぶち当たるわけです。
「挑戦的な企画と無責任な思いつきの違いってなんだ?」
企画の前後をやるのは自分か? 他人か?
この問いが生まれる前提には、ふたつの問題があります。
アイディアを出すのは誰なのか問題。
計画を実行するのは誰なのか問題。
要するに企画の前後です。アイディアがなければ計画はできませんし、実行しない計画にほとんど価値なんてありません。
「そんなの、全部自分がやるんじゃないの?」
と思ったあなた、マジ正しいです。それならこの問題は半ば解消されます(全部は解消されませんが。後述します)。
けど世の中って往々にしてそうじゃないケースがあるんじゃないでしょうか? 少なくともわたしが今まで仕事で関わってきた企画は、社内/社外に限らず必ずしもそうじゃないっていうかむしろ他人のアイディアを計画にしなきゃいけなかったり、実行するチームに計画立てたやつがいなかったりなんてこともざらでした。
そうなるとどういうことになりがちかというと、
こんなアイディア無理だよ計画に落とし込めねえよ問題。
この計画立てたの誰だよ実行不可能だよ問題。
などが勃発し、さらにその"思いつき"的アイディアを出したのがお偉いさんだったりすると、
どう足掻いてもうまくいきそうにないのに誰もやめようと言えない問題。
お偉いさん調子に乗って次々と排泄物的アイディアを量産する問題。
などが因果律的に起こります。
あ、いや、私怨とか特定の誰かを思い浮かべていたりはしませんよ? あくまで一般論みたいなものだと思ってます。ははは。
とはいえ。
わたしが企画を仕事にしてきたから思うのかもしれませんが、やっぱりアイディアというのは形にして初めて価値が生まれるものですし、実行不可能なアイディアを無責任な思いつきで投げる輩を見るとふつふつと怒りがわき上がります。
ただし一方で、「実行できることしか企画しない」というスタンスの企画職ほどつまらないやつもいないと思います。もっと挑戦しろよと。
で……さっきの疑問に戻ります。
挑戦的な企画と無責任な思いつきの違いはなんなのか。
わたしの今時点での結論ですが、
「アイディアを出したひとが、アイディアと計画の違いを理解できているかどうか」
「アイディアを出したひとが、自ら計画と実行を担ってでもやる覚悟があるか」
というふたつが、致命的な違いを生み出すんじゃないかと考えています。
というわけで、続きは次回。
お読みいただきありがとうございます。
さらばでした!
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